パラレル〜彼女が大人になったなら〜


この短い物語は、闇の宇宙のルパによってツノが抜けた次元とはまた別の時間の、話である。

幼少期と大人になる時期の2回、鬼族はツノが生え変わる。高校生活もそろそろ終わりというある朝、ラムにもその時期が訪れた。
朝、押入れの中で目覚めると、枕元に小さな円錐形のツノが2本、転がっていた。彼女はそれを手に取り、何と無く寂しいような、嬉しいような、複雑な気持ちになっていた。

「しばらくは電撃も使えないし、空も飛べないっちゃね…」

数日で新しいツノが生えてくるとはいえ、いつもと違う体の感じに少し違和感を覚えながら、制服に着替え、学校へ向かうラム。
教室へ入る前にトイレの鏡で、改めてツノのあった場所を確認してみる。髪をよけてみると、地肌のそこは少し窪んでいた。

そして教室へ。静かに着席して頬杖をつき、ぼんやりする。少しすると、あたるが入って来た。ラムに少し目をやるが、相変わらず他の女子に真っ先に声をかけている。
そんな様子を見ても、ラムは何らかの行動を起こすわけでもなかった。あたるのいつもの様子をチラリと見やって、そっぽを向き、小さく溜息。

「どうしたんですか?ラムさん、元気がありませんね」

そう声をかけてきたのは、面堂だった。

「別に…」 上の空で返答するラム。

「いつものラムさんらしくありませんよ。どこか体の具合でも?」

「そうじゃないけど…」

面堂よりあたるに心配してもらいたいのに、と思いながら、教室を忙しげに動き回る彼の方に目をやる。

「ウチ、ツノが抜けたっちゃ」

面堂に言ったわけではなかった。少しわざとらしく大き目の声で、もう一度言ってみる。

「ウチ、ツノが抜けたんだっちゃ」

「という事は…ラムさん、しばらく超能力が使えないんですか?」

無視されていてもお構いなしに、ラムに話し掛ける面堂。

「ウチ!ツノが抜けたっちゃ〜っ!…もーっ、ダーリンッ!」

席を立ってあたるに近付き、後ろから襟首を掴んで、耳元でもう一声。

「ウチはっ!ツノがっ!抜けたんだっちゃ!聞いてるのけ?ダーリン!」

「朝っぱらから何を言うかと思えばっ…えーい、うるさいわっ!」

「ツノが抜けたらどうなるのか、わかってるのけ?ダーリンの薄情者っ!!」

思いっ切りあたるの頬をつねり、ぎゅうぎゅう引っ張るラム。

「いてーなっ、何するんじゃっ!お前のツノが抜けたという事は…電撃を出せない、という事だろ?」

「だからウチ、しばらくの間は、か弱い乙女だっちゃ…少しは終太郎を見習って、ウチの事心配してくれたっていいのにっ!」

「そんなに心配されたかったら、面堂にでも誰にでも、勝手に心配してもらえばいーだろーがっ!」

「…もうっ、ダーリンのバカーーッ!!」

あたるの耳元で思いっきり怒鳴ると、ラムはプリプリしながら自分の席へと戻って行った。


「諸星なんぞ放っておけばいいんですよ、ラムさん。僕が家までお送りしますよ」

帰り仕度をしているラムに面堂が声を掛けてきた。教室を見回せば、あたるの姿はもう無かった。

「せっかくだけど、ウチ…しばらくひとりになりたいから」

ラムはムシャクシャするというより、あたるにひとつも心配してもらえなかった事で、気落ちしていた。ツノが抜けていつもと体の調子が違うせいも、あったのかもしれない。

暮れてゆく空を見上げながら、カバンを抱えぼんやりした面持ちで、帰路につくラム。時々下を向いて、小さく溜息をつく。

と、後方で車のブレーキ音が。面堂の送迎用リムジンがラムの真後ろで停まっていた。

「ラムさん、家までお送りしますよ。遠慮せずに、さ、どうぞ」

面堂の手がラムの肩に掛かった。すると、ラム自身思いもかけない事だったが、彼の紳士な態度と、そっと触れてきた手に、思わず“ドキリ”としてしまったのだ。
何故か頬が赤くなる。ちょうど夕暮れの時刻だったので、顔が赤くなっている事に気付かれてなければいいが…と、ラムは思っていた。

後部座席に座り、面堂との間にわずかのスペースをとるラム。走り出した車の、窓の外を流れる景色を眺める。すると、面堂が口を開いた。

「諸星のやつも冷たいですね…ラムさんが電撃を使えないのをいい事に、好き勝手に振舞うとは…」

「いつもの事だから…別にいいけど…ねぇ、終太郎」

もうすぐ諸星家、という距離になったところで、窓の外を見ながら、ラムが言った。

「今日はウチ…何だか帰りたくない気分だっちゃ…」

「ラムさん…」

ラムから面堂の手に、手を重ねてきた。運転席との間には後部座席が見えないようシールドがある。それを知ってか、ラムは面堂に体を寄せてきた。

「あんな冷たいダーリンより…終太郎の方が、ウチ…」

そこまで言うと、ラムから面堂に唇を重ねてきた。

「若、目的地に到着しました…若?」

「…いいからこのまま、車を走らせておけ。何時間でもいい…」

ラムのキスは大胆だった。唇を重ねてきたと思ったら、彼女から面堂の口内に、ぬるりと舌を入れてきたのだ。

「んっ…終太郎…」

ラムの手が面堂の手を握って導き、自分の制服の上から胸元へと押し当てる。面堂は制服の上から、ラムの形の良いバストをやんわりと掴んだ。

「もっとエッチな事しても…いいっちゃよ…」

ラムが面堂の耳元に、吐息と共に囁きかける。それに応えるように、面堂の片手がラムのスカートをたくし上げ、太股をさすり出した。

「それだけじゃあ…ウチ、ちっとも、感じないっちゃ…」

再び唇を組み重ねて舌を絡め合いつつ、面堂はもう片手をラムの制服のトップスの内側へと滑り込ませた。そして、ブラと生肌の狭間に、指を潜り込ませる。
丸みを帯び、柔らかいけれども適度な弾力のある、ラムの乳房。そしてもう少し上へ手を滑らせると、ディープなキスを続けるラムの息が、少し荒くなった。

「んっ…んふっ…」

面堂の指先がまろやかな丘の頂にある、小さなぽっちを刺激したからだった。指先でぷりぷりと嬲ると、先よりも膨らみ硬くなる、ラムの乳首。

そしてラムを下にして、ゆったりした座席にふたりが崩れてゆくには、それほど時間はかからなかった。


「んっ…んんっ…ちゃっ!!」

ラムはあたるの部屋の押入れで飛び起きた。

「変な夢見たっちゃね…でも何で相手が終太郎だっちゃ…それもこれもっ」

押入れの中から部屋を見ると、いびきをかいて気楽に寝ているあたるがいた。

「ウチのツノが抜けて電気の刺激が無いからって…ダーリンのバカッ」

押入れから出て来たラム、あたるの布団に潜り込むと、彼にのしかかった。

「ダーリンたら…ねぇ、ダーリンッ…何のん気に寝てるっちゃっ!」

その声で目を覚ましたあたる、寝ぼけ眼を擦りながら、せっかくの眠りを邪魔されて、一言文句を言う。

「…何じゃ、人がせっかく寝てたのに…」

「ダーリンが冷たいから、ウチ、変な夢見たっちゃ」

「…どんな?」

「…そんなの言ったら、怒るっちゃ」

「無理矢理起こされて…もうとっくに怒っとるわっ…」

「ウチが…終太郎と…」

「ラムのアホッ、何ちゅー夢を見とるんじゃっ!この浮気者っ!」

「でも夢だったんだから…ごめんちゃ、ダーリン」

そう言いながら、あたるの胸に頭を預けて、細い指先で彼の首筋をくすぐるラム。

「だってダーリンたら…ウチの電撃が出ないからって、ちっともエッチしてくれないんだもん…でも、もうすぐツノ、生えてくるはずだっちゃ」

「どれ?」

あたるは、ラムの頭上のツノがあった辺りの髪をよけてみた。地肌が少し窪んでいる。そこを指で突付いてみると。

「あんっ…」 ラムの口から艶かしい声が漏れた。

「な、何じゃラム…ここを突付いただけだぞっ」

「…ダーリン、ちょっとここ、舐めてみて…」

「えっ?…」

ラムの言うがままに、窪みを舌先で突付き、次いで軽く舐めてみるあたる。

「あはぁっ…だめっ…そこ、すっごく…」

その反応に思わず気を良くしたあたる、ラムの頭上のふたつの窪みを交互に舌先で愛撫してやる。

「ああっ…あっ!だめっ…ウチのそこっ…すごく、感じるっちゃ…あぁっ!」

パジャマを着たままのあたるの胸の上で、息を荒げてゆくラム。その手が彼のパジャマの上着をぎゅっ、と掴む。
ラムは、あたるに抱きすくめられ、ツノがあった跡を愛撫されながら、カラダを小刻みに震わせている。

「…もうっ、辛抱たまらんっ…」

あたるはそう言うと、彼の胸の上で悶えるラムのビキニを外し、自分もパジャマを脱いだ。今度は彼女を下にして頭上の地肌から、頬、唇、首、そしてその下へと、全身くまなく愛撫する。

「んっ…ダーリンッ…いいっちゃぁ…」

掛け布団をすっぽりかぶり、その中で絡み合うふたり。ラムは両足をゆったり開いて、あたるの腰を挟み込む格好になった。
そしていつものように、あたるが自身のモノに手を添えラムのナカにそれを挿入してゆく。

あたるはラムのナカに自身を送り込みながら、指先でツノの抜けた窪みを突付いたりなぞってやる。すると彼女のカラダがびくびくっ、と反り返る。

「んんっ…んっ、んっ…ダーリンッ…」

胸を合わせ全身を揺すり合いながら、ラムはあたるの肩口を唇でくわえ、どうにか声を抑えようとしている。篭った声で喘ぐラム。

「んっ、んふっ…あっ、あっ…」

あたるが送り込みにスパートをかけ、ピストンのリズムが早まる。ラムの奥が彼によって突かれ続け、互いの息遣いが更に荒くなる。

「はっ、はっ、はっ、はっ…」

「あっ、あっ、ダーリンッ…ウチッ…!」

あたるの肩に唇を押し当てていたラムだが、激しい送り込みにどうしても声を抑えきれなくなる。彼の首筋や頬に激しく吸い付き、荒い息をかけ、声を漏らす。

「ああっ、ダーリンッ…もう…ちょっと…ああぁっ!」

ラムが両足をあたるの下半身に回してがっちり組み合う。きゅむきゅむっ…と収縮し、あたるをほどよく締め付けるラムの陰部。

先から頭部を指先でなぞっていたあたる、ラムの髪をくしゃくしゃに掻き乱し、窪みに指を強く突き立てた。

「ちゃあぁぁぁぁーーーーっっ!!」

「ラ、ラムッ…!」

「もうっ、ウチ…だめぇーーーっ!」

…パリパリパリッ…

「うおっ…!」

…パチパチパチッ…!

ラムの下半身が力み、あたるをがっちり挟み込んだ。背中を弓なりに反らして、顎を突き出す。

「ちゃああぁぁぁぁぁーーーーーっっっ!!!」

バリバリバリバリーーーーッッ!!

「ぐおぉおぉおーーーーーっ!!」

強烈な電気が、ラムの全身からほとばしった。あたるにしがみ付いたまま絶頂に達したラムは、激しく身をよじりながら、少し宙に浮いた。
頭部には、新しいツノが2本にょっきり生えて、そこからも激しく放電している。

「ダーリーーーンッ!!」

いつもと違うアクメに、忘我のラム。掛け布団が電撃で吹っ飛び、あたるを抱えた格好のまま、床から浮き上がった。

放電が部屋中を駆け巡る。青白いスパークが床を駆け抜け、壁を伝い、天井を舐め尽くす。

「ちょっ…おいっ、ラムーッ!」

ラムのあまりの乱れ様と、全身が弾けそうな電撃に、さすがのあたるも面食らった。強烈な電気の痺れが、繋がった陰部を通じて、あたるのつま先から頭のてっぺんまでを同時に駆け抜ける。
それと同時にラムのナカに、あたるの精子が勢い良く放出された。

「ちゃあああぁぁーーーっっ!!!」

いつもより長く強烈な電撃で、あたるはラムに抱えられたまま、ぐったりとして果ててしまった。
部屋の中央に浮かびながら、あたるを抱き締めたままのラム。

「ダーリン…?ダーリン!?」

あたるは両腕をだらりと垂らして、わずかに顔を上げ、力なく言った。

「ラム…ちょっと今日のは…さすがに…」

「大丈夫だっちゃ?ダーリン…」

「…大丈夫なわけ…なかろーが…」

ラムが自分の頭に手をやると、新しいツノの手触り。

「今ので…新しいツノが…」

ふわりと床に着地するふたり。上半身を起こした格好で、あたるを抱きかかえるラム。あたるはラムの肩に頭を預けて、少しの間ぐったりしていた。

「ウチに大人のツノが生えたっちゃ…」

「…と言う事は…」

「ウチももう、一人前の大人の女…だってことだっちゃ、ダーリン。これからもっと、ウチ、頑張るっちゃ♪」

「いや…あんまり頑張られてもだな…」

「どうして〜?ダーリン嬉しくないのけ?」

「いや…嬉しいとかそういう事じゃなくてだな…」

そう言いながらあたるがラムを正面から見ると、心なしか彼女が今までより艶っぽくなったように思えた。
思わずドキリ、としてしまう。そして目を逸らして軽く咳払いすると、こう言った。

「まぁ、そうだな…適当に頑張れば…いいんじゃないか?」

「何照れてるっちゃ?ダーリン」

「オレのどこが照れてるというんじゃっ」

「だって、ちょっと赤くなってるみたいに見えるっちゃ」

「これはアレだ…オレも頑張り過ぎたので暑いだけじゃっ」

ムキになったあたるが正面を向いた瞬間、ラムが軽く“チュッ”とキスをしてきた。

「これでまた、いつも通りだっちゃね…」

「しかしお前らの体質っちゅーのは、地球人には理解し難いもんがあるぞ…」

派手な電撃で焦げたあたるの部屋も、ようやく静かに夜が更けていこうとしていた。

そう、別の時間が流れる世界では。もしかしたらこんな風に、彼女は大人になっていったのかも、しれない。

--- E N D ---

あとがき


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