Sな彼女、Mな彼。(加筆修正版)


ラムは短気で、あたるが他の女にちょっかいをかけようものなら、すぐに癇癪を起こす。
以前あたるからも、癇癪が気に入らん、自分の浮気はあくまできっかけであって、その性格は生来のものだ、とか何とか、あたる自身に都合のいいように、説教をされた事もあった。

「だけどダーリンがそんなんだからいけないっちゃ!浮気なんかしなきゃ、ウチだって怒ったりしないのに!」

「お前のは生まれ持った性分だろうがっ!何かといえば電撃、電撃、電撃っ!少しは学習せんかいっ!」

「だけどどんなに女に声かけたって、いっつも振られてばっかりなのに。ダーリンこそ学習能力が足りないっちゃ!」

確かにあたるについては、ラムの言う通り。高校の女生徒や保健室のサクラ、そして名前も知らない道行く女の子達。ちょっとでも可愛いと見れば、モーションをかけるのが常だ。
そして結果はいつもきまって惨敗。平手打ちに始まり、肘鉄、足蹴り、その他諸々。様々な手段で痛めつけられ続ける諸星あたる。

しかしその手痛い振られ方にもめげず、次の相手を見つけては、声をかけまくる。毎度その繰り返しなのだが、一向に懲りる様子は無い。
かつての恋人だったしのぶですら、今はあたるのモーションに張り手をかましたり、机の下敷きにしたり、と容赦無い。他の女子達は言わずもがな。

今思い付く限りでは、そんなあたるにただひとりだけ惚れ込んでいるのが、ラムだ。
最初の出会いは最悪で、求婚されたと勘違いした後、強引に同居を始めたラム。
もちろん、出会って間も無い頃の彼女の思惑も、よくはわからない。レイに愛想を尽かしたから誰でも良かったのか、もしくは熱烈にラムからモーションをかけていたのに一向になびかない素っ気無さに惹かれたのか。
とにかく、どういう理由であれ、ラムの女心も他人には量りかねるものがあった。

しかし出会いのきっかけはともかく、時間を経て様々な経験を重ねていくうちに、互いに失うには、あまりにも大きな存在になっていった事だけは、確かだろう。

ところで、ラムは最近こんな事を思っていた。女性に痛い目に遭わされ続けても、自分が電撃リンチで浮気に制裁を加え続けようとも、一向に懲りない“ダーリン”は、女好き以前に、もしかしてMっ気があるのではなかろうか…と。


「ダーリンは何で浮気やめないっちゃ?」

ある日の登校途中、真顔であたるに聞いてみるラム。するとあたる、ふっと空を見上げて言った。

「それは…そこに可愛い女の子やきれいなお姉さんや、独特の色香を放つ美人妻…そんな女性達がいるからかなぁ…」

「何アホな事言ってるっちゃ」

「ふっ…女子供には所詮わからんか…つまり、男のロマンじゃ。そこに山があるから、と昔の偉い人も言っておった…」

「ダーリンってもしかして…マゾけ?」

「はぁ!?」

「男のロマンだか何だか知らないけど、いっつもひどい目に遭ってるのに浮気をやめないのは、おかしいっちゃ。やっぱりダーリン、Mっ気があるっちゃ」

「アホかっ!誰がマゾじゃ、誰がっ!」

「だったら女に痛い目に遭わされたり、ウチの電撃に懲りて、浮気なんかやめてるはずだっちゃ。やっぱりマトモじゃないっちゃ」

「そういうお前は…どうなんだよ」

「ウチはノーマルだっちゃ」

人通りの少ない朝の通学路の途中で、Mっ気が有るだの無いだの、およそ高校生らしからぬ会話をするふたり。すると、あたるは仏頂面でそっぽを向きつつ、ぼそっと呟いた。

「なーにを言っとるんじゃ…ラムこそMなんじゃないのか?…夕べだって…」

それを聞いて、一気に顔が“ボッ”と赤くなったラム。

「あれは別に…朝から変な事言わないでっ、ダーリンのバカッ…」

「ふんっ…」

真っ赤になっているラムに顔を近づけて、耳元にぽそっと囁くあたる。するとラムの顔がますます赤くなった。

「あれは…ああいう流れで…つい…だっちゃ」

あたるは勝ち誇ったように鼻を鳴らして、にやついた。そして意地悪く、ラムの耳元に顔を寄せては小声で囁く。そんな事を何回か繰り返した。

「もうっ…ダーリンの意地悪っ…」

唇を軽く噛み締めながら、ラムの目には薄っすら涙さえ浮かんできた。さすがにそれを見ると、それ以上は何も言わなくなったあたるだったが、負け惜しみっぽく最後にこう言った。

「オレをMだと言ったお返しじゃ…」


学校に着いたラムは、あたるの手を取ると、校舎とは別の方向へと歩き出した。

「どこ行くんだ、教室はこっちだろうが」

黙ったままあたるを引っ張って行くラム。向かう先には体育用具の倉庫がある。そして用具倉庫の前にたどり着いた。入り口の引き戸に手をかけるとカギはかかっていなかった。
ガタガタときしみながら開く倉庫の扉。中はほこりやカビ、汗のような臭いで満ちていた。
あたるを引っ張り込んで、戸を閉め、内側からカギをかけるラム。

「さっきのダーリン、あんまりだっちゃ!朝からあんな事言うなんてっ!こんな気持ちのまんまじゃ教室に入れないっちゃ!」

「しかしラム、お前が先に変な事言うから…」 少したじろぐあたる。

「ダーリンの意地悪っ!…ウチからのお返しだっちゃ!こうしてやるっちゃ!」

ラムは全身にパリパリと軽くスパークを走らせてあたるを威嚇する。後じさりするあたるは、並べてあった飛び箱を背に、追い込まれてしまった。

「何だよ、どうするつもりだよ、こんな朝っぱらから!」

ラムは時間をかけて充電し、あたるに抱き付くと、思いっきり放電した。

「ぐわあああああーーーーーっっ!!やめっ!やめろってーーーーっっ!!」

あまりに強烈なラムの放電。あたるは体内の血液、体液までが電気を帯びるほどに、しこたま感電させられた。そして飛び箱にもたれたまま、ずるずるとその場にへたり込んだ。
ラムはチリチリと電気の筋を飛び散らせながら、再び充電し始める。そして、へたり込んだあたるのズボンを緩めると、そこから彼の陰茎を取り出した。

「なっ、何するんだよ、ラムッ…」

こんがり焼けたあたる、ラムの意図がよくわからないまま、彼女のするがままになっている。
“かぷっ” ラムがあたるの陰茎をくわえ込んだ。
表情を歪めて、あたるのモノを口内の奥まで飲み込むラム。垂れてくる長い髪の毛を上にかき上げながら、ディープスロートで攻め立てる。
フェラチオをしながら、全身から軽く放電を続けるラム。そのくすぐったいような刺激が、ラムの口内の唾液や粘膜、手を通して、あたるの陰茎から全身に伝わってくる。

「や、やめろって…ラムゥ…」

あたるの意志とは関係無く、陰茎はたちまち勃起した。軽い電気刺激がカリからサオまでを舐め尽くし、あたるはラムの攻撃的な行為に成す術も無かった。
息を荒げて、あたるの股間で青白く光りながらフェラを続けるラム。あたるの息も荒くなってゆく。

「うっ…くっ…ラムッ…」

「んふっ、んっ、んふっ…」

あたるの足の間で彼のモノをくわえるラム、頭を上下に動かし口内の粘膜やざらついた舌の表面でそれをねぶり続ける。
ホタルのように全身の光りが強まったり弱まったりしているラム。その明滅が電気刺激の強弱と相まって、チリチリと微弱な電流だったかと思うと、次第に強まり、再び弱くなる。

ラムは床に膝を着き、尻を上に突き出した姿勢のまま、そんな行為を続けている。時々尻を小さく震わせ、腰を左右に振っている。
ゆさゆさと頭を上下に振るせいで垂れてくる髪の毛を耳に引っかける。顔が紅潮し、薄っすら汗さえ浮かんできているラム。

「く、う、うんっ…んんっ…」

あたるの声を聞きながら、カリ首を唇でくわえ先端をちゅばちゅばと吸引するラム。一旦口内から彼のモノを出すと、彼女の唇と彼の先端の間に、濃いめの唾液が糸を引いて垂れた。

あたるの先っぽの唇を舌先で愛撫しつつ、ラムはあたるの表情を上目遣いに見やった。彼が鼻や口から荒い息を吐き、しかめっ面をしているのを見ると、ラムの頬が緩んだ。まるで、してやったり、というような微笑を浮かべると、再び先端を口に含む。

と同時に、突然電流を強めたラム。今まで緩やかな強弱をつけた電流だったところへ、いきなり強めの電気刺激だ。

“バチバチバチバチーーッ!”

陰茎から脳天へ突き抜ける強烈な痺れに、思わずうめきの言葉を漏らすあたる。

「ぐわっ!…や、やめろって…ラムッ…くぅっ!…」

強めの刺激で、あたるの全身が痙攣のように震え、ラムは再び電流を弱くした。しかし常にピリピリ、チリチリとした刺激があたるを襲う。
やがて、限界を超えたあたるは、ラムの口内に白い体液を吐き出した。

「んふっ!んんっ!!ごほっ!…んぐっ…」

ラムはのどの奥を直撃されて少し咳込んだが、ごくりとのどを鳴らして、あたるの精液を飲み込んだ。
飲み込んだ後の表情は恍惚として、少しだけ背を反らして軽く伸びをした。そして再びあたるの陰茎を握ると、それを上下に擦りだす。

「まだまだ、だっちゃ…」

そう呟くと、またしても口を開いて、それをくわえるラム。

“ぬっぷ、ぬっぷ、ぬっぷ、ぬっぷ…”

唾液と体液とでぬるついたあたるの陰茎を、ラムの上のクチが頬張り、ピストン運動を続ける。もちろん、強弱をつけた電気刺激も忘れてはいない。
少しして口内からあたるのモノを出すと、今度はざらついた舌の表面や、裏側の粘膜で、ねろねろと舐め回す。

体育用具倉庫での卑猥な行為。その最中のラムの表情は、夜の薄暗い部屋でのものとは違い、とろけそうにうっとりとしつつも、美味しい獲物をゆっくり味わう獣のようでもあった。

窓から陽光が入ってくるとはいえ、少し薄暗く、ホコリが舞う倉庫の中。その中で、青白い光りを放ちつつ、あたるを愛撫するラム。あたるには、いつもの彼女とは違って見えるような気がした。そうしてまた白い体液が発射され、飛び散ったそれを、ラムはペロペロとネコのように舐め取った。

再三、あたるの陰茎を攻めるラム。彼女は時々、インターバルの間にあたるにこう問いかける。

「ダーリン…ウチの事…好き?」

うっとりした顔付きのラム、あたるを見上げつつ、悪戯っぽく質問を投げかける。
ラムはといえば、答えに窮するあたるの表情を確認するだけで、決して返事を期待しているわけではなさそうだった。
何度質問しても答えず、困った様子のあたるを見ると、それだけで満足なのか、薄っすら笑みを浮かべては、再び彼の股間に顔を寄せた。

そして一体どれくらいの時間が経ったのだろうか。ラムはあたるを攻めながらも、腰の振りが切なそうになってきていた。
恐らくはラム自身の陰部も疼いて仕方がないのかもしれない。そして幾度かの射精の後、ようやくラムは全身の放電を止めて、普段の肌の色に戻った。

「夕べと今朝のお返し、だっちゃ」

意地悪そうに、くすり、と笑うラム。

「ダーリンたら、夕べウチが…あんなプレイしたからって、何回も言うからだっちゃ。ところで今の、強弱電流刺激のフェラはどうだったっちゃ?」

「どうと言われてもだな…ずーっと放電しっぱなしだったじゃないか…お前、疲れないのか?」

「普段の鍛え方が違うっちゃ。でも、さすがにウチもちょっと…疲れたっちゃ。で、どうだったのけ?」

「だからずーっと電気浴びてる身にもならんか…ったく…」

ラムの行為が終わっても、しばしその場にへたり込んだままのあたる。その顔は怒っているようでもあり、拗ねているようでもあった。

「でも学校に来るなり、いきなりこれは無いだろ、ラム」

「倉庫の臭いが付いて汚れたから、このままここにいるっちゃ?ダーリン」

あたるの文句など耳に入らなかったのか、立ち上がって制服のほこりを払うラム。

「ったく…人の話を聞いとるのか?」

あたるも立ち上がって制服を整え、ほこりをはたく。
するとラムが、すっとあたるに近付いて体を密着させ、彼の耳に唇を当てて、囁いた。

「今みたいにウチが積極的に攻め過ぎるのは嫌?やっぱり夕べみたいなのがいいっちゃ?」

ラムの言葉と共に漏れる吐息が、あたるの内耳をくすぐる。

「いつものラムとはちょっと違ってたからなぁ…何というか…」

「ウチだってたまには、ダーリンいじめてみたいんだもんっ」

「何を言っとるか…アホが」

「でももう、お尻の方は…やめとくっちゃ…まだ、ヒリヒリしてるんだもん。それに…」

「でもあれはたまたまそういう流れで…それに初めてだったし…」

「それはそうだけど…ダーリン、ちょっとひどかったんだもん。もうやめとくっちゃ」

あたるは昨晩の、アブノーマルな行為で激しくよがるラムの顔を、ふと思い出した。

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それはついつい、であったのだが。いつもの絡みでは物足りなくなったあたる、興奮とその勢いも手伝って、手近にあったものでラムを緊縛したのだ。
最初嫌がっていたラムだったが、ふたりとも次第に気持ちの昂ぶりがエスカレートし、ラムは手首緊縛のまま、初めてアナルを体験したのだった。

あたるも調子付いていたとはいえ、ラムのアナルへの挿入とそのナカでの射精、そして手首を拘束され自由の利かないラムを押さえ込んでの行為が、彼の理性をすっかり吹っ飛ばしていた。
ラムはラムで、緊縛プレイとアナルファックで、いつに無い快楽と興奮を感じていた。

それに加えて、理性の吹っ飛んだあたるからの言葉攻め。耳元で散々恥ずかしい言葉を囁かれたラムは、恥辱に顔を歪めながらも、不思議な快さを感じ、涙ぐみながらも陶酔の心地で全身をわななかせた。

あたるの言葉攻めに対し、自ずと抗う台詞で答えてしまうラム。抗う言葉が更なる攻めの台詞をあたるの口から引き出し、そんな応酬を繰り返すうちに、ラムとあたるは禁断の扉を開けたような気分に酔ってしまっていた。

そんなわけで、昨晩のふたりは、SMチックでアブノーマルなプレイで数時間を過ごしたのだった。

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「ダーリン、ズボンの所…」  「うおっ!」

「今度もウチが攻めるのがいい?それとも…」

「…えーいっ、ままよっ…」

ほこりと汗の臭いが染み付いたマットレスになだれ込むふたり。今度はラムが下になり、あたるは彼女の下着を下ろした。
先まで切なそうに腰を振っていたラムの陰部は、既に火照って濡れていた。

「やっぱりもう、こんなに濡れてるじゃないか…」

「またウチに意地悪な事、言うのけ?それにもう…縛りは無しだっちゃ…」

そして制服のまま、ふたりは下半身を繋げた。

「それにたまにはウチだって…ダーリンに、意地悪してみたいっちゃ…」

「でも夕べのラムは…確実にMだったな…」

「またそんな事言って…ダーリンのバカッ…また仕返ししてやるっちゃ…」

「お前…もしかして、Sっ気も、あるのか?…うっ…」

「そういうダーリンだって…さっきまでウチので…あっ、あっ!」

結局どっちがSかMかでもめつつも、最後にはこうなる、ふたりなのであった。
そしてその日は授業に出る事も無く、人目につかないように、こっそり帰ったのだった。

「今夜はノーマルにやるっちゃ、ダーリン♪」

「まだやる気満々だな、お前は…」

--- E N D ---

あとがき


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