例えばこんな日々6 〜ズルい女〜


もう何年も前、実家にいた頃から、あたるとラムの夜の営みは続いていた。そして大人になり実家を出てからも、アパートの住人に迷惑をかけつつ、ふたりの営みはほとんど途切れる事が無かった。
それは互いの“匂い”が媚薬となり、それに刺激されてついつい…という事もあったのだろう。

あたるが外で他の女に声をかけるのは昔と変わらなかった。果たしてそれ以上の関係を結んでいるかどうかまでは定かでは無いが、やはり最後に舞い戻ってくる場所は、“別格の匂い”を持つ、ラムの元なのだった。
もちろん、ラムがあたるの浮気を許しているわけでは無いのだが、ほぼ連日連夜の濃厚な交わりを続けていれば、自分だけを愛してくれている…というような確信すらラムは持つようになっていった。

それでも時々、香水の匂いが微かにしたり、ワイシャツに口紅の跡が付いていたりすれば、それについて問い詰める。

「どこで女と会ってきたのけ!?」

「オレは何もやましい事はしとらんっ!知らん知らんっ!」

決まりきった口論の後は、誤魔化しかどうかわからないが、あたるの方からラムに迫る。毎度毎度、そんな調子だった。


その晩、あたるはなかなか帰って来なかった。残業になるからと電話を1本寄越してきたものの、深夜を回った時間だというのに、それきり何の連絡も無い。

終電などとっくに無くなっているはずなのに…と思いながらキッチンでうとうとしていると、玄関のカギが開く音がした。

「ダーリン?ずいぶん遅かったっちゃね」

「うん、ああ…あーもー疲れたからこのまま寝るわ…」

すると、あたるの頬に、口紅のキスマークが。それを見たラム、眉を吊り上げて、ぼけーっとしたあたるのネクタイを掴んで、怒鳴った。

「何だっちゃ!この口紅の跡はっ!今度は知らないなんて言わせないっちゃ!」

「…何だよ帰るなり…それにもう夜中だぞ…うるせーなぁ…」

「んもーーっ!ウチ、今夜はUFOで寝るっちゃ!それじゃあおやすみっ、ダーリンッ!!」

プリプリしてドアを開け、飛び出して行ったラム。

「ったく…何かと言うと、すぐUFOに家出しやがって…勝手にしろっ!」

ムカムカが収まらないままUFOに行ったラム、今度という今度は適当にあしらわれてなるものか、と思っていた。
そしてUFOのコンピュータの前で何やら調べ始めた。手早くキーを打ちながら、モニターに出て来た結果を見て、にんまりと笑みを浮かべる。

「ふふっ…これこれ、これさえあれば…」

そして翌日、ラムはアパートに戻った。


ラムが戻ったその晩は、あたるはそれほど遅くならずに帰ってきた。ドアを開けると室内に明かりが。

「あれ?…ラムか?」

恐る恐る入ってみると、確かにキッチンのイスに座ってテレビを観ているラムがいた。

内心、ほっとするあたる。が、怒った口調でラムを責めた。

「もう戻って来てたのかっ。別にいいんだぞ、無理して戻って来んでも」

「何言ってるっちゃ。ひとりじゃ何も出来ないくせに。それに…浮気なんていつもの事だから…今回は大目に見てあげるっちゃ」

「なーにが大目に見てあげるっちゃ、じゃ」

ぶつくさ言いながら、部屋着になるあたる。

「ご飯まだでしょ?それともお風呂にするっちゃ?」

「…あー…先に飯にする…」

そして晩飯をとり、風呂に入り終わったあたる、寝室の布団にごろりと横になった。
夕食の後片付けをし、再びテレビを観るラム。後ろからあたるが声をかける。

「ラム、お前、風呂は?」

「もう済ましたっちゃ」

「ん…そうか…で、まだ…寝ないのか?」

「まーだ。ウチ、まだテレビ観てるから、ダーリンは先に寝てるっちゃ」

するとあたる、むっくり起き上がって、ラムの隣にイスを並べ、一緒にテレビを観始めた。

「まだ寝ないのけ?ダーリン」

「ん…ああ」

「明日寝不足になっても知らないっちゃよ」

「なぁ…ラムゥ…」

あたるがラムの足に手を置いた。さわさわと軽く撫でてくる。
すると、ラムはその手の甲を指で摘んで、あたるの方へ戻した。

「何だよ、まだ怒ってんじゃないか…」

「そんなに簡単に許すとでも、思ってたのけ?ムシが良すぎるっちゃ、ダーリン」

ピシャリ、と言い返すラム。

「だけどオレの浮気なんて昔からの事なんだし…それは承知の上じゃ無かったのか?」

「高校時代と今の浮気とじゃ…意味が違うっちゃ」

「どう違うってんだよ、ラムのアホッ。ああ、わかったわかりましたっ!金輪際お前とは寝ないからなっ!」

怒って寝床に戻ったあたる、掛け布団を頭まですっぽり被った。すっかり拗ねてしまったようだ。
そんなあたるを尻目に、テレビを観ながら笑っているラム。それとは対称的に布団の中でムカムカしているあたる。

と、テレビの音が急にやんだ。ごそごそと衣擦れの音がする。そして静かな足音。
あたるの布団の中に、ラムが潜り込んできた。

「一緒に寝ないと言ったばかりだろーがっ!」

ラムが掛け布団を払いのける。と、彼女は何も身に着けていなかった。編んだ髪の毛も解いて、昔の髪型になっているラム。

「ガマンはカラダに毒だっちゃよ、ダーリン…ほら…」

ラムは起き上がると、膝頭をくっつけた体育座りのような格好になった。手を後ろに着いて、立てた膝をゆっくり開きだす。そしてラムは自身の指先で、柔らかな肉の唇を開いて見せた。
赤味がかった女性器、そしてそこから発散されるラムのフェロモン。あたるは身を乗り出すと、ラムの陰唇に口を押し当てた。

「あはんっ!」

わざとあたるを誘ったラムだったが、あたるの舌が溝に張り付くと、途端に眉をしかめて、声を漏らした。
ちゅぶちゅぶと陰唇を刺激するあたるの唇と舌。ラムが腰から上を後方に反らして、股間を更に広げる。

「口だけじゃなくて…ウチのをダーリンの指で…」

あたるがラムのももを押しやって仰向けにゆっくり倒し、彼女の溝を指の腹でタテに擦る。

“くちくちっ、くちくちっ”

次第に溢れてくる愛液。あたるはそれを指で、ラムの溝にまんべん無く伸ばす。陰核をきゅっ、と押さえ込み、軽く揉み込む。

「あはぁっ…いいっちゃぁ!…ウチのそこっ…剥いてっ…剥いて欲しいっちゃぁ…!」

のどを剥き出しにして仰け反るラム。はぁはぁ、と息遣いが強まり、太ももがかくかくと揺れ出す。上向きに張り出したバストがふるふると小さく大きく、揺れる。

ラムの“匂い”に興奮が増すあたる。まだ彼女の秘部を手で攻めているだけなのに、次第に息遣いが荒くなっていく。指で秘裂を愛撫しながら、乳房に唇を寄せて、舌でペロリと舐め上げる。
チロチロと、ラムの乳房の突起を嬲るあたる。ラムの全身の感度が増していく。はぁはぁ…と息をしながら、頭を左右に小さく振るラム。

「ダーリンッ…!ああっ!…ウチの、ウチのっ!クリ…剥いてぇっ…!」

思わずいやらしい言葉であたるに求めるラム。

部屋の明かりは付いたまま。煌々と照る電灯の下で、いつもよりはっきり見える、ラムの秘部。あたるはごくり、とのどを鳴らすと、自分も寝巻きを脱いで全裸になった。

「ラムのここが…こんなにびらびらしてるぞ…」

「嫌だっちゃ、ダーリン…恥ずかしいっちゃ…あっ、あっ!」

ラムの望み通りに、クリの包皮を剥いて愛撫するあたる。愛液がこぷこぷと、膣口からゆっくり溢れ出し、ラムの溝やひだを更に濡らしていく。

「ううんっ…ああっ、ああっ!ひあぁっ!」

やがてあたるは、太ももごとラムを抱いて、正常位で挿入、ふたりは繋がった。
抱かれたラム、あたるの下になり、シーツの上に力一杯、擦り付けられる。
あたるの陰茎がラムの下のクチを一杯に広げ、膣壁を擦り上げる。ラムの膣壁もまた、あたるのモノをほどよく締め付ける。

「ひっ!いっ!いいっ!いいっ…!ダーリンのが奥までっ…!」

リズミカルに吐き出される息遣いと共に、悶えの声や淫らな言葉を口にするラム。

ラムの奥が、あたるの先に吸い付く。膣壁の複雑なひだや、うねった産道が、あたるの陰茎をしごき、絡まり、まとわりつく。

「あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!」

“ぐしっぐしっぐしっぐしっ!”

激しく突かれ、揺さぶられて尚一層、のどの奥から吐かれる声と息のリズムが早まるラム。あたるの腰遣いも次第に早まる。
ラムを抱えて腰を振るあたる。明かりに照らされた目の前のラムの表情が、いつも以上によく見える。

あたるの腰遣いに合わせて、前後左右に振られる頭、そして乱れる長い髪。ラムの目には薄っすら涙さえ浮かんでいる。今にも泣き出しそうなラムの表情を見て、あたるの動きが更に早まった。
ラムの下半身、あたると繋がっている下のクチ、彼に抱きつく腕にも、自然と力が入る。

「ダーリン…ウチも…もう、ちょっとでっ…!ちゃぁーっ!ああぁっっ!!」

ラムを全身で感じながら、あたるは早腰の末、とどめの一突きで子宮口を直撃。同時にラムのナカに、あたるの白い体液が注がれた。ラムもあたるを全身で感じつつ、彼の全てを受け入れた。
果てたラムは、少しの間、全身をひくひくと震わせていた。あたるも短距離を一気に駆け抜けたような行為の後に、大きく呼吸をして息を整えた。
ふたりは互いに顔を見合わせながら、満足げに微笑み合い、再びしっかり抱き合った。

そしてあたるがラムの陰部から、自身を抜き出した。すると…。

「な、何じゃこれはっ!?」

あたるが自身のモノを見て驚いた。それは何と、赤と緑のシマシマ・ツートンカラーで彩られていたからだった。

「ラムッ!これは一体どーゆーことじゃっ!!それにこのシマシマ…もしかして宇宙風邪の…?」

「ウチの宇宙風邪とは違うっちゃ。それはダーリンの浮気防止のためだっちゃ♪」

「一体どういう事だ!?」

「ウチのナカに…浮気防止用の特殊なクスリを仕込んでおいたんだっちゃ」

「…だから今のでこんな事になったのか…まったく何を考えとるんじゃっ」

「そんなの見たら、どんな女だって逃げ出すだろうし…もし万が一他の女とやったら、色が変わる仕掛けだっちゃ」

「あのな…ずーーっとこのままでいろ、という事か?これではトイレにも入れんでは無いかっ!!」

「そんな事、ダーリンでどうにかするっちゃ。トイレの事までウチ、責任持てないっちゃ」

「で、これは…ずっとこのままなのかっ!?」

「さあ…ウチも初めて使ったから、よくわからんちゃ。でも、ウチは驚いたりしないから、大丈夫だっちゃ♪」

「しかし、この模様を見ただけで…萎えてくるぞ、ラム…」

「ええっ!?それじゃあ困るっちゃ!」

それからの夜、ふたりがどうしたか、というと。心配するには及ばず、真っ暗闇の中、匂いと声と肌の感触で、たっぷり官能の悦びを味わっていた。
そしてラムは時々、明かりの下で、あたるのシマシマ模様をチェックしているそうだ。

「今日も浮気はしてないっちゃね♪」

「しかしこれは何回見ても…気色悪いぞ、おい…」

「これが消えたら、今度は違う色柄にしてみるっちゃ?」

「もう勘弁してくれって…ラム〜…」

--- E N D ---

あとがき


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