彼女と彼・昨夜の出来事


制服のスカーフが、ラムの細い手首をぐるぐるに巻いていた。

「ちょっと締め過ぎだっちゃ、ダーリン」

困ったように後ろを振り返るラム。彼女の腕を後ろに回して、黙って手首を縛るあたる。
ラムの足元には、エッチな雑誌が落ちていた。

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それは学校の帰りだった。途中の本屋で普通の雑誌に挟んで、そのエッチな雑誌を買ったあたる。
家に帰ると、一番にその雑誌を開いた。にやつき、時々おかしな笑い声を上げながら、ページをめくる。

そこへラムが。あたるが何を見ているのか、と、こっそり後ろから覗いてみると。

「何エッチなもの見てるっちゃ!?ダーリンったら…」

「うわっ!?」

「ダーリンがスケベなのは知ってるけど、それってちょっと…変態っぽいっちゃ」

「女には分からん事じゃっ!さっさとあっちへ行けって!」

「でも…ふーーん…」

赤くなりながら、尚もあたるの肩越しに雑誌を覗き込むラム。

「だから気が散って集中出来んだろーがっ!」

「…ダーリンって、もしかしてそういうのが…好きなのけ?」

「だからどうだと言うんじゃっ」

「ちゃっ…すごいっちゃ〜…何してるっちゃ、これ…」

「あーもー…うっとーしい事この上無いわっ!オレは出掛けて来るっ!」

そして上着一枚引っ掛けると、あたるはさっさと出掛けてしまった。

部屋に残ったラム、あたるが見ていた例の雑誌のページをめくる。

「すごいっちゃ〜…ちゃっ…何だっちゃ、これ…」

赤面して雑誌を閉じるラム。そしてあっという間に夜になった。

夕飯の頃に帰宅したあたる、食卓で飯を掻き込むと、そのままテレビを観て、それから風呂に入った。
この辺までは、いつもの日常だ。そしてパジャマになったあたるが部屋に入ると。

「ちゃっ!」

顔を赤くしたラムが、後ろに何か隠した。

「何やってんだ?顔が赤いぞ?」

「何でも無いっちゃ…あっ!」

“バサッ”と、ラムの足元に、例の雑誌が落ちた。彼女も興味津々で、それを見ていたらしかった。

「人には文句言っておったくせに。ラムも結構…スキモノだな」

「な、何言ってるっちゃ、ダーリンが置きっ放しにしてったから…」

「さーて…オレは今日はもう寝るかな…」

ラムはカラダまで赤くなって、もじもじしながらあたるを上目遣いにチラチラと見ている。
そんな彼女の様子を知ってか知らずか、あたるは押入れから布団を出した。鴨居に掛かっていたラムの制服が布団に引っ掛かって、床に落ちた。

そんな何でも無い事に、びくっ、とするラム。あたるは相変わらず、知らん顔をして、布団を敷き続けている。
ふと、ラムの足元に視線を投げる。そこに落ちている雑誌のたまたま開いていたページに写っていたものは。

【特集 ソフトSMのススメ】

の表題に、後ろ手に縛られ口枷をはめ、アイマスクで目隠しをして仰け反る、女の姿。

「ち、違うっちゃ…ウチ、こんなの見て無いっちゃ…」

「ふーーん…」

横目で冷ややかに、ラムを見るあたる。と、落ちた制服のスカーフを、手に取った。
そして、赤くなったままのラムに近付くと…彼女を机側に向けさせた。背中側からラムの腕を取ると腰の所に持ってきて、手首にスカーフを巻き出した。

「な…何してるっちゃ、ダーリン…?」

あたるは黙ったまま、ぐるぐると数回巻くと、端っこを交差させて“ぎゅうっ”と結んだ。

「ダ、ダーリン…」

いつに無いあたるの態度に、心臓がバクバクするラム。

「ちょっと締め過ぎだっちゃ、ダーリン…」

困ったような顔で後ろを振り返ると、黙ったまま手首を縛るあたるがいた。そして、彼はパジャマを脱いだ。
ラムの背中に密着すると、背後からラムの前面に腕を回して、虎縞ビキニのブラを、下から捲り上げていく。

「ちゃっ…」

下方からしごくように、乳房を持ち上げるあたる。片手にひとつずつ、乳房を握る。指の間からは桃色の乳首がはみ出し、あたるはぐいぐいと力一杯、乳房を揉み込んだ。

「んっ、んんっ…」

ラムのブラが、外れて落ちた。丸い乳房があたるの手の内で、ぐねぐねと形を変えつつ寄せられたり、ぎゅうっ、と握り込まれたりする。
途中、あたるは例の雑誌を拾い上げると、机に置いた。ラムの目に入るようにするかのように。

「い、嫌だっちゃ…こんなの…」

だが、あたるは黙々と行為を続ける。今度はラムのボトムを下げた。しかし途中で止めたそれは、足を緩く拘束するものとなった。
臀部の狭間から、温かくてしっとり湿ったラムの淫肉に、手を差し込むあたる。

“くちゅっ…”

ラムのそこは、既に濡れていた。ひだをめくれば、固くつぼんだ膣口が。既に濡れて開きやすくなったそこに、あたるは中指を挿入した。

「ちゃぁっ!」

指を根元まで入れると、内部をぐにぐにと掻き回しだす。

“ぬちっ、ぬちっ、ぬちっ…”

粘り気のある水音が、ラムの股間から静かに聞こえる。

「はぁっ、はぁっ、はぁぁっ!だめぇっ…!」

中途半端な攻め方に、ラムは身悶えした。

「ラム…お前ホントは、こういうのも、好きなんだろ?」

ようやく口を開いたあたる、意地悪そうな言葉を、ラムの耳元に囁いた。

「ちっ、違うっちゃぁ…ダーリンの意地悪っ…」

「普通のばっかりじゃな…たまにはオレもこういうのやってみたかったんだ…」

ラムのボトムが次第にずり落ちていく。そして彼女は自分で足を動かして、それを上手く抜き取った。ブーツだけになったラムを、あたるが後ろから攻め続ける。

「ダーリンのバカァッ!…ウチ、ウチッ!」

あたるの指を下のクチにくわえたまま、腰をひねるラム。

“ぬっち、ぬっち、ぬっち、ぬっち…”

はぁ、はぁ、はぁ…と熱い息をつくラム。

「んっ、んんっ!あっ!あっ!あっ!あっ!」

やがて抜かれた指は、糸を引くほどにたっぷりの愛液を絡めていた。
すっかり準備万端になったそこに、後立位でインサートするあたる。両手でラムの腰を掴み、自分の腰を斜め上方に突き上げる。

「ちゃっ!ちゃっ!ちゃっ!ちゃぁぁっ!」

“ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!”激しく腰を動かすあたる。ラムの乳房が上下に揺れる。

「ああっ!」

あたるの突き上げで爪先立ちになったラムのカラダが少し浮く。浮きながら上下に揺すられる。胸もゆさゆさ、たぷたぷと跳ねて、その反動がラム自身に跳ね返ってくる。

あたるが突き上げるほど、更にラムのカラダが浮く。するとあたる、彼女の両ももをひょい、と抱え上げた。あたるはラムにハメたまま、後立位から駅弁スタイルに体位を変えた。

「あああっ!!」

ラムを抱えて激しく自身を送り込むあたる、やがて彼女のナカに熱いモノを発射した。
そのままラムを抱きかかえて運び、腹ばいに布団に押し倒すあたる。ひくつくラムの陰部には、あたるのイチモツが埋もれたままだ。

「あ、あ…あ…」

そのままの体勢で、グリグリと後方から攻めるあたる。ラムの尻も太ももも、ふるふると震えている。しかも手首緊縛では、あたるの思うがままだ。
そしてラムの腰を掴むと、今度は斜め上方から突き出すあたる。

「ひっ!ひあっ!上からっ…」

「上からっ…何だっ?…んっ、んっ!」

“ずっぷ、ずっぷ、ずっぷ、ずっぷ…”

上方からラムを突き倒すあたる。縛られた手首と、苦しそうに歪むラムの横顔が見える。その姿に、あたるはいつに無い妙な興奮を覚えていた。
二発目もナカに出したあたるがラムからイチモツを抜くと、彼女の陰唇周辺がぴくっぴくっ、とヒクついていた。ヒクつきながら白濁の粘液をたらたらと零しているラムの下のクチ。

「ラム…お前のいやらしい所がヒクついて、汁を零しとるぞ。そんなに良かったか?」

「ダーリン…どうしたのけ?変だっちゃ、今夜のダーリン…」

「縛られてやるのは…どうだ?」

「これ、取って…ダーリン…」

「まだまだじゃ…」

口枷は無いが、タオルで目隠しをされたラム。次は一体何をされるのか…心臓の鼓動が早まり、ラムの興奮も否が応にも高まってきた。
腹ばいの状態から、クルリと仰向けにカラダの向きを変えられたラム。すると耳元にあたるの声が。

「次はどこがいいんだ?」

「ウチ…どこでも…いいっちゃ」

「どこでも、じゃ、わからんだろうが」

「ダーリンのが…」

「オレのが?何だ?」

「ほ…欲しいっちゃ…」

「どこに?何をだ?」

「ウ、ウチの…さっきのとこに…」

「ラムのさっきの所ってのは…この、ぬるぬるでべとべとになった…ここの事か?」

「い、いやぁ…」

「もしかして…学校でもどこでも、濡らしてるんじゃないだろうな?この、ぬるぬるで…」

「そんな事っ…無いっちゃ…」

「オレのこれを思い出しては…そうなんだろ?ラム…」

あたるは意地の悪い囁きをやめない。時々目隠し状態のラムの口内に舌を入れては、粘膜同士を絡み合わせ、濃密で深いキスを繰り返す。
その度に、ラムの陰唇の奥が疼いて、愛液が谷間を潤した。

「ほれまた…糸引いてるぞ、ラムのいやらしい所から出た汁が…」

「いやだっちゃぁ…でもダーリンだって…ウチのここが…好きなくせに…」

「ラムの方こそ、こんなに濡らして…早く欲しいんだろ?オレのこれが?…」

「あっ、あっ…ダーリンッ…お願いっ…」

「お願いって、何だ?」

意地の悪い囁きの途中途中で、あたるは時々ネコのように唇や舌でラムの肌を愛撫したり、キスを与えたりしては、また言葉で彼女を翻弄する。

「わかってるくせに…ダーリンの意地悪っ…あ、ああ…んっ…」

優しい愛撫と、それとは裏腹に翻弄する言葉で、ラムは振り回されていた。しかし…妙な興奮と、その昂揚感、胸の高鳴りがラムを襲う。
すっかりあたるのペースにはまってしまったラム、彼の愛撫に悦びつつ、辱めの言葉が彼女の心を揺さぶる。

「あ、ああっ…ダーリン…ダーリン…もっと…」

「もっと…何だ?どうして欲しい?ラム…」

はぁはぁ…と息を荒げ、汗ばむカラダをよじりながら、あたるに求めるラム。

「まだ足りないのか?ラムは…欲張りだなぁ…ほれ…」

今度は正常位で繋がるふたり。ラムの下肢が力み、あたるを締め付ける。

「んっ!んんっ!ああっっ!!イ、イク…っちゃっ…!」

ラムの全身がガクガクガク…と震えて仰け反り、上の口がぱくぱく動いて、言葉にならない声を漏らした。

「ダーリン、ダーリンッ…」

泣き出しそうな、甘えるような声で、あたるを呼ぶラム。

「何だよ、ラム…もうイッたのか?」

あたるがラムの肌に顔を擦り付けて、匂いを嗅いでいる。

「ダーリンの匂いも…ウチ、嗅ぎたいっちゃ…」

ぺちょぺちょと舌を戯れさせながら、ラムもあたるの顔に鼻を押し付けて、匂いを嗅ぐ。
そんな絡みがしばらく続いた。そしてラムが幾度か頭を動かしているうちに、タオルの目隠しが外れてしまった。
恍惚としつつも、泣きそうな表情であたるを見つめるラム。

「…もう…ダーリンの、バカッ…」

「しかし、いつもより興奮するだろ?」

「そうだけど…とにかく、手のこれ、外して欲しいっちゃ…」

少し膨れっ面になるラム。が、あたるはラムの言う事を無視して、再びバックからはめるつもりで腹ばいに体位転換させた。と、何を思ったか、ラムのアナルを舌で突付き始めたのだ。

「どこ突付いてるっちゃ?ダーリン!」

「いや、こっちの方はどうかなぁ…と思って」

「嫌だっちゃ!」

あたるはもう勢いに乗って、行き着く所まで行ってやろう、という気分だった。そしてラムのアナルに彼女の愛液をたっぷり塗り付けた。

「だからそこはっ…!」

ムリムリムリッ…逆行してくる感覚とはこんな感じなのか…と、ラムは押し込まれながら、ふと思った。

「ああっ!痛いっちゃぁっ!」

ヴァギナほど潤わないので、かなり無理のある挿入に、ラムは苦しそうに顔を歪め、声をあげた。

「だ、だめだっちゃぁ〜!ダーリンのバカァッ!…お腹…お腹がっ…」

そして…。

「ウチの…お腹がっ…!!早く手のこれ、外してーーーっ!!」

全裸で部屋から飛び出したラム。しばらくして戻ってくると、薄っすら赤い跡になっている手首を擦りながら、あたるに文句を言い始めた。

「こんなのひどいっちゃ!ダーリンの変態っ!バカッ!」

「お前だって興奮してたくせに…」

その言葉に口篭るラム。確かに彼女も興奮していたので、返す言葉が見つからない。

「…でも、最後のアレは…ウチが嫌がってるのに、あんまりだっちゃ…」

「だけどあっちの方もなかなかいいと…書いてあったぞ」

「ウチは嫌だったっちゃ…お尻、まだ痛いっちゃ…」

「何だよ、文句ばっかり言いおって…たまには趣向を変えてみようと思ってわざわざ…あんなもん買ってきたのに」

「ダーリンが好きで買ってきたんじゃなかったのけ?」

「そりゃもちろん見たかったのもあるが…普通のより興奮するかと思ってだな、お前が…」

「ウチが?何で?」

「だってほれ…たまに長丁場になると、ラムから変な事言ってきたりするじゃないか。変に積極的になるというか…それでオレも興奮してだな…だったらたまにはこういうのもアリかと思って…」

「ウチが変な事を…?そ、そうなのけ?…ウチ…あんまり憶えて無いっちゃ…」

「そうなのか?オレはまたてっきり、こういう気もあるのかと…」

「ん…だって…ダーリンとしてると…たまに頭の中が真っ白になって…それで…」

「そ、そうか…それよりオレ、ちょっと風呂入ってくるわ…」

「それならウチも…」

「ラムはダーメ。風呂だとお湯が伝導体になって大変だったじゃないか。忘れたのか?」

「それじゃあウチはUFOでシャワー浴びてくるっちゃ」

それぞれ風呂でカラダを清め部屋に戻って来た。部屋を見渡すと、相変わらずあちこちが水分で濡れていたり、性交の後の匂いが残っていたりした。
ラムは手慣れたもので、素早く部屋中に乾燥剤と消臭剤を散布する。

「これで元通り、だっちゃ。そろそろ防音効果も薄れてきてるだろうから、ついでにこれもしとくっちゃ」

大き目のスプレー缶を部屋の壁や床に向けて、中身を散布。どうやらこれで防音対策をしていたらしい。

「それにしてもラム、お前色々便利なもの持ってるな。お陰で助かってるけどな」

「当たり前だっちゃ。こういうものでも使ってなかったら、大変だっちゃ」

「そうだよなぁ…」

意味深に、にやつきながらラムを見るあたる。

「何だっちゃ?」

「だってほれ…ラムはアノ時、よく声出すからなぁ…それに、汁っ気も多いし…」

「な、何言ってるっちゃ!それはダーリンが…」

「オレのせいだと言うのか?よく言うわっ」

ラムは顔を赤くして、黙ってしまった。

「風呂に入ってすっかり眠気が吹っ飛んでしまったわ…さてと…」

「ダ、ダーリン!?まだヤル気なのけ?」

「そういう便利なものもあるし…ラムの声もまた聞きたいしな…」

「もう意地悪な台詞は無しだっちゃよ…」

「さあ、どうかなぁ…オレも頭が真っ白になったら、どうするかわからんぞ」

「明日も学校なのに…ダーリンたらエッチだっちゃ…ホントに」

部屋の明かりを消して、布団に潜り込むあたるとラム、今度は普通に交わり合った。
ラムの吐息と声が、あたるの耳から入り脳内を刺激する。
あたるの匂いや愛撫が、ラムの五感を通して脳内を刺激する。
体液も含め五感全てで享受し合うものを、お互いの体内に取り込むと、それはドラッグのようにふたりを酔わせた。

陶酔の心地で肌を擦り合わせ、ラムを抱くあたる、あたるに甘えるラム。
そうして夜もかなり更けた頃に、ようやく眠りに就いたふたりであった…。

--- E N D ---
あとがき


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