「あ、母さん?オレ、あたるだよ。悪いんだけどさ…え、何?…」

受話器の向こうで母親が何かを告げた。

(…オレを迎えに…?)

電話ボックスの外を見ると、白い傘を差したラムの姿が。
しばしボックスの中から彼女を見つめて立ち尽くすあたる。

あたるの手元から落ちる受話器、そこから聞こえる母親の声。

“ちょっとあたるー!?聞こえてんのー?わかったのー?”

「聞こえてるさ…わかってるよーーーーっ!!」

電話ボックスから雨の中へ飛び出したあたる。
迎えに来たラムの元へと一目散に走っていく。

そして…。


Happy birthday my darling.


どうしてこの場所がわかったのか。それを考える事すら忘れていた。
ここ数日間の気まずかった空気のせいか、ラムはただ黙って傘を差して立っていた。

短い距離だったのに何故か遠く感じた。

ラムの目の前で立ち止まるあたる。
息を弾ませながら、両手を膝に当てて前屈みになり、ラムの足元を見る。
この雨の中を空を飛ばずに走ってきたのだろう、靴もズボンの裾も、雨に濡れていた。

頭や背中に降り注いでいた雨が、何かで遮られた。
ゆっくり頭を上げると、ラムが傘をあたるの上に傾けていた。
雨の粒がラムに当たっている。

あまり涙など見せたくなかったが、思わず目頭が熱くなってきた。
だから、ラムの顔も、まともに見られない。

ようやく、彼女の方から口を開いた。

「…ダーリン、こんなに濡れて、風邪引くっちゃよ…」

その言葉でまた涙腺が緩む。つい、下を向いて涙をごまかした。
ラムの顔を見たい、と思った。が、こんな顔は見せられない。
うつむいたまま、両腕を上げた。その腕がラムの肩に回されて、ゆっくり、彼女の肩に顔を埋めた。

ラムの手から傘が落ちた。

「ダーリン、寒くなってきたし…早くうちに帰るっちゃ…」

「…うん…」

雨はやがて小降りになり、止んだ。雲が切れて、夜の入り口の薄暗い空が顔をのぞかせた。


部屋で渡されたストライプ模様のプレゼントの包み。
開けてみると、薄いグリーンの半袖シャツだった。

「まだ半袖じゃ着られんだろう」

あたるに広げたシャツを当ててみるラム。

「ダーリンに似合うと思ってこれに決めたっちゃ。夏になったら、これ着てデートするっちゃ、ふふっ♪」

今までのケンカなどまるで無かったかのような笑顔のラム。
が、あたるにシャツを当てながら、その表情がふと真顔になった。

「…誕生日、忘れてて、ごめんちゃ、ダーリン…」

「…いや、別に…オレも…。そ、そう言えばだな…」

「何?」

「お前の…誕生日って、一体いつなんだ?」

その質問に再び笑顔になるラム。

「知りたい?でも、地球の暦じゃウチにもよくわからないっちゃ。でも多分…」

ちょっと考える様子で、顔を斜め上に向ける。

「うーん、多分、地球だと夏くらい…になるのかなぁ。ウチの星とじゃ、恒星を一周する周期が違うからはっきりしないけど」

「でもおんなじくらいに年をとってるわけだろ?大体似たようなもんじゃないのか?」

「きっとそうだっちゃね。そうじゃないとダーリンと一緒に年とれないっちゃ♪」

「肝心な事は、あまり深く考えんのだな…ま、ラムらしいといえば、らしいけどな」

「ダーリンッ♪」

「…な、何だよ…」

「さっき泣いてたでしょ?ウチが迎えに行ったの、そんなに嬉しかったっちゃ?」

「アホ言えっ!誰が泣くかっ!あれは雨、雨のせいじゃっ」

「ふふっ…ダーリン♪…」

あたるも内心は、シャツのプレゼントよりも、自分の居場所をすぐに見つけて迎えに来てくれた事の方が泣くほど嬉しかったのだが…。

「なぁラム…その…もうひとつ、オレの誕生日、という事で…」

「な〜に?もしかして…ダーリンたら、エッチだっちゃ。すぐそういう事言い出すんだから」

軽く咳払いをするあたる。あまりムードの無い誘いに、ラムはちょっとだけ呆れたような顔をしてみせた。

「でもダーリンのバースデーだから…。ねぇ、シャツがホントのプレゼント?それとも、ウチ?」

「…どっちでもよかろーが…」


ラムがあたるの耳元に口を寄せて、囁いた。

「今夜は、ダーリンの好きに…して、いいっちゃよ…」

ラムの大胆な発言に、あたるの心臓は、いつも以上に思いっ切りバクバクした。
そそくさと布団を敷くと、部屋の明かりを消すのも忘れて、ラムを押し倒した。

「あんまり、乱暴にしないでね…ダーリン♪」

愛らしくも艶っぽく誘いかけるラムの着衣を脱がすと、明かりの下のラムはどこかしら大人びて見えた。
さっきまで普通に会話をしていた時のラムは、いつもと変わらない明るい笑顔を振り撒いていた。
しかし今目の前にいる裸体のラムは、妖しい色香をまとって、あたるを誘う。

明かりに照らされて、ラムの全てがよく見える。全てがあたるに曝け出される。
潤んだ大きな瞳も、ピンク色の艶のある唇も、赤味がかった乳先も、恥毛に覆われた秘所も、全て。

あたるはごくり、と唾を飲み込んで、ラムとカラダを合わせた。

行為の最中、ラムは瞳を潤ませつつ眉を寄せて、あたるのキスや愛撫をカラダ中に受けた。
薄暗がりの中では、あたるが全身の肌だけで感じていた、ラムの滑らかで柔らかくしっとりした肌。それが明かりの下では、彼の愛撫によって次第に汗ばみ、うっすら光ってきた。

艶かしくカラダをよじり、ラムは小さく喘いだ。彼女の恥毛を掻き分け、ぽってりとしてタテに溝の入ったその部分を、あたるは両手で割り開いてみた。

太ももを大きく開かせ、淫らなポーズをとらせるあたる。ラムはそれを嫌がるでもなく、顔を赤らめながら、自身の大事な部分をあたるのために開放した。

「ウチ…恥ずかしいっちゃ…こんなに明るいから…」

あたるはラムの開かれた秘所の陰核の根元の筋を、先端に向けて撫で上げた。そして包皮を両脇に剥いて、口に含んだ。

「あはぁっ!ダーリンッ!あっあっ!ああっ!いやぁっ…ウチ、だめぇ…そこ…すっごく…ああんっ!」

ずちゅずちゅずちゅ…あたるの唾液交じりの吸引音が、微かにラムに聞こえる。

ラムは太ももをかくかくと揺らして、あたるのクンニで感じまくっている様子だった。
ラムの足が揺れ、腰が浮き、乳先が突き出され、頭を後ろに反らし、激しく身悶える。

「だめぇっ!いやぁんっ!ダ、ダーリンッ!あっあっあっあっ!ウチ、そこがすっごく…!!」

頭を左右に振りながら、シーツを掴んでいきむラム。あたるのぬめぬめしてざらついた舌、そして唇が、ラムの弱点を攻めまくった。

「ちゃあぁぁっ!!ウチ…かっ…感じちゃうっっ!!ダーリンッ!ダーリンッ!!」

ラムのぬるぬるした愛液が、男根を挿入するつぼみから、どんどん溢れ出してくる。

「あああーーーっ!!」

荒くて早い息遣いで、ラムは軽くイッてしまった。軽くイクと、溢れる愛液の量が更に増えた。

あたるは執拗に、ラムの陰核やつぼみを攻め立てる。赤く膨らんだ陰核は敏感さを増し、あたるの舌先がちょっと触れただけで、ラムは腰をひねり、のど元を曝した。

「は、早くっ!…ダーリンッ!…ダーリンのが…ウチッ…!」

ラムは尻を震わせながら、あたるにねだった。溢れる愛液とあたるの唾液が、ラムの秘所や内ももをたっぷり濡らす。

あたるはラムの片足を持ち上げ、秘所を大きく開かせた。赤いひだひだ、ぽってりと膨らんだ陰唇が、あたるの眼前に曝される。

「いやぁっ…ダーリンの意地悪っ…あんまり…見ないでぇ…」

そしてあたるはラムを側臥位にすると、己のいきり立ったモノを、横から挿入しだした。

“ぬちぬちぬちっ…ぬ、ぬぬぬ…”

先走り汁と愛液が絡み合って、淫猥な水音がふたりの接点から聞こえる。
折り曲げられたラムの片足を押さえつつ、送り込むあたる。

「ひっ!ひあっ!ああぁぁーーっ!」

ぐしぐしと送り込みながら、ラムの痴態や快楽に歪む顔を見つめるあたる。しかしあたるも必死で送り込む。送り込むほどにラムのカラダがぐねぐねとくねり、のどから弾き出される行為の最中の声のトーンが上がる。

「んんっ!んああっ!!ダーリンッ!!」

激しく仰け反るラム。もう片足も折り曲げて押さえ込み、体位を少し転換させるあたる。
あたるの動きで、ラムの乳房がぶるんぶるんと上下に揺れる。

“ぐちぐちぐちぐちっ…!”

あたるの動きが次第に早まってきた。

「ああーーっ!」

ラムの声量が少し大きくなった。

「あはぁっ!!」

あたるは早腰突きの末、ラムのナカに己の体液を注入した。注入されたラムもまたほぼ同時に絶頂に達し、全身をわななかせた…。


「誕生日のエッチは、どうだったっちゃ?ダーリン。でも…部屋の明かりは消して欲しかったっちゃ」

「うーーむ…気分の問題だな。何と無く盛り上がった気もせんでは無いが…」

「ウチはいっつも、盛り上がってるっちゃ。でも今夜のダーリンも…良かったっちゃ♪」

「そ、そうか…」

「ねぇ、ダーリン。ウチの誕生日だけど」

頭の後ろで腕を組み天井を見上げているあたるを、満足気な眼差しで見つめながら、ラムはこんな事を言った。

「ダーリンと初めて出会った日が、ウチの…誕生日、だっちゃ♪」

「あの、オレが鬼ごっこの知らせをもらった日がか?」

「あの頃もちょうど夏くらいの季節だったし、ウチの記念の日だから…だっちゃ」

「なーにを勝手な事を…」

「何月何日か、ダーリンは憶えてる?」

「…んな事イチイチ憶えておれんわっ」

「そう言うと思ったっちゃ…ダーリンからのプレゼント、ウチ、楽しみにしてるっちゃ♪」

「今日と同じでも…いいのか?」

「ダーリンがくれるものなら、何でもっ♪」

そしてラムが自分で決めた記念日も、きっと今夜以上に盛り上がる事だろう…。

「ハッピーバースデー…マイ、ダーリン♪」

“チュッ”

--- E N D ---

あとがき


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