僕の可愛い猫だから


唐突だが、季節は春から一気にシフトして、夏。
衣替えも終わり、それからしばらくすると、体育の授業は水泳になった。

水泳授業の初日、女子更衣室にて水着に着替える2年4組の女子達。
自宅から制服の下にスクール水着を着て登校してくる者やら、更衣室の隅でこそこそと着替える者もいたり、足が太くてみっともないだの、胸が小さいから恥ずかしいだの、そんな会話もあちこちから聞こえてくる。

ラムは、といえば。普段から露出度が高いし、周りが女子だということもあって、躊躇する事無く水着に着替えていた。

隣で着替えている女子がラムに話しかける。

「やっぱ水着になると、隠せないのよねぇ…ラムの胸の半分でもあればなぁ」

「何言ってるっちゃ。女は見かけじゃ無いし、胸なんか関係無いっちゃよ」

「そうは言ったってさぁ…あら?ラム、虫にでも刺された?」

「ん?何でだっちゃ?」

「だって、あちこち赤くなってるわよ…あっ、もしかして…」

そこから先、隣の彼女はラムに近付くと、口元に手を当てて耳打ちした。

「それ、なるべく目立たないように行動した方がいいかもよ。ずっとプールの中にいるとかして…」

「えっ!?な、何が?」(ぎくぅっ!)

「特に男子に気付かれたら…マズいわよ〜」

「な、何言ってるっちゃ、これはウチの体質で、食べ物でジンマシンが出ただけだっちゃ」

それを聞いた彼女、一瞬呆れた表情をして、次にクスクスと笑い出した。

「ラムってば…アナタってホント、分かりやすいわねぇ〜」

言い訳がかえって逆効果だったと気付いて、ラムは赤面した。そして“アノ印”を隠すように畳んだバスタオルを胸元に抱えて、プールに向かった。


一方の男子の着替えの光景など書く必要も無いが、こちらはとにかく手っ取り早い。早いところプールで女子の水着姿を拝みたい、と思ってか、更衣室はすぐにもぬけの殻になった。

授業の説明を聞かされ、準備運動を終えると、早速皆、水の中へ。が、あたるだけはプールべりに座り込んで、ニコニコしながら、皆の様子を眺めていた。
そんなあたるに、水の中からラムが声をかけてきた。

「授業なんだから、ダーリンも早くプールに入るっちゃ!」

そこへ面堂がすーーっと泳いで近付いてきた。

「そうだ諸星、ラムさんの言う通りだ。体調不良の見学者でも無い限りは、そんな所で傍観者面していないで、さっさと中に入らんかっ」

「お前から指図されるいわれは無いわっ。ラムもさっさとあっちへ行きなさ〜い」

それを聞いてちょっとムッとした面堂だったが、すぐさまラムに顔を向けて、彼女にニッコリ微笑みかけた。

「という事ですからラムさん、あちらで一緒に泳ぎましょう。こんな“アホ”は放っておいて」

話しかけてきた面堂の視線が気になったラム。咄嗟に水中に体を沈めて、潜水したままどこかへ泳いで行ってしまった。

「ふんっ、ラムに振られおったか、“アホ”の面堂クン」

いい気味だ、とばかりに面堂を挑発するあたる。改めてムカッときた面堂、どこから出したのかは謎だが、あたるに向けて愛刀を閃かせた。

「水着一丁だけのカッコウで、どこからそんなものを…」

「やはり貴様だけは〜…生かしておけんな、諸星〜〜」

刀を真剣白刃取りで寸止めしたあたると、面堂のいつもの様子を見つつ、水から上がってきた男子達がさわさわと集まってきた。

「まぁ、毎度の事とは言え、あたるも面堂も懲りねぇよなぁ。それよりあんなもん、どっから出してきたんだ?」

と、パーマ。

「そう、この学校で何が一番の謎かと問われれば…面堂の刀か、もしくは何故あたるのアホにラムさんが、という事か…どちらも甲乙付けがたいが」

と、メガネ。その彼、ずれた眼鏡を直しつつ、あたるの背中に妙なものを見つけた。

「おい、あたる、お前…その背中のミミズバレ、どうした?」

「(ぎくぅっ!)…この状況でオレに質問してくるなっ!」

「もしかして水に入らんのは、それのせいか?しかしまた、生々しい傷跡だな。一体どうした?」

(そんな事、口が裂けても言えるかっ)「だから話しかけてくんなっ!」

「そうか…そういう理由で水に入らなかったというわけか」

あたると対峙していた面堂、ニヤリとすると、あたるの腕を掴み、背負い投げの要領で彼を放り投げた。重力には逆らえず、頭から水中に落ちたあたる、水底からすぐさま浮上してきた。

「くーーーーっ!!…何するんじゃ、面堂っ!」

「プールの塩素が傷に染みるのだろう?そうかそうか」

泳いで逃げようとするあたるの頭を掴んで水中に突っ込む面堂。

「まるでガキのケンカだな、ありゃ」

傍観者を決め込む生徒達。その時水中から、ラムが顔を出した。

「終太郎もいい加減にするっちゃ!ダーリン、しっかりするっちゃ」

そしてあたるの背中側から彼を抱きかかえると、高く空中に飛び上がり、そのまま校舎方向へと、飛び去って行った。


「ダーリン、大丈夫?」

「大丈夫なわけあるか…いてて、面堂のヤロー…」

【只今 留守中】の札を下げた保健室のベッドに腰かけて、ラムはあたるの体を拭いてやり、背中に傷薬を塗ってやった。

「ウチもうっかりして、プールの授業がある事忘れてたから…」

「それにしても…つつ…ラム、夕べのはちょっと…」

「ごめんちゃ、ダーリン…包帯でも巻いとく?」

「バンソウコウか傷テープでいいって。包帯は大げさだろ」

あたるの背中に大きめのバンソウコウをペタペタと貼ってやるラム。

「ちょっとは楽になったっちゃ?」

「うん、まぁな…サクラさん、しばらく戻って来ないよなぁ?」

スクール水着で、まだ髪も濡れたままのラム、大きく目をパチクリさせると、動きが止まった。

「でもダーリン…まだ明るいし、サクラが戻って来たら…」

と言いつつも、まんざらでもない様子のラム。

乾ききっていない水着の肩ヒモを両側にずらすあたる。そのままワンピースの水着を下に引っ張っていく。伸縮性のある生地で押さえられていた胸が、プルンッ、と弾き出された。そして腰のあたりまで下げると、ラムを優しく押し倒した。

「もうツメ立てるなよ」

「うん…」

そうして唇を合わせ、生肌の胸と胸とを合わせるふたり。ラムはあたるの頭を抱いて、ねっとりと濃いキスを繰り返す。

“ぺちょ…ぴちょ…くちゅ、くちゅ…”

戯れる舌に溢れる唾液を絡め合い、淫靡な水音がふたりを繋ぐ。

「んっ、んんっ…んっ…」

ごくり、とラムののどが鳴る。あたるがラムの乳房を下方から持ち上げるようにして、撫で上げる。そしてぎゅっと鷲掴みにすると、指の間に乳先を挟んで、軽くしごき上げる。

「んっ、あっ…」

ラムのキスがより深く激しくなった。チリチリと、ラムの肌の表面が、極々軽い放電現象を起こし始める。

“ピリッ、ピリリッ…チリッ…”

あたるの腰を挟むようにして開かれたラムの両足、軽く膝を立て、太ももを彼の腰あたりに擦り付ける。と、あたるがラムの股間に手を伸ばしてきた。

「ダーリン、ちょっと待って…」

ラムがあたるを止めた。濃い目の糸を引き、離れる唇と唇。

「このままじゃ、また…ダーリンの背中にツメ立てそうだっちゃ…」

昨晩の行為の最中、ラムはあたるの背中にツメを立て、無我夢中のうちに、彼の背中に食い込ませつつ引っ掻いてしまった。
そして最後の昂ぶりで、食い込んだツメの先からあたるの背中の引っ掻き傷に、強烈な電気を注いでしまった。
そして朝になりあたるの背中を見てみれば、見事なミミズバレになっていた、という次第。

ラムはあたるを仰向けにさせると、自ら水着を脱いだ。ラムの秘所と水着の間に、ねっとりしたものが糸を引く。そしてラムの手で、あたるの水着も抜き取られた。

ラムの秘所はすっかり濡れていたし、あたるのモノもしっかり勃ち上がっていた。ラムは両足を開いてあたるを跨いだ。
くちゅ…と、軽くキスを交わすと、自身の秘所にあたるを導く。

“ぬちっ…”

接点がぬめった音を立てて、ラムのつぼみがあたるを迎え入れる。そのまま腰をゆっくりと落とし込むラム。

「んっ…あはぁっ…はっ、はぁっ…」

インサートしつつ、ラムは自身のウィーク・ポイントを、あたるのモノで確かめる。確かめつつ奥まで挿入すると、胸を突き出して、腰を振り始めた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…あっ、あっ、あっ、あっ!」

騎乗位で喘ぐラム。上下にカラダを揺すると、大き目の胸がたぷたぷと上下に跳ねる。

「くぅっ…ラム〜…あんまりっ…オレの上で…跳ねるなよっ…背中が…」

ベッドに背中を擦り付けられて、ヒリヒリした痛みに涙目になったあたる、半身を起こしてラムの胸に顔をうずめた。

「んっ、あんっ…ダーリンッ…」

保健室のパイプベッドがギシギシと軋む。

「ラムゥ…はっ、はっ、はっ…」

「ダーリンッ、ダーリンッ!…あっ、あぁっ!」

秘部を密着させ、時間も場所も忘れて激しく交わるふたり。あたるがラムの胸にむしゃぶりつくと、ラムもあたるの頭を抱き締めて、彼の髪を掻き乱す。

“チリチリチリッ…パチパチッ…バチッ…”

ラムから放たれる電流が次第に強くなる。

“ぐちっ、ぐちっ、ぐちっ、ぐちっ”

ラムの臀部を掴んで、彼女との結合をより強くしようとするあたる。ラムの内部が、まとわり付き、絡み付き、しごき上げ、ほど良く締め付けてくる。

「うっ、くっ、うんっ…ラ、ラムッ…!」


“どくんっっ!!”


「ちゃあぁぁーーっっ!!ダーリンッ!!」

“バチバチバチバチッ!バリバリバリバリーーーッッ!!”

ラムの昂ぶりが頂点を極めた。結合した部分を濡らす体液が伝導体となって、ラムの弱点を痺れさせ、内部を駆け上がり、彼女の頭のてっぺんへと突き抜けた。
あたるの“芯”から流れ込んだ電流も、全身を駆け巡って、彼の脳天へと突き抜けていった。


結合部を離すと、ねっとりした体液が幾筋もの糸を引いて零れ、シーツを汚した。

「サクラが戻って来ないうちに、早くここから出るっちゃ、ダーリン」

ラムは行為の後始末もそこそこに、そそくさと水着を身に着けた。あたるも水着をはくと、保健室の鏡で背中の傷を確かめた。

「げっ!さっきより赤くなっとるぞ、ラムッ」

「もう体育の授業は終わった頃だから…」

そして約10分後。

「…ラム、お前はどうしてこーもガサツなのだ!?もうちっとマシに出来んのか?」

「ごめんちゃ、ダーリン。でも早く戻らないと、皆に変に思われると思って」

「そんな事は、もうどーでもよかろーが。オレが言っとるのは…」

その時廊下から、サクラらしき足音が聞こえてきた。

「ダーリン、早くっ!」

「おい、どっから出るっちゅーんじゃっ!」

ラムは、ベッドそばの窓を開けると、あたるを抱えて慌てて飛び出した。サクラが保健室に入って来たのは、その直後の事だった。

「…む?何やら様子が変じゃのう…しかも、栗の花らしき匂い…これまた面妖な…」

体育の授業時間もとっくに終わり、ガランとした更衣室で着替えるラム。一方の男子更衣室では、壁面の大きな鏡を見ながら、あたるがぼやいていた。

「どーしてこう、アイツはガサツなのだ…包帯くらい、もうちっとマシに巻けんのか、ったく…」

と言いつつも、その上から制服を着るあたる。ヨレヨレに巻かれた包帯の端っこが、シャツの襟足やら袖口からはみ出している。

今日はタイミングの良い事に、体育の授業の後が昼休みだったので、何食わぬ顔をして教室に入る事が出来たふたり。

「ラムさん、あれからどちらへ?諸星、貴様、まさか…とは思うがな」

「な、何がじゃっ」

「傷を口実に…」

「知らん知らんっ!オレはラムと何も…あっ」

「僕はまだ何も言っとらんぞ。貴様がラムさんに傷の手当てをさせていたんじゃないか、などとは。それとも何か?その包帯はやはりそうか?」

「あ、これか?この事か?この包帯の事だな?面堂、お前が言いたかったのは?」

「そのあちこちからはみ出している包帯、まさか、ラムさんやサクラさん、ましてや他の女性の手によるものではあるまい?ま、その不器用そうな巻き方では、諸星自身で巻いたとしか見えないがな」

「ウチが不器用で…」

面堂の言葉に、怒って口を出しかけたラムだったが、あたるに口を押さえられた。

「ラムさん、どうされました?」

「いや〜そうそう、この包帯、自分で巻いたらこんな風にしか巻けなくってね〜さすが面堂クン、よくわかってらっしゃるっ!」

(もうっ、ダーリンのバカッ!後で電撃リンチだっちゃ!)

(はぁ〜面堂が案外鈍くて助かった〜…)

ラムは単純に怒っていたし、あたるは面堂に勘付かれなくて良かった、と思っていた。ふたりの胸中はそれぞれ、であった。

そして、その日の夜。

「ダーリンひどいっちゃ、せっかくウチが巻いてあげたのに、不器用だなんてっ!」

「そう言ったのは面堂の方だろうが。オレは不器用とは、ひとことも言っとらんぞっ」

「でも包帯巻いたのくらい、知られたって困る事じゃないのに。何でウチが言おうとしてたとこ、途中で止めたっちゃ?」

「もしあれで面堂にでも勘付かれたらどうすんだよ?知られたら知られたで困る事もあるだろーが。お前の方は、今日の着替えの時、大丈夫だったのか?」

「…あっ、そう言えば…気が付かれたっちゃ…でもわかる場所にキスマーク付けるダーリンだって悪いっちゃ」

「ラムだって、オレの背中にこんなにハッキリ傷を残しおって。プールがある事も忘れて」

「だったら…今夜からしばらく、エッチは無しにするっちゃ?」

“出来ないでしょ”というような顔をして、ラムはわざとらしく、あたるに聞いた。

「ラムの方こそ…毎月のアレが終わった後…すごいじゃないか…」

「何言ってるっちゃ…1週間ぶりだと、ダーリンだって、すごいっちゃ…」

「ん、その、あれだ…今月は、まだ大丈夫…だよな?」

「大丈夫だっちゃ♪」

「ついでに、その…前にサクラさんにきちんと準備しとけ、って言われた事があったが…そっちも大丈夫だよな?」

「それも大丈夫、だっちゃ♪」

「あ〜…それじゃあ…明日は体育も無いし…でも、引っ掻いたりするなよ、まだ痛いんだからな」

「ダーリンも…あんまり目立つ所にマーク付けたりしないでね…」

「ん…それじゃあ…」

「ダァ〜〜リンッ…ふふっ♪」

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「引っ掻かないでやる、っていうと…こればっかりだっちゃ?もしかして…」

「オレの背中がちゃんと治るまでは…」

「でも〜…あっ、ああっ!」

布団に顔をうずめシーツをしっかり掴んだラムのバックから、インサートするあたる。
ラムの長い髪が広がって、きれいな形の肩甲骨や背中のラインが彼の目に入る。
そして行為の最中、ラムは時々、美しい曲線を描いて背中を弓なりに反らす。

気まぐれで愛らしいネコがノビをするように。

--- E N D ---

あとがき


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