(番外編) 「帰り道」


学校帰り、偶然帰路が一緒になったあたるとパーマ。
例の事を、遠回しではあるが、パーマからそれとなく切り出してきた。
彼女がいるとはいえ、“憧れの彼女”の親衛隊のひとりとして、余計な忠告もしたいところだ。

パーマのぎこちない語りがしばらく続く。あたるは仏頂面をして、「…で?」とか、
「だからお前は何を聞きたいっちゅーんじゃ」とか、時々ぼそっと言うだけだ。

「いや、だから、普段のお前を見てる限りじゃ、とてもそんな風には見えないんだけどな…その、何だ、ラムちゃんと…とは」

「だから何を聞きたいんじゃ…要領を得んというか、いつものパーマらしくないな」

「じゃあはっきり言っとくけどなっ!あたる、やっぱりお前、悪いぜ。俺はともかく、他のやつらの手前、他の女子にちょっかいかけて何も思わないのか?」

「…余計なお世話じゃっ。そーゆー事は、オレとラムの問題だからな。第三者には口出しなんぞされたくないわっ」

「あーそーかいっ、わかったよっ!」

パーマもいい加減、あたるの身勝手な言い分にキレそうになっていた。

「それに、ラムはこのオレに、惚れてるんだからな」

それを聞いてパーマの脳みそが沸騰した。

「結局最後に言うのはそれかよっ!いくらもう…デキてるから、ってなぁ〜〜っ!!」

「ちょっ…パーマ落ち着けよっ…オレもつい…悪かった…」

「…まぁ、前から分かってる事だからな、どーでもいいけどよ…見せつけられてる身にもなってみろって、なぁ」

そんな会話にかぶさるようにして、上空からラムの声が。

「ダーリンッ♪パーマさんとふたりで珍しいっちゃね」

そしてパーマは片手を上げると、「邪魔者は去るとするか。じゃあな」と言って、すたすたと早歩きで行ってしまった。

「ふたりして何話してたっちゃ?」

「…いや、別に、何も」

「パーマさんも先に帰らなくたっていいのに」

「そうしたい時も、あるんだよ…」

「ふーーん…ね、ダーリン、ちょっとお買い物付き合って欲しいっちゃ♪」

「何だよ、めんどくせーな…」

先を行ったパーマの姿はもう見えない。

「ダーリン、何だか元気無いっちゃね。何かあったのけ?」

「いや、何も…」

さっきまでパーマがいた隣に、今はラムが。
あたるは顔をあさっての方に向けたまま、さりげな〜く、ラムの手に手を伸ばした。

「どうしたっちゃ?ダーリンから手つないでくるなんて…珍しいっちゃ」

「いや、何と無く…」

特に自分の態度や行動を改めようとは、これっぽちも思ってないし、人前でいちゃつくなどとんでもない事なのだが。
学校の帰り道、たまには自分からこういう事をしてやるべきかなぁ…と、あたるは思っていた。

「こういうのって、付き合い始めの学生っぽくて、ちょっと恥ずかしいっちゃ」

「なーにを言っとるか、手をつないだくらいで。ネンネじゃあるまいし」

「だってこんな風に手をつないで歩いたの、久しぶりだっちゃ。ふふっ♪」

そんなもんなのか?と、子供っぽく笑うラムを見て、あたるはそう思った。

--- E N D ---
あとがき


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