(番外編) 写真


「そういえば前に、お母様にダーリンのアルバム見せてもらった事あったっけ…」

ある日の事、ラムはあたるのアルバムを引っ張り出してきて、ひとりでながめていた。

「ふふっ♪やっぱり可愛いっちゃ〜。この後ダーリンの小さい頃に行って、女グセ治そうとしたけど、あれは生まれつきのもんだっちゃねぇ…一生あんな感じなのかなぁ。そういえば…」

ラム、あたるがいない時に彼の部屋の押入れをごそごそ探って、何かを探していた。

「あ、あったっちゃ…何だっちゃ、これ?」

ラムが出して開いてみたのは、あたるが自分で持っているアルバムだった。
が、中を見てみれば、見知った顔から見知らぬ顔まで、色んな女の子や女性の写真ばかり。

「んも〜!この中に1枚くらい、ウチの写真があったっていいのにっ!」

そしてその夜。

「ね〜ダーリン」

「何だ?」

「今度ウチと〜一緒に写真、撮って欲しいっちゃ」

「はぁ?何で?」

「だって〜…今日、ダーリンの、アルバム見たら…」

「げっ!お前、あれ、見たのかっ!?人のプライバシーを勝手に見るな、っちゅーんじゃっ!」

「中に1枚も、ウチの写真、無かったっちゃ。どういう事け?ちゃーんと説明して欲しいっちゃ!」

「説明も何も…今更そんなもん撮ってどーするんだよ?」

「ウチとダーリンだけのアルバム、ウチ欲しいっちゃ!」

「…そんなもん、どーでもよかろーが」

「だけど今までふたりだけで撮った事無いっちゃよ。学校の行事のとか、クラスの誰かが入ってるのばっかりだっちゃ」

「いらんいらんっ!そんな事せんでも、毎日飽きるくらい顔合わせとるのに」

「わかって無いっちゃ、ダーリンは。ウチはダーリンと一緒に撮った写真、どーしてもっ!欲しいっちゃ!」

「しかし何で急にそんな事…」

「何でもいいっちゃ。今度の日曜日、デートしよっ♪それでたくさん、写真撮るっちゃ、絶対にっ!!もし言う事聞かないんなら〜…」

「な、何じゃっ!?」

「超弩級の、電撃お見舞いするっちゃっ!!それとっ!…当分エッチは無し、だっちゃ」

「…ったく、あーわかったわかりましたっ、もう勝手にしろっ…」

そして数十分後。

「これで…交換条件、成立…あっ…だっちゃ…あ、あ…そこっ…」

あたるは自分の下でやわらかな肢体をくねらせているラムの秘裂をまさぐっていた。
こういう時のラムの顔を見、声を聞いているだけで、あたるの興奮は際限無く高まる。そしてたっぷり濡れたラムの陰唇の狭間に、あたるは陰茎を押し込んだ。

「ダーリンの…い、いいっ…っちゃ…はぁぁっ!」

ラムがあたるにしっかと抱き着いて、ふたりはひとつになる。あたるは無我夢中でラムのナカに己を送り続けた。
ラムのナカでほどよく絞られ、こすり上げられる感覚が、あたるの頭の中を次第に真っ白にしていく。後は本能がカラダを突き動かす。
ラムも、あたるに突き上げられ、全身をリズミカルに揺すられながら、局所局所から小さな雷を飛び散らせて、快楽に身を任せていた。

「お、奥まで…きて、る…っちゃ、あ、あ、あんっ!」

布団の中でひとつになる。ラムがあたるの下半身に足を回し、あたるは送り込みを続けながら、ラムのカラダを引っ切り無しに愛撫し続ける。それに応えるように、あたるの下で悶え続ける、ラム。

そうしてふたりは、大体いつもの事だが、ほぼ同時に達するのだ。一気に脱力し肩で息をするあたる、果てると同時に全身を震わせ息をつくラム。

そして次の日曜日。

「まったく…せっかくの休みだというのに、何でラムとデートせにゃならんのじゃ」

「だってこの間の約束だっちゃよ、憶えて無いなんて、言わせないっちゃ!」

その日は少し遠出をして、カップルだらけの海の見える場所へやってきた。

「ウチ、ちゃんとカメラ用意してきたっちゃ。誰かに頼んで撮ってもらおっ、ダーリン♪」

「周り中アベックだらけでは無いか…おっ」

ラムがバッグの中からカメラを取り出してる隙に、あたるは彼女のそばから離れていった。

「そこのお嬢さ〜ん♪いい天気だね〜、一緒にお茶でも、どう?」

声のする方を見てみると、案の定、男がついていない女の子に声をかけている。
カップルだらけとはいえ、休みの日は女同士で遊びにきている姿もあちこちに見られた。
ひとり目が駄目だと、次の相手を目ざとく見つけて、また声をかけている。

「んも〜〜!ダーリンたらっ!ダーリンッ!何してるっちゃーっ!!」

「ラム、せっかくだからこのコと一緒に撮ってくれっ」

“バチンッ!”

あたる、見知らぬ相手の肩に手をかけた途端、平手打ちをもらってしまった。

「いい気味だっちゃ…こんなとこ来てまでガールハントする事無いのにっ!ダーリンのバカーッ!」

ラムの電撃で、しこたま感電させられ、焦げて倒れるあたる。

「ダーリンッ!約束破る気けっ!?いい加減観念して一緒に写真撮るっちゃーーっ!!」

あたる、いつものようにラムをからかうように逃げ回りながら、次から次へと女の子を見つけては声をかけまくった。

「もうすぐ夕方になるっちゃ…もうっ、ダーリンの〜〜…バカーーーッ!!」

陽が傾きかけた時間。怒りも頂点のラム、天空に向かって特大の雷の柱を、大音響とともに走らせた。

「もう、しょうがないっちゃ…でもせっかくだから、ひとりで写真撮って帰ろうかなぁ…」

ひとり佇むラム。カメラを誰に頼もうか、近くを歩く人に声をかけた。

「写真、お願いしますっちゃ。海をバックにして。ここのシャッターを押せばいいだけです、っちゃ」

「ねーそこの君〜、ひとり?一緒にお茶でも…いや、写真でも、どう?」

「あ、ダーリン…いつの間に戻って来たっちゃ」

「一応、約束だからな。それにそろそろ帰る時間だろ。ひとりで撮っても…まぁ、あんま面白いもんじゃないだろーしな」

「ふふっ、ダーリン、大好きっ♪」

「わっ、ちょっ…そんなにくっつくなって…暑苦しいだろーがっ」

「すいませーん、シャッター、お願いしますっちゃ〜」

「だからっ!あんまくっつくなって!ラムッ!」

嫌がる素振りのあたるにしっかりしがみついて、満面の笑みを浮かべるラム。
そしてフィルムを使い切るまで、写真を撮り続けた。

その後日。

「あ〜やっぱり〜。ダーリンがおとなしくしてないからだっちゃ」

「写真撮ったやつの腕が悪かったんだろーが」

「もうっ…ピンボケしたりしてて、まともに写ってる写真、あんまり無いっちゃ」

何十枚も撮影したわりには、まともに写っている写真は本当に少なかった。

「あ、これなんか…よく撮れてるっちゃ。ほら」

ラムがあたるに見せたのは、彼があさっての方を向いて、その腕に笑顔のラムがしっかりしがみついているものだった。

「これでもこの中じゃ、まともな方だっちゃ。でももうちょっとウチの方、向いてくれてもいいのにっ。何でだっちゃ?」

「もういいだろーが…まともに撮れたのも何枚かあったんだから、細かい事をイチイチ気にするな、っちゅーんじゃ」

「これからも、もっともっとたくさんダーリンと色んな所にデートに行って、写真撮るっちゃ♪大きなアルバム一杯になるくらい」

ラムは本当に嬉しそうに、いつまでも飽きる事無く、写真をながめていた。


そして時は流れて。再びあたるの部屋。

「あれ?ダーリンの机の上の写真立て、倒れてるっちゃ。どんな写真、入ってるのかな〜?」

写真が見える面を下にして、倒れているフォトフレーム。ラムがそれに手をかけようとした、その時。

「わっ!ちょっ、待てって、それはいいからっ!触らんでいいからっ!」

ラムがフォトフレームに気がついて触ろうとした途端、慌てた様子のあたるがラムと机の間に滑り込んできた。後ろ手でフォトフレームを取ると、ささっと服の下に隠した。

「どうしたっちゃ?何で慌てて隠したっちゃ?…もしかして〜ウチのいない間に、他の女と〜〜っ!?」

「どーでもいいだろーがっ!写真なんぞ中に入っとらんぞ、ただの写真立てじゃ、写真立てっ!」

「どーも、怪しいっちゃねぇ…誰のどんな写真、こっそり飾ってたっちゃ!?見せるっちゃーっ!」

あたるが服の背中側に突っ込んだフォトフレームを見ようと、ふわりと宙に浮いたラム。あたるの背後に回ろうとするが、彼の機敏さもかなりのものだったから、なかなか目当てのものを取り上げる事が出来ずにいた。

「わっ!」

畳の目に沿って足が滑ってしまったあたる、手にしていたフォトフレームを離してしまった。そして天井に飛び上がって床に落ちたそれを、ラムがすかさず拾い上げた。

「…ああ…この写真…懐かしいっちゃ〜…」

中に入っていた写真、それは。以前海の近くで撮った数少ない中の1枚、ラムが一番気に入っていた写真だった。

「もしかして、これ…ずっと?」

「…だから早くしまっとくんだった…」

「はい、ダーリン」

「何だ?」

ラムはあたるにフォトフレームを差し出した。

「また飾っておいてくれたら、ウチ、嬉しいんだけどなぁ〜…」

「もう見られてしまったからな…どーでもいいわ…」

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「ダー、リンッ…写真、飾って…どうしてた、っちゃ?…あ、あっ…」

「別に、どうも…しとらんっ…」

「ダーリン、大好きっ…あはぁっ!」

久々に肌を合わせたふたり、本当に貪るように、互いを求め合った。
ラムの肌の感触を確かめるように、彼女のカラダの隅々までを、手で口で舌で、愛撫し続けるあたる。

やがて繋がってひとつになりながら、ふわふわと泳ぐラムの手に、あたるの手が触れる。
揺すり揺すられながら、重なる手と手。そして互いにぎゅっ、と握り合うと、ラムは涙を零し、あたるは彼女のナカで高みに昇りつめようと懸命に送り込みを続けた。
握り合い絡み合う手のひらと指の感触で、互いの存在を確かめ合う。

やがて昇る所まで昇り詰めたあたる、堰を切ったように、ラムのナカに一気に熱いものを注入した。あたるに注がれたもので一杯になったラムの胎内。一時頭を反らしてあたるを呼ぶと、深く息をついて、彼女も果てた。

自分の下に横たわる、汗ばみ上気した顔のラム。満たされた面持ちで微笑む彼女を、じっと見つめるあたる。そしてあたるは目を通して、脳内にラムを焼き付けた。

いつも何気無く見ているラムを、目というレンズを通して、記憶というフィルムに焼き付ける。無意識のうちにどこかでシャッターをきっている。そうしてふとした時に、ラムだけが写っているアルバムのページが開かれる。

「またあの海に行って、たくさん写真撮りたいっちゃね、ダーリン。そして大きなアルバム一杯にして、そんなのをこれから何冊も作っていって…」

「オレは別に…アルバムなんぞ無くても…」

「どうしてだっちゃ?思い出たくさんあった方がいいのに」

「いや、別に…」

「でも、ウチの思い出の中には、うんとたくさん、ダーリンが詰まってるっちゃ。零れるくらい」

「ん…そっか…」

そしてあたるの記憶にまた新たに、今日この時のラムの姿が焼き付けられ、アルバムの1ページに加わった。

(しかし考えたら…こういう時のラムばかり、頭に浮かんでくるのだが…うっ、想像してたら、また…)

「どうしたっちゃ?ダーリン…ちゃっ…もうっ、またけ?…」

「う、いや…頭の中に色々浮かんだら、また…やっぱ、もう…辛抱たまらんっ…」

「ダーリンたら、エッチな事…思い出したんでしょ…ちゃっ…ん、んんっ…」

そして再び唇を重ねて…ふたりの夜は、繰り返されていく。

--- E N D ---

あとがき


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