誰にも言えない(開花と思い出)


閑散とした放課後、教室にはあたるとラムのふたりっきり。
帰り仕度をしているラムをちらちらと見ているあたる。
そして何を思ったのか、無言のまま彼女に近付くと、おもむろに腕をつかんだ。

「どうしたっちゃ?ダーリン」

「ちょっと…」

そしてラムの腕を引っ張って教室を出た。

「どこ行くっちゃ?」

あたるは黙ったまま、ずんずんと歩いていく。行き着いたのは、校舎の一番隅にある男子トイレだった。

「トイレだったらひとりで来ればいいのに、変なダーリン」

しんと静まり返ったそこに、あたるはラムを引っ張って入っていった。

「何でウチも一緒に?どうしたっちゃ…?」

トイレの一番奥の個室のドアを開けると、あたるはラムを中に押し込んだ。

「ちゃっ…」

バタン、ガチャ。

ドアを閉めカギをかけるあたる。そして立ったまま、ラムの背を壁に押し付けると、何が何だかわからぬ様子のラムの唇に、唇を押し当てた。

「んふっ…」

あたるは制服の上からラムに体を押し付けてきた。あたるの下半身が…硬く膨らんでいる。もう辛抱たまらん、と言葉には出さなかったが、彼の行為と股間がすべてを物語っていた。
ラムは壁に押し付けられながら、あたるのキスに身を任せた。間も無く彼の片手がラムの制服トップの裾から潜り込み、もう片手が彼女のスカートをたくし上げだした。

ラムが欲しくて欲しくてたまらない気持ちを即行動に移したあたる。彼女のなめらかで張りがあり適度に肉感のある太ももを撫でさすり、やわらかな内側に手のひらを滑り込ませ、そのもっちりした感触を手のひらと指の腹で確かめる。

さすがに相手があたるだけあって、ラムの両脚はすぐさま緩んだ。制服の下はいつもの虎縞ビキニ。そのボトム、ラムの女の部分を覆っている場所に“くいっ”と指を食い込ませるあたる。

「んんっ…」

ラムがのどの奥から声を漏らした。“くいくいっ”、当て布の上から溝に割って入ろうとするように指先を食い込ませ続けるあたる。

「んふっ…」

鼻から抜けるようなラムの声。ひんやりした堅い壁に背中を押し付けられ、あまり自由に身動きのとれない狭いトイレの個室で、あたるの行為を受け入れ続けるラム。口内に押し入ったあたるの舌が、彼女の舌を絡めとって、深々としたキスも並行して続く。

ラムのカラダが次第に汗ばみだしてきた。それまで壁に張り付けていた両手を、あたるの腰に回す。そしてあたる、制服トップ内側のブラを剥ぎ取り、スカート内側のボトムをもどかしそうに下ろした。

本当にもどかしそうに、彼女のやわらかな陰唇の溝に指を滑り込ませ、制服トップ内の乳先を摘んでしごきあげた。と、たちまち尖る、ラムの乳先。陰唇の狭間の“ぬるり”とした濡れ加減も、あたるの手の動きひとつで、いくらでも潤った。
“くちくちくち…”と音をたてて肉溝を滑る、あたるの指先。ラムの弱い部分を知り尽くしているあたる、そこを執拗に重点的に攻め、彼女の理性を崩す行為を続けた。

やがて唾液の糸を引いて離れた唇から、ラムが吐息交じりの言葉を漏らした。

「こんな、とこで…なんて…あ、ああっ…ダーリンッ…!」

そう言いつつも、ラムの腰が前後左右に揺れている。開かれた秘所の、彼女の入り口付近のびらびらのひだをかきわけつつ、つぼんだ入り口を突付くあたる。同時に陰核も巧みに攻める。

「あ、あ…!だめぇ…こんなとこ、でっ…」

壁に肩と後頭部を押し当てながら、ラムが喘ぐ。
“きゅっ”、人差し指と中指でラムの乳先を挟み込む。手のひらで乳房を持ち上げ、乱れた襟元からのぞいた首筋から鎖骨近辺に吸い付くあたる。
ラムの秘所がどんどん、どんどん潤う。はぁはぁ、と息を荒げながら壁際で悶える。ラムは自らスカートのスナップとファスナーを外した。その彼女の行為で一旦手を引いたあたる。その指先はねっとりした汁で濡れて、てかっていた。

バサリと床に落ちる、紺色のスカート。

虎縞柄のボトムを、あたるは慣れた手付きでするすると下ろしていく。アンモニア臭に混ざって放たれる、ラムの秘所の香りが、あたるの脳とカラダを一気にヒートアップさせる。

ラムが両足を大きく開いた。あたるはズボンのベルトを外し、ボタンとファスナーを外す。
トランクスの内側から飛び出す、あたるのそそり立ったイチモツを、ラムが舌なめずりして見つめている。

「ダーリンの…早く…」

ラムはあたるが入れやすいように両のももを大きく開いて、背を壁に寄りかからせ、下半身を前に出した。
あたるのいきり立ったイチモツの頭が、ラムのひだを押し分け、つぼみを割り開く。
静寂の中、微かに聞こえる挿入と接合の音。

カラダ前面を合わせ、立位のまま、ラムを突き上げだすあたる。あたるは腰を斜め上方に振りながら、ラムのナカへと自身を送り込む。
送り込みながら、ラムの制服トップをめくり上げ、ふくよかな乳房を少々乱暴に揉み込んだ。

学校のトイレの個室、誰もいない狭い場所。壁に押し付けられ上下に揺すられながらも、ラムは悦びを表情で、そして声で表した。

あたるの突き上げのピッチが早まり、ラムの内ももが淫らな汁で濡れていく。

「ちゃっ…あ、あ、あ!…ウチ、の、お…奥にっ…当たっ、て…るぅ…あ、あ、あぁっ!」

ラムの膣壁にこすり上げられ、絞り込まれるあたるのイチモツが、彼女のナカを激しく往復する。そして。

「ちゃあぁぁっ!」

ラムの入り口が収縮し、あたるを軽く絞った。と同時に彼のモノがタイミングを合わせたように爆発し、ふたりは同時にイッてしまった。

そして…。

「またっ…ウチッ…イ、イ…イッちゃうぅぅっ!」

ラムは壁にカラダの前面を貼り付かせて、後立位であたるに突き上げられていた。弾力のある彼女の尻肉に股間をぶつけながら、往復を続けるあたる。
淫らな汁が、ラムの内ももを流れ落ちていく。そして床にも零れ落ちる。

ラムの乳房を背後から回した両手で掴んで握りしめ、ひたすら本能のままにラムを下から突き上げ続けるあたる。
その交合の果てに、再びふたりは高みに達して脱力した。

そして…。

いつしか暗がりに包まれる、トイレの個室。

「もうっ…帰る、っちゃ…ああっ!」

暗がりの中で、ラムはほのかに放電して青白く光り、照明の代わりをしていた。

「たまには…こういうのもっ…いいだろっ…ふ、んっ!」

「で、もっ…もう、そ、外も…あ、あっ…暗く、な、って…ちゃあぁっ!…そ、それにっ」

「なっ、なんじゃっ…」

「いい、加減、に…しとか、ないっ、と…に、臭いがっ…あはぁっ!」

フタをした洋式便器に腹ばいになって、あたるに前後に揺すられつつ、ラムが言う。

水洗の金属レバーを両手でしっかと掴むラム。それがアースの代わりになって、彼女のカラダから流れ出る強めの電流は、金属のレバーを通って床下に逃げていった。

弱めの放電で先からほのかに光っているラム。髪の毛のように細いスパークが、チリチリッ…と制服の表面で不規則に跳ね回る。空中でバチッ、と飛散したり、彼女の局所からあたるのカラダへと、接合部分を通じて伝わる。

その刺激がまたよくて、あたるはラムから離れない。

きっと他のどの女とも、こうはいかないだろう、と常々思っているあたる。自分一筋で、一旦交わればその匂いも味わいも格別で、あそこの挿入感も締まり具合も自分にちょうどいい。そして何より、“放電”という刺激がたまらなく、いい。

全身を巡って、自身のイチモツに集約され、その刺激はサオを巻いて痺れさせ、先端を舐めるように走っていく。そしてイチモツのあらゆる隙間から自身の内側に流れ込み、根元や陰嚢も低周波マッサージ器のように痺れさせてくれる。

最初は押しかけ女房だから…程度の軽い気持ちであしらっていたあたるだったが、初めてカラダを合わせて以後、ラムのカラダ無しではいられなくなってしまった。そんな自分に気が付いてしまった。

「ちゃあぁぁぁーーーっっ!!」

“ドバババババーーーッッ!!!”

水洗レバーに強烈な電気が流れ、淫らな汁ですっかり汚れてしまったラムは、あたるの下でぐったりとなった。

そして翌日もまた…。

同じ個室に入ってみると、昨日は気付かなかったが、壁にはたくさんの落書きが。
見れば中には、ラムに関するものもあった。
速攻で描いた感じの、股間を開いて誘っているラムのセリフの吹き出しには「ウチのマ○コに×××のチ○ポを入れるっちゃ」とあったり、“ラムちゃんとやりてー!”と書いてあったり、“あたる氏ね!”と書いてあったり、さまざまだった。

「こんなの、書いてあるっちゃ…皆いやらしい目で、ウチの事見てたっちゃ?もしかして」

「ったく、何を書いとるんじゃっ…そりゃ、こーゆー事に興味が無い方がおかしい歳だからな…」

「ダーリンもいっつもこんな事考えてるのけ?ウチを見て…」

「そうじゃなかったら、こんなとこに連れて来んわ」

「でも、ウチにこーんな事していいのは、ダーリンだけだっちゃ、もちろん」

「当たり前じゃっ…」

ラムはラムで…はっきり自覚はしていなかったが、トイレという不浄の場所であたるとの淫らな行為に耽り、淫らな汁で汚されていく事…が次第にクセになりつつあった。

その日も壁に寄りかかって、あたるの前戯で準備万端整ったラム。あたるの要望で、制服トップを胸が剥き出しになるところまで持ち上げた。そして壁に寄りかかって仰け反るラムの、突き出した乳先を、両手で軽く覆う、あたる。
あたるが何を思ってそうしたのか、ラムにはわからなかったが、興奮と期待とで、彼女は小さくのどを鳴らした。

「軽く放電、やってみ…」

あたるに言われるがままに、弱めの放電をするラム。

“パパパッ…パチッ!”

「ちゃっ…!…ウチの、電気が…」

そしてもう一度、軽く放電。

「あ、あ、あ…!」

軽く放った電気はあたるの指の間や手のひらの隙間からわずかに漏れ出たが、残りは手の内側でパリパリと踊って走り回り、ラムの乳先を、極細の触手のように、かすめたり弾いたりした。
あたるの手のひらも痺れたが、そこに軽く触れている乳先が、電気の極細触手でプルプルプルッ…と小さく震えているのがわかった。自身の電気刺激で先より更に尖って硬くなる、ラムの乳先。

「あ、あ…だめぇ…下からっ…どんどん…出て、きちゃうぅ…」

そう言いながら、ふたたび、みたび、軽く放電するラム。その度に自身の電気によって乳先が嬲られた。先端を弾いて乳輪と乳先のくびれに巻きつき、軽く痺れさせながら頂点へ抜けて、乳房全体にも“ピリピリッ”とした刺激を伴って拡散した。濡れた秘所にも、“淫らな汁”という伝導体に引き寄せられて、電気が流れ込む。それがラムの秘所の溝をかすめながら、後方へと走って抜け出ていく。

ラムは自分のカラダにとってちょうどいい放電の仕方を、微調整しながら次第に憶えていく。それはあたるにとっても、至極具合のいい電気刺激だった。最初バチバチ、チクチクしていた放電も、次第にやわらかく、細く、長くなっていった。

細く長く伸びる“電気の糸”。ラムは悶えながら、それをあたるに向けて伸ばしていった。次第に本数も増えて、ラムも“電気の糸”を自分に巻き付けていくが、あたるのカラダも、くるくると巻き取っていく。

ラムの放電に巻き取られながら、彼女のナカへと自身を押し込むあたる。

制服の上からとはいえ、“電気の糸”の刺激は思った以上のものだった。巻き付いた“電気の糸”をそのままに、互いに抱き合うあたるとラム。するとラムのカラダがびくびくっ!と震えた。

「ちゃあぁあぁぁあーっ!」

股間を繋げ合って微弱な電気をまとったカラダを密着させた結果、ラムのカラダにあたるの電気が融合した。もちろんあたるのカラダにもラムの微弱電流刺激が重なって、互いにとって更なる快感になった事は言うまでも無い。

「ダーリン、のがっ…ウチに…伝わって…」

「ラムぅ…」

想像以上の快楽が、ラムのナカのあたるを一気に引き絞った。あたるは小さくうめいてラムのナカで達し、彼女をしっかと抱き締めた。

「ダーリンのっ…ピリピリ、が…き、気持ち、い、いいっ…っちゃ…あ、あ!ウチ、も!」

あたるのイチモツを秘所にくわえて、間も無くラムも果てた。


その後もあたるによって、電流をコントロールする術を憶えていったラム。そのテクニックは日に日に上達し、触れ合った舌先から極々小さな火花を散らし、あたるの部屋でのふたりの夜が、また始まる。

“繊細でやわらか”な“放電の愛撫”を、行為の最中に幾度も共有する。その度にラムの全身が弾けて、彼女は更に積極的になった。
ラムの肌を貪り、ラムのナカで己をしごき、匂いを感じ、体液を味わい、目と耳でラムのすべてを見聞きする。そんなあたるにとってラムの“放電の愛撫”は、五感すべてを総動員した愛の行為に、今までに無い極上の刺激を与えてくれた。

ラムから与えられた刺激を、あたるは再び彼女に与える。そうするとラムから再び“愛撫”が与えられる。それをまた返す。若いカラダ同士の交わりに加えて、互いの“愛撫”を与えては返す事を繰り返す。
そうすると、若いエネルギーも手伝っての事だが、何度でも高みに昇り詰める事が出来た。昇り詰めて一旦着地するも、再び互いが欲しくなって、先とは違う展開で絡まり合う。

ラムの乳先を、電気の絡まった舌先で転がしてやる。濡れた指先をラムの陰核に当てて、微弱な電気を流し込む。そうすると以前以上に彼女の感度が増して、今までに無い反応を示してくれた。ラムの愛液も途切れる事無く溢れ出て、彼女の内ももや秘所、あたるの股間周辺や手指をたっぷり濡らした。

「ラムのが…絡まって…う、んっ…」

「ダーリンの、ピリピリ…がっ…ウ、ウチの、ナカ、で…ちゃあぁっ!そんなっ、とこ、までっ…!」

「こ、こう、したら…どう、だ?」

「あ、あ、あぁっ!ちゃあぁっっ!だめぇっ!ウチ、ウチ〜ッ!…おかしくっ…なっちゃうぅぅっ!!」

「もう、ちっと…放電、してくれっ…」

「ん、ん…ああんっ!ダーリンの、電気、がっ…!あ、あ、あぁ!もっと…ちょうだいっ…ダーリンの、ピリピリッ…ウチ、の、もっと、ナカ…にっ…はあぁっ!!」

「ラムの、も…もっと、くれっ…オレの、こ、ここにっ…」

「いくら、でも…たくさんっ…ダーリンにならっ…たくさんっ…あげる、っちゃ…いっぱい…いっぱいっ…!」

そうして更けゆく夜を十二分に堪能し、互いに享受し合う日々が繰り返されていった。

トイレの個室という、誰もいない場所で、本能の赴くままに…のつもりだったあたるとラムだったが、限られたスペースと自由度の低いその場所で、ふたりは互いのカラダの官能力を巧みに引き出し、開花させていったのだった。

狭い場所で開拓された技で…ふたりはどんな場所、どんなシチュエーションでも。そう、いつでも、どこでも…。しかしそんな事は、誰にも言えない。

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やがて大人になってからも、夜はいつもこんな調子で更けていった。そしてふたりは時々、学校の事を思い出す。古びた校舎の奥まった一角にあった、トイレの個室を。そしてふたりがカラダを交わらせ互いを確かめ合った、思い出の場所のいくつかを。

あのトイレは、何年もの間に補修を繰り返していくらかきれいになったとはいえ、なぜかラムとあたるに関する落書きだけは、何度消されてもまた書かれていた。
つまり、かつてこの学校で超有名だったあるカップルやその友人たちの話題は、何年経っても生徒や教師たちの間の、いわば語り草になっていた。

生徒たちはふたりにまつわる色んな伝説やら噂話やらを、休み時間の会話のネタに、時々加えていたのだ。そんな噂のふたりが卒業した年の卒業アルバムは、何度も借り出されて、すっかりボロボロになっていた。

それをめくっていたある女子生徒がこう言う。(*)

「ふたりとも、若〜〜いっ!温泉マークはずいぶん老けたよね〜。あ、面堂のお父さんだ…やっぱ似てるわ」

その友人が彼女の隣で同じ写真を見ながら、可笑しそうに笑っている。

「ふたりとも面影残ってるじゃん。それにやっぱりアンタって、お母さんにそっくりだよね〜」

「そういえば…最近ちょっとユーツなんだよねぇ。もうすぐ授業参観じゃない。またふたりのどっちが来るかで、夕べもちょっともめてたし」

「平日なのに?ふーん、いいじゃん別に。またふたり揃って来てもさ。その代わりうちのクラス、人がごった返して騒がしくなるけどね〜」

「だから嫌なんだってばっ!こっちは顔から火が出るくらい恥ずかしいってゆーのに。ちっともわかって無いんだから、パパもママも」

そしてこれまた“誰にも言えない”事だが、彼女、ある事でも恥ずかしい気分にさせられていた。

(それにまた、シーツや毛布焦がして、こっそり捨ててるし…あーもー恥ずかしいっ)

昔は友引町四丁目にある実家の両親に“顔から火が出るほど恥ずかしい思い”をさせておいて、今度は子供に恥ずかしい思いをさせているふたり。どんなに年を経ようとも、相変わらずのようである。そしていくつになっても…夜の方も…相変わらずのようである。

--- E N D ---

(*)・・・「あとがき」に補足(蛇足)有り。


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