青い稲妻Scene2 (例えばこんな日々・実家編その3)


ラムと同じ放電と耐電の能力を一時的に身に付ける事が出来る“フェイクのツノ”。それをラムの思い付きで頭に付けられたあたるは、昨晩の特大放電で屋根を突き破った事を、翌朝早速母親に怒られた。小言を聞かされながら黙って朝食をかき込むあたる。
こうなる事はわかっていたが、あまりに母親の文句が長いので、途中軽い口論となり、爽やかなはずの朝の空気が多少すさんだ雰囲気になった。

そしてむすっとしたまま2階に上がると、昨晩突き破った屋根と、そこから見える空を見上げて、改めてうんざりしたような表情になった。
今日は日曜なので、仕事は休みだ。当然、屋根の修理を頼む事も出来ない。

「ったく…結局こうなる事くらい、わかってただろーが。ラムの…アホがっ」

そこへ、UFOで身支度をしていたラムが、窓から入ってきた。

「どうしたっちゃ、ダーリン?上見たまんまで」

「お前の妙な思い付きのせいで、とんだとばっちりじゃ」

「だからウチだけのせいじゃない、って昨日も言ったのに」

「だからってなぁ…こんなもんさえ着けてなければ、こんなにひどい穴が開く事は無かっただろーがっ」

「お母様に何か言われたのけ?」

「当たり前じゃっ!またローンがどうだの、老後がどうだのと…うるさくてかなわんわっ」

「ね、ダーリン。せっかくお天気もいいんだし、どっかデートしに行こ♪」

「…そんな気分ではないわっ…。とゆーよりっ!ラムッ!どーしてお前は人が深刻そうにしとるのに、コロコロ話題を変えるんじゃっ!」

「だってそんな顔してるより、気分転換になるかなー、と思って言ってみたっちゃ。嫌なのけ?ダーリン」

「…お前のその、ガチャガチャした思い付きだけの性格、どーにかならんのか?少しは人に気を使うとか、出来んのか?」

「ウチは気を使って言ってあげてるのにっ!」

「とにかく…頭にこんなもん着けて、外歩けるか、っちゅーんじゃっ!」

「何言ってるっちゃ!ツノが着いてるくらい、どーって事無いっちゃ!いつもなら何があっても、平気で外に行ってたくせにっ」

「それとこれとはワケが違うわっ!」

「んん〜…もーーっ!何がどう違うって言うっちゃ!ダーリンのバカーーッ!」

怒ったラムはついいつものクセで、あたるに向けて強めの電撃を放った。

「…何やっとるんじゃ。オレがツノ着けてんの忘れたのか?」

ラムから浴びた電気で全身白く光らせているあたるは、ケロリとしてそう言った。

「あ…そうだったっちゃ。つい、いつものクセで…。ちゃっ…!」

あたるは放電をやめたラムの手首を掴み、ぐいっ、と引き寄せ抱き締めると、しらっとした口調でこう言った。

「悪さをする子猫には…こうじゃっ」

あたるは今のお返しとばかりに、体を密着させたまま、ラムに強めの電気を送った。

離れて電気を浴びるのと違い、抱き合った状態での放電、特に怒り以外の感情を伴って放つ電気は、愛情表現の最たるものだ。放電能力を持つ鬼族のラムの愛情表現は、情熱的な“愛情”による放電、そして感情の高ぶりがピークに近付くにつれ、正比例してそれも強くなる。

地球人のあたるはもちろん放電などしない。が、ラムから浴び続けてきた普段の“愛情表現”と、夜の行為の最中の“愛情表現”ですっかり電気慣れしてしまっていた。
そして行為の最中の“愛情表現”による刺激が無いと…イマイチ物足りない気がしていた。
そう感じるようになったのは、学生時代、ラムを抱くようになってしばらく経った頃だった。ラムが不在だったある夜、ついムラムラしたあたるは、ひとりでそれを…処理したのだが…どうにも今ひとつ、何かが足りない気がした。
そして後日、改めてラムを抱いてみると…その理由が彼の中ではっきりした。(やはりラムのこれが無いと…どーも、すっきり、せん…)と。

また鬼族であるラムにとっても“愛情”をたっぷり注いだ放電は、感情表現以外の意味も持っていた。あたる以外の男に抱かれた事の無いラムには、互いが放電し合ってセックスをしたらどうなるのかは、実際よくわからなかったのだが…あたると肌を密着させている時に彼に与えた“愛情表現”に、あたるの“愛情”が加算されて返されてくると…とにかく、これ以上ないほどの快感と、悦びで満たされていくのを、感じていた。

そんな理由もあってなのだろう。ラムからの“愛情表現”が、いつもふたりを気持ち良く痺れさせ、それが更なる快楽のるつぼへと誘い、めくるめくような時を…共有する事が出来た。

そしてあたるに抱き締められ放電されたラムは。

「ちゃっ…ちゃあぁぁっ…あ、あ…だめぇ…朝から…そんなっ…」

「…お前からのお返しも無いと…面白くなかろーが…」

あたるの背に腕を回したラムは、うっとりした表情で、全身から放電した。

「…こんな、明るいうちから…こんな事、するなんて…ダーリンの、エッチ…ほら、ウチからの…お返し、だっちゃ…あ、あ…」

「…こんなとこ、誰にも見せられ…んっ…な…ラム…」

「…だっちゃ、ダー、リン…」

日曜日の午前中。そんな時間だというのに…ふたりは抱き合って青く白く光りながら、窓の外から見えない部屋の死角で、唇を重ねた。


「…でもやっぱり、明るい時間だし…お母様たちもいるし…さっきのは途中で切り上げて正解だったっちゃ」

「家に誰もおらんかったら、良かっただろうに…」

「ダーリンはすぐに、エッチな事ばっかり考えるんだからっ。…とりあえず、すっきり…させてあげたんだし、夜まで我慢するっちゃ。その間に〜こうして〜普通にデートするっちゃ♪」

先の行為で我慢出来なくなったあたるは、一旦ラムを押し倒しかけたが、それをたしなめたラムは、部屋の死角に座り込んで…はちきれんばかりになっていたあたるのモノを、優しくねぶり…一時的に処理してあげたのだ。

「ね、今日はどこ行くっちゃ?お買い物?それとも映画?あ、たまには遊園地や動物園もいいっちゃね♪どうするっちゃ?ダーリン」

「うーむ…しかしこの季節は、実に…目の保養になるな…。おっ」

「…あっ!ダーリンッ!!」

早速ガールハントのターゲットを見つけたあたるは、ラムがデートの行き先をあれこれ考えている隙に、彼女の傍からひょいっ、と離れて、あっという間に人ごみに紛れてしまった。

「んも〜〜っ!ダーリンの〜〜っ!バカーーーッ!!」

ラムは放電無しで街中(まちなか)でヒステリックに叫ぶと、ふわりと浮いて上空からあたるを探した。

「まったく…相変わらず逃げたり隠れたりするのは上手いんだからっ。昔とちっとも変わってないっちゃ!」

しばらく探してみたものの、ビルが建ち並び人いきれで満たされ、あらゆるものが密集した都会の中でたったひとりを見つけようとするのは、実に骨が折れる事だった。

「…もう、ダーリンのバカ…どこ行ったっちゃ。この暑さじゃずっと探していられないっちゃ。どこかで休んだら、適当なとこで帰ろうかなぁ…」

軽い靴音を響かせて、すとん、と地面に降り立ったラムは、あたるがいないか周囲を一通り見渡してから、近くの喫茶店に入り、軽くお茶をして店を出た。
ウィンドウショッピングでもして帰ろうと思い、ゆっくりした足取りで、商店街のショーウィンドウをチラチラ眺めながら歩いていくラム。

「…やっぱり、きれいだっちゃねぇ…」

ラムが足を止めたのは、たっぷりしたドレープをとった豪華なウエディングドレスの、ショーウィンドウの前だった。

「これ着たら、ダーリン何て言うかなぁ…」

ガラスの中のドレスを見つめながら、ふと、近い将来の事に、思いを馳せるラム。と、そんな彼女の耳に、聞き慣れた声が入ってきた。

「…あれ、ラムさん…ラムさんじゃないですかっ!今日は…おひとり、ですか?」

「ああ、メガネさん、久しぶりだっちゃね。元気だったけ?」

「はっ、はひっ、おっ、お陰様でっ」

久しぶりに出会ったラムがイメージチェンジをしていたのと、以前より大人びて…更に魅力的になっていた事に、メガネは胸の高鳴りと興奮を、禁じ得なかった。

暑さのせいなのか、興奮と緊張のせいなのか、メガネは額や体のあちこちから汗がどどっと噴き出してくるのを覚えた。慌てて肩に引っかけていたカバンからくしゃくしゃのハンカチを取り出すと、必死に噴き出す汗を拭った。

メガネに向けて、昔と変わらぬ笑顔を送るラム。その笑顔も魅力的だったし、それを見てメガネは改めて確信した。(やはりまだ俺は…ラムさんの事を…)と。

「久しぶりに会ったし、どこかでお茶でもするっちゃ?メガネさん」

「えっ!?そっ、それはもうっ!喜んでっ!!」

ラムに誘われるままに、メガネは彼女と一緒に歩き出した。ほんの少しだけ体の距離を置いて、だが。
並んで歩きながら、ラムの横顔や…その下の体のラインに…思わず目が行ってしまう。そして周囲を見てみると。すれ違う度にラムを振り返る、街行く男たちの、視線、視線、視線…。

(ラッ、ラムさんがっ、街行く男どもの視線にさらされているではないかっ、こっ、これは何とかせねばっ)

「ラ、ラムさんっ、こんなに人ばかりいると、あ、暑くないですかっ!?」

「ちょっと暑いけど…大丈夫だっちゃよ。それより…なかなかお茶出来そうな所、無いっちゃね。さっき入ったお店はずっと向こうだし」

きょろきょろしながら、適当な店を探しているラム。すると突然、メガネに手首を掴まれた。

「どうしたっちゃ?メガネさん?」

「とにかくここは危険ですっ!もっと人目の無い所へ行きましょうっ!ラムさんっ!」

「ちょ、ちょっと…危険って、何が?それに人目の無い所って…メガネさんっ!」

周囲の男たちの視線に耐えかね、思い余ったメガネは、ラムの手首を掴んだまま、彼女を引っ張って走り出した。その勢いでふわりと浮き、飛行状態になったラム。まるでいきなりアクセルを踏んだ車のように、メガネは思い切り突っ走った。ブレーキを踏む事も忘れて、ただひたすら、突っ走った。

…行き先など考えず、ただ闇雲に走ったメガネ、人通りの無い細い道に入ると、ようやく走るのを止めた。ぜーぜーと苦しそうに息をし、しばしその場に留まって、呼吸を整えた。噴き出す汗が、地面にポタポタと落ちている。
ようやく落ち着いたメガネは、まだラムの手首を掴んだままだったのに気が付いた。

「あっ…こ、これはっ…すいませんっ、ラムさんっ」

「メガネさんが急に走り出すから、ウチ、びっくりしたっちゃ。それより…ここって…」

「えっ、どうしたんですか?ラムさん」

メガネはただ闇雲に走っていたので、どこに行き着くかという事には、まったく頓着していなかった。そして眉をしかめているラムの表情を怪訝に思ったメガネが、周囲を見回してみると。

「こっ…こ、こ、ここ、はっ…い、いや、ラムさん、俺はそんなつもりじゃっ!天地神明、八百万(やおよろず)の神々に誓ってもっ!そっ、そんなつもりではっ!」

見ればそこは。都会の片隅に密集するように建ち並ぶ…ラヴ・ホテル街…であった。

「メガネさん…何でこんな所に連れて来たっちゃ?ウチ、もう帰るっちゃ」

メガネはラムの手首を離すのも忘れて、ただひたすら焦り、動揺しまくっていた。…が、まだ明るい時間とはいえ、人目も無いし、今すぐラムが怒って帰る様子でもなかったし、それに何より…メガネ自身、大人びたラムの色香に先から当てられっぱなしだったせいで…。

「ラムさんっ!お、俺は、俺は〜〜っ!ラムさんっ!!」

「だからウチ、帰るって…。っちゃ、メガネさんっ!どこに引っ張ってくっちゃ!離すっちゃ!離してっ!」

そこから先は、メガネが無理矢理ホテルの敷地内に引っ張り込もうとするのと、それに引きずられつつも踏ん張るラムの、ちょっとした力比べになった。
が、男の力に超能力抜きで敵うはずなどないラム。ずるずると敷地内に引きずりこまれていく。

「嫌っ!嫌だっちゃ!何するっちゃ、メガネさんっ!…んも〜〜っ!ウチをこんなとこに連れ込もうなんてーっ!…許さないっちゃーーー!!」

ついに怒り頂点に達したラムはメガネに怒鳴りつけると同時に、強烈な電撃を放った。青い空に真っ白い閃光が、空気を切り裂く乾いた破裂音を響かせて、勢い良く昇っていった。そしてラムの足元には…黒コゲになったメガネの無残な姿が、あった。


「まったく、もうっ!ダーリンがガールハントでどっかに雲隠れしたせいだっちゃ!」

黒コゲになったメガネを残して行く事に、何と無く気が引けたラムは、メガネの襟首を掴んで、ずるずると引きずりながら、ホテル街を歩いていた。幸いな事に人気は無かった。
すると、道の向こうに見慣れた姿が。

「あっ、ダーリンッ!」

あたるを見つけた途端、メガネを掴んでいた手を離してその場に置き去りにすると、ラムは彼の元に素早く飛んで行った。すとん、と地面に降り立ち、あたるを睨み付けるラム。

「せっかくデートしにきたのにガールハントなんかしてっ!今までどこで何してたっちゃ!」

「そんな事より、何でこんなとこにおるんじゃっ!日中に地面から雷が昇っていくから、もしや、と思って来てみればっ」

「ウチだって来たくて来たわけじゃないっちゃ!メガネさんが…無理矢理…」

「あの雷を見た限りじゃ…何も無かったんだろ?…ところでメガネは?」

「あそこにいるっちゃ…あっ」

ラムが後ろを振り返ると、ふたりがいる場所の反対方向へ、よろよろした足取りで歩き去っていく、メガネの姿が見えた。

「それにしても…随分派手な電撃だったな…」

「当たり前だっちゃ!どーしてウチがダーリン以外となんかっ!」

「あー、ところで、だ…」

あたるは軽く咳払いをすると、周囲に視線を走らせながら、言った。

「今日のデートはだな…まだこんな時間だが…かる〜く、汗を流す…っちゅーのは、どうだ?」

「もしかして…今朝の、続き…け?…だけどもし、建物とか壊れたら、どーするっちゃ?…あっ、そうだっ」

ラムは衣服の腰から、少し厚みのあるカードのようなものを取り出すと、小さなボタンをピピッ、と押した。

「入り口は…ここから近いっちゃね」

「何じゃ、それは?」

「亜空間の、特定の場所の入り口を探すものだっちゃ。で、これをこうして…」

ラムがまた操作すると小さなレンズが飛び出した。彼女はそこに片目を当てて、何かを探しているようだ。

「亜空間ベクトルWXY…この建物の敷地内だっちゃね…。ダーリン、こっち来るっちゃ」

「今さっき、普通の建物じゃ壊れるとか言っておっただろうが…」

「だから壊れない所に、今から行くっちゃよ。亜空間の…こういう所に」

「そんな場所があるのか?それに何で…そんな事知っとるんじゃ」

そう聞かれたラムは、ちょっとだけ照れながら、こう言った。

「ダーリンのツノのロックが解除される前に行ってみようかなぁ、と思って…放電しても大丈夫な所、探してたっちゃ…。で、ちょうどいい場所があったから…今から行ってみるけ?」

「だからオレは…さっきからそのつもりだったんだが…」

「放電タイプの宇宙人御用達の所…だっちゃ」

「だが…まさか、ラムが見知った顔に会ったりとか…せんだろうな?お前の星のやつらに」

「何変な心配してるっちゃ。見られたら何か困るのけ?」

「いや、オレは困らんが…今オレ、ツノ着けてるだろ?だから、ラムが妙な誤解を…つまり…」

「ツノのせいで、いつものダーリンと違うから…誰かが誤解して、ウチが浮気したと思われるかもしれない…って事?」

「ん、まぁ…そういう事じゃ…」

「ダーリンやっぱり、優しいっちゃ♪…あ、ここが入り口だっちゃ。ダーリン、ウチにしっかりつかまって。途中で落っこちたら大変だっちゃ」

「…おい、大丈夫なのか?」

ラムの背後から前に腕を回し、しっかり抱き着いたあたるは、少々心配気にそう言った。

「…もっときつくつかまっても…いいっちゃよ」

そしてふたりは空間の歪みから、亜空間のトンネルへと入っていった。


「何か…どえらい悪趣味な…建物だな…」

全体がショッキングピンクに彩られ、赤いハートマークがびっしり描かれた、キノコの形をした建物。ショッキングピンクの建物全体が不規則な間隔でネオンのような明滅を繰り返している。赤いハートマークも不規則なリズムで、チカチカとせわしなく点滅していた。

「自家発電してるって…書いてあったっちゃ。ガイドブックに」

「ガイドブック?何恥ずかしいもん持っとるんじゃ…。それにしても…見ておるだけで…ちっと気分悪くなってくるな…これは」

「思ったより小さい建物だっちゃねぇ…とりあえず入ってみるけ?ダーリン」

「ま、そのつもりでここまで来たんじゃ…とりあえずも何も無かろうが」

珍しくあたるの方からラムの手を取ると、ぎゅっ、と握って、ふたりは建物の中へと、入っていった。

「中は案外普通だっちゃね。でもやっぱり、ウチの星の人たちもよく使ってるのかなぁ…」

建物の外観から想像していたよりも広い室内。そして、なぜか部屋の中は…虎縞柄だらけだった。

「ま、部屋の模様なんぞ、どーでも…建物の外に比べたら、大分マシじゃ」

ガラス張りの浴室に…円形のベッド。ピンク色の照明に…部屋のあちこちには、何やら怪しげな小物類。そして壁には薄型のモニターがあった。
そして先に浴室に入ったラムが、あたるに声をかけてきた。

「ね、ダーリン…せっかくだから、一緒にお風呂、入るっちゃ♪ここのお湯、伝導体じゃないみたいだし」

待ってました、とばかりに、浴室に入ってきたあたる。早速…背後からラムを抱き締めて、下方から乳房を持ち上げ、こねるように揉みだした。
同時にラムの女の部分に手を滑らせていき…少しごわつく豊かな繁みを掻き分け、ふっくらした肉の花びらの狭間に、指を挿し入れた。

(パリパリパリパリッ…パチパチパチッ…)

そして早速あたるは…全身から放電しつつ、ラムを攻め始めた。乳房を揉みしだく手指から…陰部をまさぐる指先から…青い光を放って、激しく、攻めるように、ラムを愛撫した。

「あっあっ…あっあっあっ!さ、最初っから…す、すごくっ…か、感じる…っちゃ…あ、あぁっ!ダーリンッ、ダーリンッ!」

声を上げながら、ラムもバチバチと放電を始めた。昨日の夜と同じように、赤い色をした放電。ラムの赤いスパークとあたるの青いスパークが絡み合って網目のように広がり、ふたりを包み込んだ。

やがて、青と赤の放電色が混ざり合って、赤紫…マゼンタカラーになった。

「あ、はぁっ!い、いいっ、っちゃ…す、すごくっ…はぁ、はぁ…ダー、リンッ!」

「…ラムッ…!」

ラムの尻から腰にかけて押し付けられているあたるの一物。そこにラムのカラダから電気が流れ込んでくる。放電によるバイブレーションが、彼の一物全体、特に裏筋周辺を痺れさせた。

「ラムッ…ラムッ…!」

「ああっ!ダーリンッ!!」

無我夢中でラムを感じさせながらも、ぴったり密着した彼女の肌から伝わる体温のあるバイブレーションで、あたるの一物ははちきれんばかりになっていた。

ラムがガラスの壁に手を着き、両足を軽く開いた。開くと同時にラムの肉花弁の狭間…赤い粘膜部分から、赤いスパークが飛び散り、たっぷりの蜜を湛えたラムの“ニンフ”があたるを手招きするように、“ぬちゅ…”という淫靡な音を響かせた。

あたるは、片手でラムの乳房を可愛がりながら、もう片方の手でラムの肉花弁を押し広げ、ガチガチになった一物をぐにゅう…と押し入れた。引き締まっていたラムの蜜腺の入り口…膣口がそれによって広げられ、蜜腺の内側…膣壁を、あたるの一物がゆっくり擦り上げていく。

ガラスの壁にすがりつきながら、あたるの送り込みによがり、悦びの声を上げるラム。

「あっ、はぁっ…!い、いいっ…ダーリン、のっ…す、すごくっ!いいっちゃ…!あはぁっ!あ、あ!あぁっ!」

場所のせいもあるのか、ラムはいつにも増して激しくよがり、激しい声を上げ、益々あたるを興奮させた。

体位が立位もしくは後立位の時、ラムはあたるの突き上げで宙に浮く事がしばしばあった。立ったままラムの背中側から突き上げている今日も、ラムのつま先は床から離れ、それを留めようとするあたるはラムを抱き締める腕に力を入れた。

あたるの突き上げに激しく悶えて頭を反らすラム。行為の時はいつも髪を解き、以前の髪型にする彼女。その豊かな頭髪があたるの顔に当たり、くすぐる。電気を含んだラムの髪でくすぐられたあたるは、そのこそばゆさに耐えかねて、彼女の首筋に軽く食らい付いた。

ピタンピタンピタンッ…成人を過ぎたとはいえ、まだまだ若い肌と肉体を持ったふたり。ラムの尻周辺とあたるの股間周辺が汗と水気と体液とで軽く張り付き、また離れ、それをリズミカルに繰り返す。その度に、若い肉体同士がぶつかる音がする。

ラムのナカを往復し続けるあたる。ラムの膣壁がピリピリした微弱な刺激を送ってくる。あたるもラムに締められしごかれながら、一物から放電する。
あたるが腰を引き、一物がラムのGスポットをかすめた瞬間、そのピリピリした微弱な刺激が、ラムにこの上ない快感をもたらした。

「はっ、あっ、ああっ!…は、う…んっ……!ちゃっ!ちゃあぁぁぁーーーっ!!」

(ビビビビッ…バチバチバチバチッ!バチッ!!)

ラムもあたるもいつも以上に体力を消耗していた。それは、ふたり共に放電しながら、男女の交合を行っていたからだった。
ラムはよがる声を上げ息を弾ませながら壁にすがっていたし、あたるも送り込みながら息を弾ませ時々一瞬だが意識が飛びそうになっていた。
それでもふたりは繋がり続けた。肉が粘液を絡めて擦り合う淫音が…浴室に響く。交合の淫音、ラムの声、あたるのうめき、そのどれもが浴室内に反響し、軽いエコーがかかった状態で、ふたりの耳に入った。

「も…もう…だめぇ…ダ、ダーリン、ので…全部、痺れ、て……!!!ちゃああぁぁぁーーーっ!!!」

あたるは“フェイク”のツノから青い電気を勢い良く放出させた。それと同時にあたるの一物が一気に引き締まり、ツノの青い光の放出と同じ現象を起こした。電気を含んだあたるの熱いものによって、先まで腰砕けだったラムは一声叫ぶと、バチッ!と瞬間的に強めの放電をして、絶頂した。


ふたりは大きな円形ベッドの上に横になっていた。そしてラムは、部屋に用意してあった小さな菓子を摘んでいた。

「ダーリンも食べたらいいのに。滋養強壮、栄養満点、体力回復にはぴったりだっちゃよ。ウチはもう、元気になったっちゃ♪」

「だ〜か〜ら〜!何度も言うとろーがっ!地球人の体質に合わん変なもんばっかり、食わせおって。それなのに、お前はちっとも反省も何もっ!しとらんじゃないかっ!」

「そんなに怒る事ないのにっ。だったら地球人の体質に影響の出ない回復剤が無いか、聞いてみるっちゃ」

「そんなもん、あるのか?こんなとこに」

「一応、そういうとこだし…地球人がここを利用した事もあったって書いてあったし…ああっ!もしかして〜っ!ダーリンけっ!?亜空間のこのホテル利用した地球人、って!?」

「オレはこんなとこ来たの、今日が初めてだぞ?」

「そ、そうけ…それなら、いいけど…。でも、珍しいっちゃね…他にも亜空間に出入りする方法知ってる、地球人がいるなんて」

「しかも亜空間に出入りする方法なんぞ、オレが知っとるわけなかろーが。そんな事より…オレの回復剤は?」

「あ、そうだったっちゃ…ちょっと待ってて。今聞いてみるから」

幸い部屋の冷蔵庫に、地球人向けのものが用意してあった。そして…。広い円形ベッドの上で。ラムとあたるは抱き合ってころころ転がりながら、じゃれ合っていた。

「ああんっ…もう…ダーリンの…エッチ…」

「今日も、爪や牙、立てるのか?…ラム」

「ダーリンが…いっぱい…可愛がってくれたら…ちょっとは、おとなしくなるかも…しれないっちゃよ?」

「いつもくらいじゃ…不満か?」

「ウチはいつだって…すっごく、満足だっちゃ…。ホントは、キスとか…胸だけでも…ダーリンと、してるだけで…時々、イッちゃいそうに…なる事だって、あるっちゃよ…」

「そんなに…いいか?」

「うん、すっごく…いいっちゃ…」

「それじゃ…こうしたら、どうだ?」

(ビビビビッ…パリパリパリパリッ…パチパチッ、バリリッ…バチッ…)

「あっ…はぁ…う、ん…ダァ、リン…大好き…いっぱい…あ…あ、あっ!…あ、はぁっ…」

あたるの下になって電気を送られたラムは、彼にしっかと抱き着き、それをしっかり受け止めた。そして彼の胸の下で悶えの言葉を発すると、とろけそうな表情でゆっくり全身をくねらせ、小さく「う…ん…」と声を漏らした。

今度はラムからあたるに電気を送る。強弱をつけた、赤いスパーク。それが炎のようにあたるに向かって伸びていき、彼の青いスパークと絡み合うと、赤紫…マゼンタカラーに色を変えた。

「いっぱい…好き…ダーリン…」

空気を微かに振るわせて、マゼンタカラーの放電を続けるふたり。ラムは滑らかな肌をあたるに擦り付けて、ピリピリした刺激を全身に吸収する。あたるもラムからのビリビリした刺激を全身で受け止め、同じように吸収する。

ピリピリした刺激のある…キスをする。熱いキスでふたりが感極まると、マゼンタカラーの放電が一気に勢い付いた。

口腔内の上あごや歯茎の裏側、そして舌を絡ませながらお互いにその裏側部分を舐め合う。口腔内の敏感なスポット、そこをふたりは交互に愛撫し合う。
一旦キスを解いて、あたるはラムの耳も舐めてやる。耳の淵をくわえながら、時々耳の裏や穴周辺、入り口を舌先でくすぐり、生温かい息をそっと吹きかけてやる。

「ダーリン…ダーリン…う、ん…くすぐったい…っちゃ…あ、あ…」

「ラム…ラム…」

時々耳元で、ラムの名前を呼びながら、短い言葉をかけてやる。

「ラム…気持ち、いいか?…」

「うん…いっぱい…うんと…いい、っちゃ…あっ…」

あたるはラムをたっぷり濡らすため、いつも丹念に愛撫をしてやる。耳や頬や唇にキスを与えながら、乳首を転がしたり、脇腹から腰に手を滑らせ指先でくすぐったりしてやる。
今日はそれに放電も加わって、ラムのカラダにいつもの愛撫以上の刺激が送られると、彼女の感度のバロメーターである放電が強まった。ラムから送られてくる放電刺激が、あたるのカラダも熱くし、その熱はある一点に集約されていった。
ねっとりした前戯でラムの陰部は十分過ぎるほどに潤い、あたるはラムの匂いやカラダの感触、声や吐息で興奮を高めた。

「…ウチと、ダーリンと…部屋の、中も…全部…濃いピンク色してて…ウチ、何だか…すごく…」

「…すごく?何だ?」

「…ものすごく…エッチな、気分に…なってきてる…っちゃ…」

「…何でも、アリか?」

「…いっぱい、いっぱい…いい子いい子、して…っちゃ…ウチも、ダーリンに…いっぱい、何でも…してあげるっちゃ…」

“フェイク”のツノを着けていると…あたるにも“電気の味”がわかった。再び深いキスをしながら、電気混じりのラムの唾液をたっぷりすすって飲み込む。ラムもまた同じようにあたるの電気混じりの唾液をすすっては…飲み込む。

「…ビリビリして…美味しい、っちゃ…」

まったりした前戯の流れから、ふたりは体位をシックスナインに変えた。ラムがあたるの上になり、彼のいきり立ってはちきれんばかりの一物を、口内に含んだ。

(ちゅぷっ…ちゅぶっ…ちゅうぅぅ…ぬちゅっ…ちゅばっ…)

最初口内で頭から首にかけてを吸引し続けていたラム。気分が高まってくるに従い、ディープスロートなピストンに変化していった。

(…ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ…)

「…んふっ…んっ、んっ、んっ…んんっ」

ラムはくぐもった声をのどの奥から漏らしつつ、ねっとりしたフェラチオを続けた。そして幾度かの往復と口内愛撫の後。“びゅくびゅくっ、びゅるるっ…”電気を含んだあたるの精がラムの口内に勢い良く注がれた。そしてラムはいつものように…それを飲み込んだ。

「…電気の味が…混ざってて…ダーリンの、もっと…欲しいっちゃ…」

一度はくったりしたあたるの一物。そして一方のあたるは。ラムの肉花弁…陰唇をびらりと広げると、指先から弱い電気を放った。

「…う、あ、あ、あぁっ!…ダ…ダー、リンッ…!」

ラムはベッドに手を着いて、堪えるような喘ぎ声を発した。既にたっぷり濡れて光っているラムの赤い粘膜のすぼまりから、どんどん溢れ出す、半透明の体液。
ふるふると震えているラムの尻。つぼんだ膣口もひくついている。そしてあたるはラムの陰部に、頭を少しだけ持ち上げ食らい付くと、彼女の電気混じりの蜜を、すすりだした。
すすりながら、ラムの両ももを掴んで自分側に引き寄せ、再びベッドに頭を着ける。ラムの電気混じりの蜜をすすり、陰核を舌先で転がしてやりながらそこにも軽く電気を送った。

「あ、あ…あ…!あ…う…う、んっ…いっ…いいっ…あ、はぁっ!」

腰を震わせながら、蜜を溢れさせ続けるラム。先と同じように堪えるような、泣きそうな、そんな喘ぎ声を発し続けている。

感極まったラムが放つスパークの赤と、ラムを愛撫し続けるあたるが放つスパークの青。それが絡み合うと、光の加色法でマゼンタカラーになる。そしてマゼンタカラーの放電は、天井に向かって勢い良く飛び散り、弾け、時として炎のようにゆらめいた。

「…いっぱい、痺れ、て…熱い、っちゃ…あ、あ…は…もっと…そこ、がっ…」

あたると共にマゼンタカラーのスパークに包まれ、身悶えし続けるラム。先から長い髪に電気が絡み付いて、彼女の豊かな髪は大きく広がり、天井方向にふわふわと浮き続けていた。
あたるはクンニリングスでラムを攻めるように愛撫し続けた。唇や舌でラムの陰部を愛撫しながら、あたるは彼女の腰や脇腹に手指を滑らせていき、くすぐる程度の軽い放電刺激を与えた。

「ちゃっ…!いっ…やぁ…く、くすぐったい…っちゃ、ダー、リンッ……ちゃぁっ!」

まだオーガズムに達するまでいっていないラムは、腰を切なそうに揺らして、あたるを振り返った。そしてあたるの耳に、ラムの泣きそうな声が、聞こえてきた。

「ダーリン…ダーリン……ダーリン……」

ラムが何を思ってそう言っているのか察しのついたあたるは、むっくり起き上がると、肩で息をしながらラムの腰を掴んだ。

「ダーリン…ダーリン…」

今にも泣き出しそうな、ラムの声。今さっきのラムのフェラチオで一度は抜いたものの、あたるの復活力は早かった。ラムの匂いを吸い込み、彼女の手で優しくも痺れる放電の愛撫をしてもらうと、たちまちのうちに、あたるの一物は先と同じようにしっかりそそり立った。

「すごいっちゃ…ダーリン…」

ふたりは互いの匂いが好きだったので、部屋の空調を入れないままでいた。噴き出す汗、体液、互いのカラダが発する、それぞれの匂い…。
正常位で繋がると、すぐさまラムはあたるに両手、両足を絡めてしがみ付いた。あたるの送り込みで激しく揺さぶられるラム。マゼンタカラーの放電が、送り込みのリズムに合わせて、強くなったり少し弱まったりしている。まるで脈動のように。

10回のうち9回は弱めに放たれ、10回目で強く放出される。それが何度も繰り返される。繰り返しの回数が増えるにつれて、放電の脈動が、先より強く早くなっていく。

「だめぇっ…!そんなにっ、突いたらっ…ウチ、ウチッ!」

「はぁっ、はぁっ…ラムッ…」

…長年こうして男女の営みを続けているふたり。ラムは危険日を含めたその前後数日間は自分の星の薬でずっと避妊していた。あたるを直に感じたかったからだ。あたるは、というと…昔サクラから忠告された“それなりの準備”をするつもりもあるにはあったが、いつも自然な流れでセックスになだれ込むと、ついその事を置き去りにして、ラムのナカで達していた。

確かにラムに何も無い事を不思議に思ってもいたが、それについて改めて聞いてみた事は無かった。もしかしたらラムが宇宙人だから、ずっとふたりで過ごす事になるのじゃないだろうか、とか…それなりの心配、のようなものも…無いわけではなかったのだが。
そして時々、(機会があれば、それとなく聞いてみるかな…どうして妊娠せんのか、とか…)とも、一応思っていたのだが。

だが今現在のところ、ふたりにとってそれは、また別の物語だ…。

交合が激しくなるにつれ、あたるの一物がラムの子宮口付近を何度も突付いた。そこを突く度に、ラムの悲鳴にも似た喘ぎの声が部屋中に響いた。

…超能力を除いて、外見的には地球人とほとんど変わらないラム。ツノや耳の形、髪の色や牙を除けば、後はそれほどの違いは無かった。男女の営みに放電が加わるものの、その他については、あたるはまったくと言っていいほど違和感を感じなかったし、むしろ今では放電が無いと、何と無く物足りない、とまで思うようになっていた。

もちろんそれ以前に…ラムの匂いや声や肌の感触、そして自身の気持ちも含めて…他の女性に対する好意や煩悩以上のものを、感じていたのは、言うまでも無いのだが…。

ラムの交接器官の奥…地球人と同じに配置されている子宮とその入り口。長年のあたるとの営みで、ラムのその部分は最大級のアクメに達するポイントになっていた。
ラムのポルチオ・スポットにあたるの一物が当たる。そして幾度かの刺激を受けた後。

「…ちゃあぁぁぁーーーーーっ!!」

ラムはあたるにしがみ付いたまま、最大級のアクメに達し、全身をびくんびくんっ、と大きく弾けさせた。次いでガクガクガク…と全身を痙攣したように細かく震わせると、あたるの胸の下で、しばし眠るように脱力した。


「…ラム、ラム。大丈夫か?」

「…ん…う、ん……あ、ダーリン…」

「びっくりするだろ、今まであんな風になった事、あんま無かったろ?」

「…あんな風に、って…どんな風にだっちゃ?」

「だから…さっきの最後に、ぐったりした…っていうのは…」

「あ、ああ…何だか、すごかった、から…。いつもより、頭の中が…真っ白になって…。きっとダーリンとウチが両方で放電してたせいだっちゃ、多分…」

「確かに放電しながらだと…いつもより疲れる感じはしたが…」

「ダーリンは大丈夫なのけ?疲れ過ぎてバッタリ倒れたりしないのけ?」

「オレは別に…そこまでにはならんぞ。…何ならまだ大丈夫だが?」

「それにしても…」

ラムはそこまで言いかけると、あたるの耳に顔を寄せて、言った。

「やっぱりふたりで放電すると…ダーリン、すごいっちゃ…1週間でロック解除されるのが…何だかもったいないっちゃ…ふふっ♪」

「そうか…ん…。だが今日は、昨日みたいな特大放電はしなかったな…何でだ?」

「昨日より上手く放電してたから、じゃないかなぁ…きっと。…あっ、そうだっちゃ、今何時だっちゃ?」

ラムはベッドから降りると、時計を探した。が、時計らしきものが無い。そこで、もしかしたら時間がわかるかもしれないと思い、壁に据え付けてあるモニターのスイッチを入れた。

“あ、あ〜ん、だめぇ〜、いやぁ〜”

“だめとか言ってる割には、すっかり濡れてるじゃねーか”

“あんっ、あんっ!だめっ!だめぇーっ!”

モニターに映ったのは…アダルトビデオの一場面であった。

「…な、何だっちゃ、これ…」

「こういう場所には付きもんだろ…そういうのは…」

「…それにしても…すごいっちゃ〜…あ。あんなもの使って…これじゃあムードも何も無いっちゃ…。ね、ダーリ…ンッ…ちゃっ!」

「だからまだ大丈夫だと、言っただろーが。こんなもん観たら、また…ムラムラと…きてしまったではないかっ!」

「ちょっ、ちょっと…ダーリ、ン…待って…待つっちゃ…んもうっ…ダーリンの…バカ…」

…それからしばらく後。

「…やっぱり、疲れてきたな…さすがに…放電しながらだと…」

「…だから、言ったのに…休憩ついでに、シャワー浴びてくるっちゃ。…あ、今度はダーリンはダメだっちゃ!」

「何でじゃ〜」

「疲れた〜とか言って、またお風呂でエッチな事…するつもりなんでしょ?…当たりけ?」

「そんなら…風呂には行かさんっ」

「だってぇ…ダーリンたら…ちっとも…休ませてくれないんだもん…バカッ」

「だったら…ちょっとだけ、休憩するか…」

「ウチだってそれなりに鍛えてるけど…ダーリンのは…底無しだっちゃ。さすがに“宇宙イチの煩悩の持ち主”だけの事はあるっちゃね〜。…あ、そうだっ、忘れてたっちゃ。今何時か見なくちゃ、だっちゃ」

しかしラムがあちこち探してみても、室内にそれらしいものは無かった。

「カレンダーか時計が無いか…ちょっと聞いてみるっちゃ」

そして聞いてみた結果。

「大変だっちゃ!今、ウチとダーリンがここに来てから…半年くらい前に時間が戻ってるっちゃ!地球時間で!」

「何で?どーしてじゃ?」

「理由はよくわからないけどっ、とにかくすぐに帰るっちゃ、ダーリン!」

「…未来に時間が進んでたんならともかく、過去に戻ってるくらい、どーって事ないだろ?また半年経てばいいだけだろーが?」

「何のんきな事言ってるっちゃ!同じ時間にウチとダーリンがもうひとりずついるっちゃよ?どーゆー事かわかってるのけ?」

「替え玉になって便利だろ?オレの代わりに会社行ってもらうとか…」

「とにかく今すぐ帰るっちゃ!そして帰ったらすぐ元の時間まで戻るっちゃ!」

そしてぶつくさ言っているあたるを尻目に身支度を済ませたラム。あたるにも早く帰る支度をするよう促し、ふたりは部屋から出ようとした。出る時になって、改めて室内を見てみると。

「あれ?部屋が変わってるっちゃ。来た時は虎縞柄ばっかりだったのに。床とかベッドとか…。時間が戻ったせいなのかなぁ…」

ラムだけが怪訝そうにそう言った。あたるは室内の色柄が来た時と違っていようが、全くと言っていいほど、気にしていない様子だった。
そして亜空間から元の世界に帰ると、ラムはタイムマシンを使って、半年後の近未来、ちょうど亜空間に入ったのと同じ日時と場所に戻った。

「…あ、ちょっとだけ、ずれたっちゃ…」

都会の隅のラヴ・ホテル街に戻ってきたふたりは、亜空間の入り口だった場所から少し離れた所に立っていた。

「お。お前の特大雷じゃ。今ちょうどメガネが焦がされとるところだな」

「あ、ダーリン。ウチがメガネさん引っ張って歩いてるっちゃ。…で、ダーリンが向こうから…来たっちゃ」

「で、ラムが亜空間の入り口を探して…」

「あ、ちょうど今、亜空間に入ってったとこだっちゃ。…ふぅ〜、これで元通りだっちゃ〜。同じ時空間に同じ人間がいたら、大変な事になるっちゃ。ダーリンは知らないのけ?」

「そんなコムズカシイ事を説明されても、オレにはさっぱりじゃ」

「そうけ…それより慌てて向こう出てきたから…ちょっとベタベタ…してるっちゃ。ダーリン、今からUFOで…」

「さっきの続きか?」

「違うっちゃ!UFOでシャワー浴びるかどうかを聞こうとしただけだっちゃ!…ホントに…スケベなんだからっ、ダーリンはっ」

そしてラムはあたるを抱えてUFOへ。ラムは散々あたるに「シャワー浴びに来ただけなんだからっ」と何度も念押しし、「もし我慢出来ないんなら〜昨日言ったみたいに、当分寝るのは別々だっちゃ!」と、あたるにとっての“トドメのひと言”で釘を刺すと、交替でシャワーを浴びた。

そして後日。ラムはひとりUFO内で、例のガイドブックをめくっていた。

「あそこの場所だと、こっちの時間とずれが出るから…どっか他にいい場所無いかな〜…あっ」

ラムは例のホテルのページを見て、驚いた。

【某惑星のセレブなお嬢様と、太陽系・地球人のカップルも当ホテルを御愛用】

「な、何だっちゃ、これ…。前見た時と、書いてある事が…ちょっと違ってるっちゃ…」

そしてその続き。

【長期間の御滞在を記念した、虎縞柄仕様の特別室も御用意しております】

「ちょ、長期間…って…それ記念して、だからあの部屋…あんな風になってたんだっちゃ…はぁ〜…」

どうやら時間が、地球では半年ほど遡っていたが、あちらの方では半年間滞在した事になっていたらしい。
ホテルを出る際に、慌てていたラムは「ツケでお願いするっちゃ!」と言ってしまい、手続き簡単な“ツケ払い認証”を行ってしまった。そして何をどう間違えてこうなったのかは不明だが、身元が割れるような結果になってしまった。
その後“ツケ払い代行会社”からラム宛に多大な請求が届き…渋々彼女は“電気エネルギー”で支払いを済ませたのだった。

「それにしても…プライバシーも何も無いっちゃ…まったくもうっ…」

そしてその日の夜、ラムのUFO内にて。

「まったくプライバシーも何も無いっちゃ!こんな本にこんな事書かれるなんてっ!」

「別にいいだろ、そんなに気にせんでも。ちゃんと“某惑星”と書いてあるんだし、万が一ラムだとわかっても、相手が地球人だろ?問題無かろーが。それとも何かあったのか?」

「別に何も無いけど…すっごく恥ずかしいっちゃ…あんなとこ、選ぶんじゃなかったっちゃ。ふぅ〜…」

「しかし、セレブ…ねぇ。ま、ラムの親父さんは星の大将やってるわけだしな。一応そーゆー事になるんかな」

「もうそんな話はどーでもいいっちゃ。結局ダーリンの“フェイクのツノ”は3日目で壊れちゃったし。それにしても案外脆かったっちゃねぇ。…あ、もしかしたら、あの亜空間で時間が変になってたから…それで地球での耐用期間が、短くなってたのかもしれないっちゃ。ね、ダーリン。また、あのツノ、着けてみるけ?すぐに取り寄せ出来るけど」

「うーむ…あの感じも捨てがたい事は捨てがたいのだが…ちょっと…」

「何か都合の悪い事でもあるっちゃ?別に体質に影響あったわけじゃないのに」

「だからこう…いつでもどこでも…っちゅーわけに、いかんだろ?電撃が強過ぎるとまたオレの家がぶっ壊れるかもしれんし。かと言ってラムのUFOが持ち堪えられるかどーかも、わからんし。…それとももしかしてここなら大丈夫なのか?」

「うーん、ちょっと…ウチにもよくわからんちゃ…。あんまりしょっちゅう、って事になると…。かと言って〜亜空間や他の星のああいうホテル見つけても…またおかしな事になったら嫌だし…。もちろんウチの星にわざわざ行って…っていうのも、ちょっと…」

「そんなに放電にこだわらんでも、いいだろ。それともいつも通りのオレじゃ、不満か?…例えば、普段通りにこーんな事したり…」

(ちゅぱっ…)

「…ううん、ちっとも。いつも通りのダーリンで、ホントは十分…だっちゃ…。でも、たまには、ああいうのも…また…」

「…ま、たまには、な…。たま〜にああいうもんで、ラムが思いっ切り…っちゅーのも…オレとしては…たまらんのだが」

「ウチもダーリンから、電気でたくさんビリビリしてもらえないと…ちょっとだけ、つまらないっちゃ」

「電気じゃなくても…ほれ、ちっとは、ビリビリ…するだろ?」

「ちゃっ…そんな、とこ、そんなに、したらっ…あん…だめぇ…もう…ビリビリ…して、きたっちゃ…くすぐったくて…ビリビリ、してる…っちゃ…」

そうしてふたりは、ベッドの上で、猫のようにじゃれ合い…濃密なスキンシップと愛撫による前戯の後…深く交わった。
青と赤の2色が混合したマゼンタカラーの激しい放電でなくとも…薄青白いラムの放電だけでも、ふたりには十分だった。そして目の錯覚か、ラムの放電色が今でも時々、赤紫…マゼンタカラーのように見える事が、あった。

照明を消すと、コンソールパネル上のボタンやスイッチが白、青、緑などに点灯するのみで、後はほの暗い闇に包まれた。UFOの中で、薄青白く輝きながら交わるふたり。慈しむように優しく、時々、燃えるように激しく。

…もつれ合うように互いに快感を与え合い、求め合う、ラムとあたる。その室内、ベッド脇のサイドテーブルには、ラムがたまたま飾った乳白色の花が、夜の空気に強めの芳香を放っていた。

真夏の夜に香る「月下香」、花言葉は「危険な快楽」…。

--- E N D ---

あとがき


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