例えばこんな日々12 〜世界にひとつだけの…〜

ACT.1 | ACT.2 | ACT.3


<<ACT.1>>

“何してるっちゃ、ダーリン”

“いや、なんも…”

“昼間っからゴロゴロしてばっかり。せっかくお天気いいんだし”

“オレは仕事で…疲れてるんじゃ…”

“少しは体動かさないと。デートしに行くっちゃ♪”

“面倒だと、言っとろーが…”

“ね、ダーリン…”

“まだ、何か、あるのか…?”

“ウチ、ね…出来たみたい…だっちゃ…”

“…へ…?…何、が…?”

“ダーリンと…ウチの…赤ちゃん…だっちゃ…ちゃっ♪”

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「……出来た…の、か…ラ、ム……何っ!?出来たっ!?」

小春日和の休日、あたるは部屋で居眠りをしていた。今見ていたのは、夢だったのだ。真っ白い何も無い空間でゴロゴロしていたあたるに、笑顔のラムが、そう告げた夢だった。

「…夢、だったんか…それにしても…随分はっきりとした、夢だったな…まさか、正夢…いや、まさか、な…。は、はははっ…」

まだぼんやりした頭で、今見たばかりの夢を反芻してみる。真っ白な背景に浮かんでいたラムは、本当に幸せそうに笑っていた。

「そういやラムのやつ…どこ行っとるんじゃ…。そろそろ買い物、行く時間じゃないのか…?」

この物語は…メガネのせいで怒ったラムが、特大電撃でアパートを半壊させる前の、出来事である。(*1)

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「ダーリン、ただ今〜♪」

あたるがキッチンの冷蔵庫を覗いて、小腹に入れるものを探している時、玄関からラムの声がした。昔からラムは地面や床から浮いて移動するので、足音を立てる事はほとんど無かった。そしてあたるが声のした方を見ると、いつも通りの浮いた状態で、キッチンの出入り口からラムが入ってきた。

「冷蔵庫を覗いても、何も入っとらんではないか。その辺探しても、食いモンが何も無いぞ?」

「ちょっとお腹空いたから…ウチが昨日、全部食べたっちゃ。今日買い物行くからいいかな〜と思って」

「全部?もうちっと何かあっただろ?オレが食うからと、いつも何かしら買い置きしとったじゃないか」

「でもウチだってお腹空いてたんだもんっ。だったら今日はいつもより多めに買ってきたらいいっちゃ」

「…それにしても、珍しいな…」

「何が?」

「いや…お前が地球の食べモンを馬みたいにかきこんで、しかも案外よく食うのは、知っとったが…」

「馬みたい、とか、案外、っていうのは余計だっちゃよ。ウチだってお腹くらい空くっちゃ」

「しかも食う割には、ちっとも体型変わらんしな」

「ダーリンだって食べてる割には…だっちゃ」

「ラムやジャリテン用の、缶詰…は、最近見んな、そういえば。…食いモンの好みでも、変わったのか?」

「一応、流しの上の吊り棚に入れてあるけど…最近、あんまり欲しくないんだっちゃ。地球の食べ物の方が、味はしないけど食べやすいっちゃ」

「…体調でも、悪いのか…?」

「ううん、ちっとも。前よりお腹空くくらいで、後はいつも通り元気だっちゃよ?もしかしてウチの事、心配してくれてるのけ?」

「いや…元気なら、別にいいんだが…」

あたるは先の夢を思い出して(まさか…もしや…)などと思って、そう聞いてみたのだ。だが、当のラムは食欲旺盛なのと、食の好みが少し変わったらしいくらいで、顔色もいつも通りだ。特に具合が悪そうにも見えない。

(秋だから…食欲旺盛になっとるだけなのか?…他は特に変わったところも無いようだしな…)

あたるがそう思っていた矢先。ラムが突然口元に手をやり、キッチンのイスにストンと腰を下ろして、小さく呻いた。

「…あ…」

「どした?」

「…何か急に…気分悪くなって…」

ラムの急変に、あたるの頭にある予感がよぎり、戸惑った様子で彼女に言葉をかけた。

「横になった方がいいんじゃないのか?」

「でも買い物行かないと…う…」

「おい、ちょっと…ホントに大丈夫か?」

「ごめんちゃ、ダーリン。ウチちょっとだけ…休むっちゃ…」

そして珍しく顔色の悪くなったラムは、フラフラと歩いて寝室に入ると、簡単に布団を敷いてコロリと横になり、間も無く眠ってしまった。その一部始終を見ていたあたるは。

「…いや、まさか…もしかして…?」

今までにないラムの様子と先の夢で、妙な胸騒ぎを覚えていた。そして結局ラムが起きてきたのは、外が暗くなってからだった。見れば顔色も口調もいつものラムに戻っており、あたるはとりあえず安心したのだが。

「ごめんちゃ、ダーリン。今から何か用意するっちゃ」

「いや、いい。外で適当に食ってきたから」

「それじゃコンビニで、ダーリンの食べるもの何か買ってくるっちゃ」

「お前は…いいのか?何も食わんでも。…ほれ、そこに…。それにさっき適当に買ってきたから、いいぞ…何もせんでも」

あたるは黙って顎を振り、コンロを見ろ、とでも言いたそうな素振りを見せた。そしてラムがその方を見てみると、コンロに土鍋がかかっていた。彼女がその蓋を開けてみると、中にはたっぷりのお粥が入っていた。

それを見たラムは意外そうな顔をして、あたるを振り返った。

「ダーリン、これ…」

「高校ん時に色々やっただろ。キャンプとか闇鍋とか。ラムは味覚音痴だからな。ま、それなりには食えるだろ」

それを聞いたラムは嬉しそうにニッコリ笑った。

「ちょーどお腹ペコペコだったっちゃ。でもこれじゃ味が無いから…」

そう言うとラムは冷蔵庫から大瓶のタバスコを出してきて、お粥にかけようとした。するとそこへ、慌てた様子のあたるが割って入ってきた。

「いくらラムが平気だからってなぁっ!…ちっとは体の心配くらい…」

「何慌ててるっちゃ、ダーリン」

またしても意外なあたるの行動に、目をぱちくりさせるラム。そして彼が言うには。

「明日にでも医者行ってこいっ」

「もう大丈夫だっちゃよ」

「いいから行ってこい、って」

「何だかヤケにウチの体の心配するっちゃね〜何かやましい事でもあるのけ?」

「んなもんあるかっ!いいからたまにはオレの言う事くらい素直に聞かんかいっ!」

さっきからの、いつもと違うあたるの様子に、ラムはきょとんとした。そして彼の顔を覗き込むとその額に手を当てた。

「熱は無いみたいだっちゃ」

「オレは健康そのものじゃっ!」

「だって、こーんなにウチの心配してくれるダーリンなんて、絶対どこか変だっちゃ。頭でも打ったのけ?」

「オレは冷血漢かっ、人非人かっ、ヒトデナシかっ!?…ラムの心配したら、そんなに変か?」

「全然っ♪いっつもそうなら、ウチすっごく嬉しいっちゃ♪これから毎日具合悪くしていようかな〜♪」

そしてラムは、ドンブリ3杯ほどもあったお粥をペロリと平らげた。

「いくらお粥とはいえ…よく食えるな…」

「お腹もいっぱいになったし、ウチ先に寝るっちゃ」

「ホントに明日、医者行っとけよ?」

「うんっ♪」

布団に入ってからもあたるはしきりと「必ず行けよ、絶対だからなっ」と、ラムがうんざりするくらいに同じ言葉を繰り返した。

そして翌日の夜。

「やっぱり地球の病院じゃちょっと不便だから、2、3日留守にするっちゃ」

そんな理由でラムは母星の医者に行く事にした。

「ウチがいない間に…もし浮気なんかしたら〜っ!!」

「そういう事は帰ったら聞いてやるから。そんなに心配だったら、こっちで診てもらえばいいだろーが?」

「やっぱり…らしくないっちゃ。変なものでも拾い食いしたんじゃないのけ?」

「そんな事するかっ!」

そんなやり取りの翌日、ラムは久々に実家のある鬼星に帰った。


鬼星の最新の技術と設備が揃った大きな病院で、診察を済ませたラムだったが…。

「…どーゆー事だっちゃ…」

「ラム様のおめでたやと、すっかりそう思いましたんですけどな」

「…違うのけ?…」

「確かに妊娠の兆候はありましたんや。せやけど肝心のお子が…おりませんのや」

「だけどウチ…確かに…」

「体にはちっとも悪いとこあらしまへんから…直に出来ますよって」

星の女医は、白衣のポケットに手を突っ込むと、中から銀色に光る小石ほどの大きさの物を取り出して、ラムの手に握らせた。
スレンダーできりっとした美人、サバサバした話し方や雰囲気の如何にも優秀そうなその女医は、期待が外れてガッカリしているラムに、今手渡した物についての話を始めた。

「それ、私が地球に行った時、買うてきたもんですわ。笛吹いてるような人の絵が彫ってありますやろ?」

「ペンダント、みたいだっちゃね、これ」

「幸運や子宝に恵まれる、っちゅーシンボルらしいですわ。ココペリ…とか言いましてな。今のラム様にちょうどええかと思て、差し上げよ思てましたんや。ところでそれ、何持っとると思います?」

「笛…とかじゃないのけ?」

「はははっ、いや私もそうやとばっか思っとったんですわ。ところがっ。何でも男のアレ、くわえとる姿らしいでっせ。地球の事はようわからしまへんから、ホンマかどうかあやしいもんですけどな、さすがは子宝のお守りだけの事はありますな、あははははっ」

「で、これを、ウチに?」

「ま、そないなシンボルいうだけのもんですけどな。それと、ラム様が地球に戻られる時の守りになるよう、ちょいと細工してますよって」

「…色々ありがとだっちゃ…これ、大事にするっちゃ」

そして病院を後にしたラムは、久々に実家に戻った。母親に事の次第を報告すると、自分にも昔、似たような事があった、と母親が言った。

話しを聞いてみると。子供を産むのに適した年齢になると、滋養を蓄えるため、やたらと食べる時期があったのだという。しかし最初のうちは急に大量に食べだしたものだから、その反動で気分が悪くなった事もあったらしい。

「それじゃあ、ウチの、妊娠の兆候っていうのは、どういう事だっちゃ?」

「地球人と違うて、私らには超能力があるやろ?ほんの少しやけど念動力やテレパシーの能力もあるさかい、ラムの場合はもしかしたら身近に妊娠した人がおったのと違うやろか?それとも早いとこ婿殿との子供が欲しい思て、想像妊娠した、ゆうのも考えられますわな。ホンマのところは私にもようわからしまへんけどな」

「そういう人はいないと思うけど…。でも、やっぱり…ウチ、ガッカリだっちゃ…」

「そんなに焦らんでも、時期が来れば自然とそうなるよって。ラム、あんまり余計な事で婿殿心配さしたら、アカンで」

「そう…だっちゃね…うん、わかったっちゃ、母ちゃん。それじゃあウチ、そろそろ帰るっちゃ。父ちゃんには会えなかったけど、また近いうちに遊びに来るっちゃ」

そしてあの女医からもらった銀のペンダントヘッドに鎖を通して首にかけ、ラムは星を後にした。


あたるにはどう報告すればいいのか、ラムは正直悩んでいた。が、考えていても仕方が無いと思い直し、UFOの進路を地球に合わせて自動運転に切り替えた。そして気分的な疲れが出たのだろう、カプセルベッドに横になるとラムはすぐさま静かな寝息を立てて眠ってしまった。

突然のUFO内の警報音で目を覚ましたラム。その音に慌てて飛び起きると、コンソールパネル上のモニターに目をやった。見れば【緊急退避レベル特A】とあるではないか。
ちょうど地球の成層圏に入り始めた時だった。機内に次第に熱がこもりだした。

「外壁に何かあったんだっちゃ!」

動揺する彼女に追い討ちをかけるように、機内の真っ赤なエマージェンシーランプが忙(せわ)しない明滅を繰り返している。

「早く脱出用のカプセルで逃げないと!」

そう思って急ぎ脱出シュートに飛んで行ったのだが…UFOの機体が大きく揺れて、ラムは内壁に全身を思い切り打ち付けてしまい、床にパタリと倒れてしまった。
頭まで打ったせいで、思うように身動きがとれない。機内の温度は上がっていく一方だ。熱気で朦朧としていく意識の中で、彼女は「…ダーリン…」と呟くと…そのまま動かなくなってしまった…。

地球は昼過ぎののどかな時間帯だったが、その頃あたるは会社で相変わらずロクに仕事もせず、ぼんやり過ごしていた。すると窓の外を見ていた会社の連中が、空を見て何か言っているのが聞こえてきた。

「おい空見てみろよ、あれ…」

「ありゃ何だ?流れ星…いや、人工衛星かロケットの尻でも落ちて来てんのかね?」

それを聞いたあたるは血相を変えて会社の外に飛び出した。彼にはそれがラムのUFOだとすぐにわかったのだ。青い空を見ると、白煙を噴きながら、ラムのUFOらしき物体が落下していくのが見えた。

「ラムッ!!」

落ちていく方向を見ると、どうやら面堂邸の広い敷地がある辺りらしい。とにかくあたるは、UFOが落ちていったであろう場所に向かって、一目散に駆けていった。

息を切らして駆けつけてみると、面堂が黒メガネたちに指示を出している最中だった。煙を吐いて地面にめり込んだUFOから、銀色に光る丸い何かが運び出されてきた。それは外気に触れて少し経つと、空気に融けるように消えていった。その中から現れたのは…。

膝を抱えて体を丸めているラムの姿だった。見れば目を閉じたままだ。気を失っているだけなのか…あたるはそれを見ると、身動きが取れなくなった。
が、面堂はこのような状況でも…いや、このような状況だからこそ、部下たちにテキパキと指示を出していた。

「ゆっくり静かに、屋敷に運びこめ。十分気を付けろ。くれぐれも粗相の無いように。わかったな」

面堂の言葉にはっとなったあたるは、忙しく指示を出し続ける面堂の声を遮って…大声で叫んだ。

「ラムに触るなーーっ!!」

黒いスーツ姿の男たちを押しのけて、あたるはラムに駆け寄り、恐る恐る手を出した。そして彼女の顔に顔を近付けてみると…静かな呼吸音が聞こえてきた。それを聞いて、今までの緊張が一気に解(ほぐ)れたあたるだったが。

「ラム、ラム?…しっかりしろよ、おい…ラム…」

今にも泣きそうな声で、ラムを呼ぶあたる。しかしラムがその場で目を覚ます事は…無かった。

…彼女が目を覚ましたのは、見慣れたアパートの寝室だった。布団の中から天井を見上げて、ラムはしばらくぼんやりしていた。
すると寝室の向こう側から、あたるの声が聞こえてきた。そして壁越しにちょっとだけ顔を出してきた。まるで何事も無かったように、いつもの調子で。

「何だ起きてたのか。腹減ったんじゃないか?何か食うか?」

その声を聞いたラムは…頭からすっぽり掛け布団を被った。あたるが近付いてみると…声を抑えてはいるが、ラムの小さな泣き声が、布団の中から聞こえてきた。

「…どうした?…」

あたるはラムが潜っている布団の脇に静かに腰を下ろした。すると、掛け布団の下から小さな声が聞こえてきた。

「…ぐすっ…ダーリン…」

「…何だ?」

「…ウチ…違ってたっちゃ…」

「…ん…そっか…」

「…ダーリン…」

「…ゆっくり休んどれ。寝たら少しはスッキリするぞ」

「…ダーリン…」

ラムは掛け布団から顔を出すと、涙で赤くなった目で、あたるをじっと見た。

「気にするなって…その気になれば、チャンスなんぞ…」

あたるがそこまで言ったところで、ラムはあたるに抱き着いた。そして彼女の中の何かが堰を切ったように、ラムは大きな声を上げて泣いた。もう、出る涙なんぞ無いのじゃないか…というくらいに、泣き続けた。


「何か食わんと元気出んぞ?」

夜になってもラムは布団の中でぼんやりしていた。期待が外れたのと事故のショックが余程堪えたのだろう、あたるの呼びかけにも気の抜けたような声で「うん…」とか「…え?」などと一応返事はするものの、聞いているのかいないのかわからない様子のままだった。

眠る時間になって、パジャマに着替えラムの隣に入ったあたる。ラムは反対側に顔を向けたままだ。

「疲れてんだろ?早く寝た方がいいぞ?」

「…ん…」

「…腹減って眠れないんじゃないのか?」

「…ん…」

「何か持ってきてやるから…」

「ダーリン…ウチ…」

「カップラーメンでもいいか?」

「ダーリン…抱いて…」

「…え…」

「ウチの事、いっぱい…」

「しかし…」

ラムの言葉に思わず戸惑うあたる。そしてラムはゆっくり起きあがると、自ら寝巻きを脱いだ。

「ダーリンのが…いっぱい、欲しいっちゃ…」

「だけどな、ラム…」

「ダーリンの…種を…ウチのナカに、いっぱい…ちょうだい…」

ラムはそこまで言うと、心配顔で体を起こしたあたるに、むしゃぶりつくように唇を押し付けた。キスをしながらあたるの寝巻き上のボタンを外していく。気持ちでは戸惑いながらも、あたるの物は次第に頭を持ち上げてきていた。まだ寝巻きの下を履いたままの彼のそこに…ラムの手が、するりと入ってきた。

指先で彼の物を優しく、しかし時に絞るようにしてしごくラム。根元と先端までを緩急のリズムをつけて、彼女の指が、手のひらが、あたるの欲情を引き出していく。先走りの体液がラムの手のひらを濡らし、彼の逸物表面をにゅるにゅると滑っていく。

「ラ…ラム…」

頭の中ではラムの様子に戸惑いつつも、あたるのカラダの我慢はもう限界だった。

「いっぱい我慢したら…いっぱい出るっちゃよ…ウチのナカに入れる、ダーリンの、種が…」

「お、おい…ラム…」

ラムの手の動きが一時速くなった。ちょうどあたるの逸物が速い刺激を欲していた時だった。が、後もう数回で暴発しそうな段になって、ラムの手の動きがぴたりと止まった。

「もうこのくらいで…。後は、ウチのナカで、いくらでも…何回でも…いいっちゃよ…」

あたるは息を荒げながらラムの陰の部分に手を挿し込んでみた。するとそこはいつものように、襞の隙間や溝を濡らす、愛液の溜まり場が、あった。
あたるの赤黒く脈打つ矛先が、ラムの緑色を含んだ黒っぽい繁みと赤い襞(ひだ)を掻き分ける。ぬるりとした淫水を潤滑剤にして、ラムの蕾に逸物の先端を宛がうあたる。

(チチチチ…ジジジッ…)

ラムの愛液は既に電気を含んでおり、あたるの先端がそこに触れたと同時に、線香花火がくすぶって小さく弾けるような、微かな接触音を立てた。
接点からチリチリとした感覚が逸物先端からサオまで伝わると、あたるは今にもイキそうになった。

「…ラ…」

「…まだ、ダメ…ウチの、ナカで…イッて…ダーリン…」

ラムの濡れた襞が、あたる自身にねっとりまとわり付いてくる。そして…彼女の蕾を、逸物で押し広げる。ずるり…と、剥けてしまいそうなほど、今夜のラムのヴァギナは、入り口部分からいつも以上に絞まっていて熱い。ラムの赤い襞の下の蕾が、ぐちゅり…と濃い蜜の音を立てる。

本当に、ラムの入り口はいつに無く熱い。熱電撃の微放電が、彼女の陰の部分を、火が着いたように熱くしていたのだ。そして、ラムのナカへ、ナカへと…あたるが入っていくと、ぬめる肉壁を通して、ラムのナカに硬いものを感じる。膣壁の途中の骨を感じる部分をかすめると…ラムのナカの軟体生物が、逸物の表面を覆い尽くしていく。

「…う…ラ…ラ、ム、ぅ…」

ラムによって熱されたあたるが、彼女の奥にその熱を伝えた。こつこつとしたラムのくちばしが、あたるの先に軽くぶつかる。

「熱くて…熱く、て…いっぱい…ダーリンで…いっぱい…だっちゃ…」

ラムの熱く柔らかな部分があたるを呑み込み、ともすれば吸い込んでしまいそうなほどに…強く熱く、彼を捕らえて離さない。…蜜壺を掻き回すような交合の音を…寝室に響かせ続ける、あたるとラム。

ラムが激しく腰を振りながら、あたるを引き絞る。ラムは…半ば狂ったように、あたるの突きでカラダを踊らせていた。そして…あたるの突きが、ラムを踊らせていた。
ラムは…たっぷりの淫水を零し、激しくのたうち回るように反り返り、あたるを思い切り締め付けて、彼の逸物から彼女の望むものを噴き出させると…ラムもまた、子宮口付近の性感帯を幾度も突かれた事で…。

「ダーリンッ!!」

短くひと声叫ぶと、アクメに達したようだ。ひくひくと痙攣を起こして…ラムはしばし目を閉じ、ぐったりした。
ずるっ…あたるがラムのナカから、逸物を引き抜いた。するとラムのカラダが一瞬びくっ、と動いた。あたるは今夜のラムの“熱”で噴き出した汗をぽたぽたと落とし、黙ってラムを見つめていた。

少しして、ラムが薄っすら目を開けた。彼女は何か言いたそうに唇を開きかけたが、また閉じると、黙ってカラダを起こした。あたるを前にして、少しうつむき加減のラム。無言のままの時間が流れていく。

「大丈夫だって…心配すんなって…な…?」

先に口を開いたあたる。その言葉を聞いたラムは、あたるにゆっくり抱き着いた。そして彼の体温を感じながら、小さな声で、泣き出した。

「…ダーリンと、ウチの…赤ちゃん…ウチのナカに…いなかった…っちゃ…」

「…あのな、ラム…」

「…ぐすっ…なぁに?…」

「そのうちジャリテンみたいなのが…たくさん出来たらどうするんだ?…毎日、昔みたいな感じだぞ?」

「…ダーリンは…ガッカリしてないのけ?」

「ラムに似た女の子ならいいけどな…いや、まぁ、どっちでも…。まぁそのうち、いくらでも、どうにかなるだろ?」

「…ウチがこんなに…ガッカリしてるのに…ダーリンのバカ…」

ラムの体温と柔らかなカラダを実感しながら、あたるは続けて、こう言った。

「でもな…UFOが落ちてきた時の方が、ずっと…」

「…ウチのUFOが、落ちた時?」

「ちゃんとUFOくらい…点検しとけ…ラムの、アホ…」

「…すぐにウチの事、アホアホ、って…」

「…赤ん坊は、これからだけどな…ラムは…ひとりしか…いないだろ?」

「…うん…。ダーリンも、ひとりだけ、だっちゃ…」

そして、ようやく穏やかな雰囲気になった、ふたり。その後は…互いに慈しみ合いながらの夜が…過ぎていった。


<<ACT.2>>

そして次の休みの日。秋晴れとはいえ、風が少しばかり冷たく感じるその日、あたるとラムはデートに出かけた。

先日の出来事や事故にもかかわらず、ラムは間も無くいつも通りの元気を取り戻していた。しかし、ラムから“出来ていなかった”と聞いたにもかかわらず、あたるは今だに何と無く落ち着かない気分だった。

「たまにはちょっとだけぜいたくして、外で晩御飯も食べよっ♪ダーリン」

「お前は相変わらず…丈夫だな。昔っから雪の中でも、ビキニ一丁で平気だったしな。しかしいつものあの格好じゃ…見てるこっちが寒くなるわっ」

「ウチがビキニだった頃は、こんな風にしてくれた事無かったのに。やっぱりダーリン、変だっちゃ」

あたるは出かける間際になって、「見てる方が寒くなるわっ」と言い出し、ノースリーブの虎縞柄ドレスのラムに薄手のニットのカーディガンを投げて寄越した。ラムは先日からのあたるの“意外な”態度に少し驚きつつも、素直に喜び、それを羽織って外に出たのだった。

「そういやあの後、UFOはどしたんだ?」

「近いうちに父ちゃんが取りに来てくれるから、それまで終太郎の所に置いとかしてもらってるっちゃ」

「しかし…よく無事だったな。あの銀色の球のお陰か?」

「星の女医がウチにくれたペンダントが、バリアになってくれたとこまでは何と無く憶えてたけど…後はさっぱり」

「…女医さんが診てくれたのか?…で、もしかして…美人かっ!?」

「デートに来て、何だっちゃっ!その態度はっ!」

「…美人かどーか聞いたくらいで、イチイチ怒るな、っちゅーんじゃ…そんな事じゃ…」

「ダーリンだってウチが怒る事わかってるくせに。で、そんな事じゃ…どうだって言うっちゃ?」

「いや、何でも…」

「ダーリンのそれは、きっと一生治らないっちゃ。でもウチのかんしゃくが嫌だったら…少しは治す努力くらいしてくれたっていいのにっ」

ラムの言う事を聞いているのかいないのか、あたるは軽く咳払いすると、しばらくの間黙って歩いた。歩き続けて、やがてにぎやかな街へ出た。

デートとは言っても、昔も今も、何ら変わり無い。ふたり並んで街をブラブラしたり、お茶を飲んだりするくらいだ。あたるは相変わらずで、自分からラムの手を取ったり、人目もはばからず「はははっ、こいつぅ」などと…マンガのカップルのような真似をする事も一切無い。

一方のラムは、あたるに引っ付いていたいのと、街中でガールハントを始めないようにするため、彼の腕にしっかりしがみ付いていた。

「そんなにびったしくっつくな、っちゅーんじゃっ。暑くなってくるわっ」

「またガールハント始めたら嫌だもん。そろそろどこかでお茶するっちゃ、ダーリン」

そう言いながら、ラムはわざとなのか、あたるの二の腕に胸を押し付けてくる。

「だからそんなにくっつくなと言うてるだろーがっ!」

「もしかしてダーリン…」

ラムの方は人目をはばかる事も無く、歩道の途中であたるに顔を寄せると、こそっと囁いた。

「ウチの胸で…ムラムラしてきたのけ?…くすっ」

「お、お…お前なーっ!わざとかっ!わざとそーやって…」

「ガールハント防止には、これが一番、だっちゃ。…夕べの事とか、思い出してきたでしょ?」

「…うっ…。いや…そんな事より…」

そしてラムからあたるの手に、指を絡ませてきた。あたるの指の間をラムの指が行ったり来たりして、さわさわとした微妙な刺激を与えてくる。

「…だからっ…やめいっ、ちゅーとろーがっ!…人が見てるだろーがっ」

「他の女がこーんな事、してくれるけ?ガールハントしたって、逃げられてばっかりのくせにっ」

あたるはむっとして、ラムを軽く睨んだ。ラムがくすくす笑いながらあたるを見ると、彼の顔が少しだけ赤い。

「でも今日は普通にデートしに出てきたから…」

そしてラムはあたるの手を1回“きゅっ”と握ると、彼に絡めていた腕をそっと外した。

「これ以上刺激したら、普通のデートじゃなくなるっちゃ」

「…ふんっ…」

「それよりダーリン。ちょっとこのお店…見てみたいっちゃ」

ころりと話題を変えたラムは、あたるの袖を引っ張って、ある店に入っていった。

「やっぱり可愛いっちゃ〜♪ね、ダーリン、この靴…おもちゃみたいだっちゃ♪」

(こんな店に入って…ラムのやつ、やっぱまだ…)

「…ダーリン、嫌なのけ?こんなお店に入るの…」

「いや、別に…」

「だって…急に元気無さそうな顔になるんだもん」

「いや…そーゆーわけでは無いが…」

「そうなの?だったらいいけど…。あ、せっかくだから、この小さい靴下だけ買って帰るっちゃ♪ダーリン」

「…何で?」

「この間のペンダントは無くなっちゃったから…ちょっとしたお守り…だっちゃ♪」

ラムは手のひらより小さな靴下を1組だけ買うと、ニコニコしながら店を出た。そして適当に時間を過ごし、外で夕食を済ませ、ふたりはアパートに帰ってきた。
ラムはいそいそと、今日買ってきた小さな靴下を出すと、簡単に紐を付けて寝室の壁に飾った。

「なぁラム、お前、もしかして…まだ…」

「ん?何だっちゃ、ダーリン?」

「その…アレだ…まだ、気にしとる…のか?」

「どーして?」

「いや、急にそんなもん買ったり…飾ったり…するから」

「ダーリンこそ何気にしてるっちゃ。ウチならもう全然っ」

「だったら…いいけどな…。そういやお前…避妊、しとったんじゃ…なかったか?薬で…」

「今もそうだけど…昔みたいに絶対妊娠しないようには、してないっちゃ」

「そ、そうか…」

「危険日辺りは一応使ってるけど。まだもうちょっとだけ、ダーリンとふたりっきりがいいかなぁ…なんて、思ってるから…」

「ん…そ、そっか…」

「でも〜もしかしたら…って事も、あるかもしれないっちゃよ?この間みたいに。それともちゃんと計画的にした方がいいけ?」

「確かにラムの星ならそのくらい出来そうだけどな…」

「何年先の何月頃、って決めておけば、それなりのコントロールは出来るっちゃ。でもそれじゃあ、ちょっとつまらないから…」

「…つまらん?何で?」

「だってぇ…いつ頃、ってわかったら…ダーリンのビックリする顔が…見られないっちゃ♪」

「…は、ははははっ…オレが…ビックリ…ねぇ…」

「この間はビックリしたんじゃないのけ?それにやたらとウチの事、心配してたし。今日だって…」

「今日?オレ、何かしたか?」

「ほら、出かける時に、もう1枚着ろ、って。…違うの?」

「…涼しくなってきとるのに…夏と同じ格好じゃ、見てるこっちが寒くなるから…それだけじゃ…」

「ふーん…。ま、どっちでもいいっちゃ。だけどウチがああなっただけで、あんなに心配するダーリンなんて…」

「まだ何かあるのか?」

「すっごく変だったけど…すっごく、嬉しかったっちゃ♪で、もしウチに本当に出来たら…ダーリン一体どーなるのかな〜。全然想像つかないっちゃ」

「…余計なお世話じゃっ…」

そこまで言うと、あたるは急に黙ってしまった。そしてこんな事を…思っていた。

(しかし…いつ出来るか、わからんのか…いや、出来てもかまわんが…子供が出来たら、そうそういつも…というわけにも、いかんではないかっ…。それにもし、オレやジャリテンにそっくりなのが…いや、それ考えるのはやめとこ…)

「急に静かになって、やっぱりダーリン…変だっちゃ」


それからしばらくして、ふたりは揃って布団に入った。

「もう少し、ふたりっきりがいいけど…ダーリンと、こうしてると…すっごく…」

「すっごく…何だ?」

「気持ち…いい、から…たくさん、エッチな事…したくなる…っちゃ…」

「…オレも…。それに、昼間の…刺激が…ちびっと、残っとるんだが…」

「服の上からでも…十分…柔らかい、でしょ?…ウチの…おっぱい…」

「こうして…服を着とらん方が…もっと、いいけどな…」

今夜のふたりは、いくつもの夜の言葉を交わしながら、布団の中でじゃれ合っていた。言葉で互いの気持ちを高ぶらせようとするかのように…ラムもあたるも、キスをしたり、カラダの各所に触れながら、淫猥な言葉を時々口にした。

「あんっ、もう…ダーリンったら…そんなに、ウチの…おっぱいの先、いじったら…イヤだっちゃ…あ…」

「人前で…あんなに、押し付けてきおったくせに…。もしかして…」

「だめぇ…そんなに、したら…」

「もしかして…人目があったのに…ちびっと、感じてたんじゃ、ないのか?…もう、乳首がこんなに…硬くなってきとるぞ?」

「あ…イヤ…そんな、事…言ったり、しないで…ダーリンの、バカ…」

舌を踊らせながら絡め合い、互いのその部分を感じるままに舐め回すふたり。ラムの手のひらが、あたるの肌を撫で回す。そうやってお互いの欲情を…どんどん引き出していく。

バサリ…掛け布団が邪魔になったあたるは、それを脇に払いのけた。薄闇の中に仄かに浮かぶ、ラムのシルエット。なだらかな曲線と膨らみのあるそのカラダを、もっとよく見たい…。自分の行為で悶えるラムの顔を…もっとよく、見てみたい…。
そんな事を思いながら、あたるはラムに、夜だけの言葉をかけた。

「ラム…どこが…気持ちいい?」

「ダーリンこそ…どこが…気持ちいいっちゃ?…いつもウチのナカで…ウチを…いじめてる…ダーリンの…これの…ここ?」

ラムがカラダをくねらせて、あたるの逸物に手を伸ばしてきた。

「…ちょっ…ラム……もうちょっと、したら…うんと、悪さ…しちゃる…」

「…ダーリンの、エッチ…。悪い事って…どのくらい…?」

「ラムが…」

「あっ…」

「何度も…飛ぶ…くらい、じゃ…」

“ちゅぷっ…”。あたるがラムの乳房を口に含む。“ちゅぷっ、ちゅぱっ…ちゅうぅぅ…”。ラムの尖った乳先を、口唇で何度もついばみ、ねぶり続けるあたる。彼女の乳輪から乳首にかけてをしゃぶり、吸い上げる。そして、舌先でラムの乳首を、ぷりぷりと転がす。

ラムの胸への愛撫をそうやって繰り返しながら、彼女のカラダをどんどん鋭敏にしていく。あたるもラムも…互いに感度を高めて、夜の声を漏らし、さまざまな言葉を口にする。

「ウチの…おっぱい…あ、あ…ダーリン…うん、と…感じる…っちゃ…あ…あぁっ…」

(ちゅぷっ…)

「こっちも、もう…こんなに…なっとるぞ…ラムの、ほれ、ここが…」

(にちゅっ…くちゅっ…ぬちゅっ…)

「は、あ、ぁん…ダーリン、の…指…が…熱、い…っちゃ。…ふ、あ…あ、ぁっ…」

あたるはラムの乳先の突起を転がし、ついばみながら…ラムの声を聞く。聞きながら、彼女の陰部の柔らかな溝を…女体のぬめる分泌液を指に絡めながら、掻き回す。

「もう、こうやって…何年も…ラムと、セックスしているが…」

「ウチも…ダーリンと、たくさん…たくさん…セックスしてるけど…」

「いつも…気持ちいい、だろ?…オレじゃないと…感じんのだろ?…オレも…ラムじゃないと、な…」

「いつも…頭の中が、真っ白…になって…いっぱい、ダーリンので…飛んで…」

「前も、聞いたが…そんなに、いいか?」

「放電、しなくても…すっごく…感じる…っちゃ…。ダーリンじゃ、ないと…ウチ、イケない、っちゃ…。ダーリン…も?」

「だから、さっき…そう言っただろうが…」

「嬉しい……あっ、んっ…ウチ、の…ぐちゅぐちゅ…した、とこ…あ、あ…そんな、に…したら…いっぱい…で、出ちゃうぅ…!」

堪らなくなったラムは、汗ばむ肌からチリチリと放電を始めた。いつものようにそれがあたるのカラダに伝わり、青白く長く細いスパークが、彼のカラダを縦横無尽に走っていく。

「…うっ…くっ…ラ、ム…」

「ダーリン…ダー、リンッ…」

ラムはスパークを走らせる方向や強弱を、喘ぎながら調節し、細長い電気の糸を、あたるの逸物に向けて飛ばしていった。

「う…熱ぃ…」

熱電撃も出来るラムは、いつもより少し熱めのスパークを放出させていた。それがあたるを痺れさせると同時に、汗腺からいつもより多めの汗を噴き出させた。

「はぁ、はぁ…ラム…ちょっ、と…熱い…ぞ…」

「だって…今夜、は…もの、すごく…ダーリンも…熱い…っちゃ…」

「お前の、放電が…熱い…から、だろ…?」

「その前、から…ウチの事…いっぱい、心配…して、くれてた…から…。ダーリンの…全部…いつも、より…あ、熱い…っちゃ…」

今夜はラムの蜜まで、熱を帯びているようだ。全身に電気糸をまとわりつかせたままのあたるが、スパークでくすぐられている逸物の先を、ラムの蜜壺に浸すと…この間と同じような、“チチチッ…ジジジジッ…シュッ…”という、マッチの残り火が水に浸かって完全に消えた時のような音を、立てた。

「…熱い…と、いうか…くっ…」

ラムと対面してカラダを合わせているのが熱くなったあたるは、彼女を側臥位にさせ片足を持ち上げると、蜜の中に浸しかけていた逸物を、ラムのナカに押し込みだした。

「あっ、んっ…いつも、より…ダーリン…」

「あ、ああ…ラム…いつも、より…」

「…感じる…っちゃ…」  「…そうだ…な…んっ…!」

あたるはラムの足を掴んで、船を漕ぐ櫂のように前後に揺すりながら、自身を押し進めていった。接合の勢いでラムのカラダがずるり…と少しだけ、上に動いた。

「…あ、あ…ウチの、ナカで…悪い事、する…ダーリン、が…」

「…だが…気持ち、いい…んだろ…?…オレ、も…じゃ…」

熱を帯びるとカラダの感度が増すのだろうか。ラムはあたるのちょっとした腰の動きの変化だけで、大きく小さくカラダをくねらせ、悩ましい声で呻いたり、時として小さく短い悲鳴を上げた。うんうん、と唸りながら、愛する人との交合をいつも全身を使って受け止めるラム。

「いっぱい…ウチの、ナカで…、う、んっ…悪い事、してぇ…ダーリンッ…。…ちゃあっ!」

ラムがあたるだけに女の自分の全てを曝け出すと、あたるも男の自分を総動員させる。昔から…互いが互いをイカせて気持ちよく達したい…という思いから、ひとつになり続けていた。そして今夜も…そんな思いで、ひとつになる、ふたり。

「あ、熱っ…ふっ、くっ…い…いい、ぞ…ラムッ…」

あたるはいつもより多めの汗を滴らせ、荒い呼吸をしながらラムのナカを往復し続け、彼女の膣壁で自身の逸物を擦り続けた。あたるはゴムを着けていないので、直にラムのナカを感じている。たっぷりぬめっていて、熱い。ずぶずぶと食い込ませていけばいくほど…ラムの膣壁が自分自身にフィットして、いい具合に弛緩してくれる。

「あっ、あっ…奥にっ、ダーリンがっ…当たって…い…いいっ…!」

互いが分泌する潤滑剤で摩擦抵抗を弱くしているからこそ、生の肉体同士の交接は、痛みも無くスムーズに行えた。

「はっ、はっ、はっ…ラムッ…すごく…いい、ぞっ…!」

「…ダーリン、だって…熱く、て…すごい…っちゃ…ああっ…そ、そこっ…がっ…!」

あたるの手が、交合の蜜でたっぷり濡れているラムの陰核に、自然と伸びていった。“にゅるり…”剥き出しの赤い突起表面に、あたるが軽く指を滑らせると、ラムの下肢がびくびくっ、と小さく爆ぜた。

「ダーリンのっ…い、意地、悪っ…は、あ、ぁ…!」

ラムは指を噛み締め腰をひねり、張りのいい乳房を揺らしながら、あたるだけに自身のあられもない姿を曝す。

(パチパチパチッ…ビビビビッ…)

「くっ…ラムッ…」

「…ウチ、を…いっぱい…いじめて、る…お返し…だっちゃ…あっ、あっ!ああぁあぁっ!」

互いの熱で、ふたりはいつも以上に感じているようだった。ラムの背が反り返り、下肢の間にある接合部分を更に大きく広げたり、腰から下を軽くひねったりしながら、送り込みを続けるあたるの逸物を、ラム側からのアクションで、悦ばせてやる。

あたるを悦ばせながら、ラムも自身のウィーク・ポイントにあたる自身を誘導し、間も無くやってくるだろう絶頂感のために、懸命になっていた。

「ダ、ダーリンッ!…あ、はぁっ…もっと…ウチ、の事…いっぱい…いっぱい…っ!」

ぐずぐずとした濃い蜜の音とラムの夜の声。それだけでも十分、狭い寝室は淫猥な空気で満たされていった。愛と淫という相反するものが、混在する時間。女が激しく身をよじりながら男を悦ばせる。男は無我夢中で己の種を女のナカに注ごうと奮闘する。

「ダーリンッ、もっと!もっと…ウチを…いっ…いじめてっ…ダーリンのでっ…いじめ、てっ…あ、あぁっ!」

「ラッ…ム…」

「ああっ!もうっ…もう、だめぇっ!…いっ…いっ…」

側臥位だったラムが、上半身をひねってシーツを掴んだ。掴みながら背を反らして、頭を振り上げると、長い髪が乱れ広がり、同時に電気を含んだ汗が、飛び散った。

(バチバチッ…ビリッ…ビビビビッ…バチッ!)

ラムの胎内から、熱を持った電気が噴き出した。それがあたるのカラダを逆流して彼の頭を一瞬フェード・アウトさせると同時に、帯電した白い体液を逸物の頭からラムのナカに発射させた。

「…ちゃあぁぁぁーーーっ!!」

「…うっ、おっ…!」

そして寝室をふたり分の熱気で一杯にすると、あたるとラムはいつものように…ほぼ同時に果てて、脱力した。

しばし全身で息をし呼吸を整えた後、ふたりは汗ばんだ肌を合わせて布団に横たわっていた。脇にどけた掛け布団をすっぽり被り頭だけ出して、ラムは行為の後の満足感と安心感を顔に浮かべて、あたるに甘えていた。

「ダーリン、今夜も…よく頑張りました…だっちゃ♪」

「それにしても…熱があるんじゃないか、っちゅーくらいに…熱かったぞ…脱水起こしたら、どーするんじゃ」

「それじゃあ、お水持ってくるっちゃ。あとお布団も乾燥させないと…この間みたいに、風邪引くっちゃよ、ダーリン」

そしてふたりは一旦布団から出ると、ラムは布団を乾かし、その後水を持ってきた。

「ね、ダーリン」

「ん?どした?」

「ウチ、まだ一応避妊はしてるけど…」

「…けど?」

「今夜ので、また可能性が増えたっちゃ♪ダーリン今夜も頑張ったっちゃ。いい子、いい子♪」

「アホッ!どこ撫でとるんじゃっ!そんな事したら…また可能性が増えるだろーがっ」

「あ、ダーリンのが、また…」

「…なーにが、“いい子、いい子”じゃっ…アホかっ…」

しかしその夜は…あたるは若干ムラムラしつつも、先までの“熱い”抱擁で疲れたのか、横になるとすぐさまいびきをかいて眠ってしまった。そしてラムも間も無く眠りに就いた。

…そしてあたるはまたしても、夢を見ていた。

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“パパー、遊ぼうよ〜”
“お父さ〜ん、おしっこ〜”

真っ白い空間に立っているあたるの周囲には…自分の小さい頃にそっくりな子供が、何人もいた。それがわらわらと…どんどん増えてくる。

“おい、ラムッ!これは一体どーゆー事じゃっ!”

“どーゆー事って…ぜーんぶ、ダーリンとウチの、子供たちだっちゃ♪”

“こんなにたくさん産めとは…言っとらんぞっ!”

“だって〜ダーリンすっごくエッチなんだもん。それにたくさん欲しいみたいな事、言ってたっちゃ”

“オレはそんな事…言っとらんぞ?”

“テンちゃんみたいなのが、たくさん出来たらどうするんだ?って”

“しかし…ジャリテンはともかくっ!皆オレにそっくりではないかっ!”

“ダーリンの子供だっていう、確かな証拠だっちゃ♪それに女好きな性格まで、そっくりだっちゃ”

“ママ〜、ママ〜”
“ママ〜、おっぱい飲みた〜い”

“はいはい、わかったっちゃ。皆順番だっちゃよ?”

“は〜〜い”
“は〜〜い”

“ほーら、いい子、いい子♪”

“いかん…だめじゃ…”

“ん?どーしたっちゃ、ダーリン?”

“オ…オレにそっくりっ!しかもっ!ラムを独り占めかっ!?”

“だってダーリンが頑張り過ぎたから、だっちゃ”

“とにかくっ!子供にかかりっきりだけはいかーんっ!…こんなに大勢いては…オレの入る余地が…無いではないかっ!”

“何、子供みたいな事言ってるっちゃ…。それじゃあダーリンも…ウチのおっぱい…飲むけ?”

“…これは夢じゃ…夢なんじゃ…きっとそうじゃ…”

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「…夢じゃ〜…夢なんじゃ〜…ラム〜〜……ラムの…おっぱい…は…オレだけの…モンじゃ〜……ぐぉ〜…すか〜…」


<<ACT.3>>

「ラム様、どないしましてん?」

「この間のお礼、まだ言ってなかったから。本当に助かったっちゃ、ありがとだっちゃ」

「ああ、やっぱあれがお役に立ちましたか、そら何よりでしたわ」

「やっぱり、って、どういう事け?」

「私、予知能力持ってますんよ。ほんのちらっとだけですけどな。で、ラム様が帰る途中にUFO落ちる映像、見えましてな、こらアカン思て、あれお渡ししたわけですわ」

「そうだったのけ〜、ホントに助かったっちゃ〜。あ、でも先に言っといてくれれば、UFOの点検とかしといたのに」

「それがあきまへんのですわ。私が1度見た予知映像、どんな回避策立てても必ず現実になってまうもんで。せやからあえて、黙っとったわけですわ」

「ふ〜ん、そうなのけ。でもあれのお陰で…本当に、命拾いしたっちゃ…。今度父ちゃんから何かお礼するよう、言っておくっちゃ」

そしてラムは星の女医との通信を終えた。

ラムがアパートに戻ってくると、同じアパートに住む女性にばったり会った。お隣さんのそのまた隣の隣に住んでいる、ラムと同じ専業主婦だ。たまに会って話す程度の彼女は、ここしばらく留守にしていた。そして久々に会った彼女を見てみると。

「前は気が付かなかったけど…おめでただったのけ?」

「そうなの〜ちょっと実家に帰ってて〜。すっかり妊婦っぽくなっちゃって〜」

「ああ、だから…ウチの兆候って、このせいだったんだっちゃ…」

「ど〜したの〜?チョウコウがどうとか、って〜」

「あ…別に〜、何でも無いっちゃ〜。とにかく、おめでとう、だっちゃ。予定はいつ頃なのけ?」

「予定では今年中らしいんだけど〜。お医者さんに聞いたけど、ちょっと忘れちゃったの〜。あたしってちょっと、忘れっぽいから〜。うふふ〜♪」

「あ、ああ…そうなのけ…。そ、それじゃあ、ウチ、家の事しなくちゃいけないからっ」

ラムはこの女性もちょっとだけ苦手なようだ。

「あの人と喋ってると、こっちの話し方の調子が変になりそう…。口調まで、似てきそうだっちゃ…」

そしてまた、あっという間にその日の夜がきた。夕食後の食卓でお茶をすすりながら、あたるとラムは話していた。

「…そーゆーワケで、ウチの妊娠の兆候は、同じアパートの若奥さんのせいだったっちゃ」

「…ふーん…。なぁ、ラム…子供、の事だけどな…」

「子供の事で何かあるのけ?」

「やっぱもうしばらく…先、っちゅー事に…せんか?」

「しばらく、ってどのくらいだっちゃ?」

「だから…しばらく、は、しばらくじゃ」

「もしかして、この間の事で…嫌になったのけ?ウチがああなるのが面倒とか?」

「いや、そうではないが…」

「ウチに似た女の子ならいい、ってこの間言ってたっちゃ。…あ、もしかして〜」

そう言うと、ラムは“ぷっ”と吹き出し、次いでくすくすと笑い出した。

「ダーリンもしかして〜、自分やテンちゃんに似た男の子が産まれたら…ってゆーのを、心配してるんじゃないのけ?」

「えっ…(もしかしてオレ、寝言で何か…言ってたのか?)」

「性別も決められるけど…やっぱりそれじゃ、つまらないっちゃ。もしウチに、本当に出来たら…産まれるまで内緒にしとくっちゃ♪」

「いや、確かに…それも…無いではないが…」

そこまで言うと、あたるはふいに、先日のUFOの事故の事を…思い出した。もし、あのバリアが無かったとしたら…。

「出来たら出来たで、まぁ…オレがどうなるかは、置いといてだな。こんな話が出来るのも…UFOの事故で、ラムが無事だったから…だろ?あの時、オレ…本当に…どーなる事かと…」

「ダーリン…」

「もちろん、もしホントに出来とったとしたら…そっちも心配だったけどな…。もし、あのまんま…」

そこまで言うと、あたるは湯呑みを握ったまま、黙ってうつむいてしまった。それを見たラムは彼に近寄り、その体をそっと抱き締めた。

「大丈夫だっちゃ…ダーリン置いて、先に…なんて事、ウチ、絶対に…」

「ラムは…ひとりしか、おらんから…。そしたら、オレとの子供だって…」

「ウチにとっても…ダーリンは、この世界にひとりだけ、だっちゃ…」

そしてラムはまるで子供をなだめるように、あたるの背中や頭を、優しく撫でさすり続けた。あたるは…静かに鼻をすすり続けていた。

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結局それからしばらくは、ラムはしっかり避妊をし、“子供っぽいダーリンのために、ふたりの子供は少しだけ先送り”という事にしたのだが…まぁ、夜の方は、相も変わらず…のようだ。

そしてある日、あの星の女医から、ラムに通信が入った。

「ラム様、この間言い忘れてましたんですけどな」

「言い忘れた事?何かあったのけ?」

「ラム様も色々都合ありますやろ?せやから時期は伏せときますけど。近い将来、ちゃーんとお子、出来ますよって」

「ホントけ?」

「ホンマですよ。地球人と私ら鬼族の間に出来はった前例、今までありませんでしたけどな。後は…産まれてからの、お楽しみ、っちゅー事で。ほな私はこれで。…あ、こないだ大将から、えらいたいそうなモンちょうだいしましたさかいに。ホンマ、おおきに」

「こっちこそ、ありがとだっちゃ…それじゃあ」

短いやり取りが終わり、ラムとの通信を切った後、女医は予知夢の中で見た光景を思い出して…笑っていた。

・・・・・・・・・・

“ラムッ、何やっとるんじゃ!そんなもん持たんでいいからっ”

“掃除機かけてるくらいで、何慌ててるっちゃ”

“あーもー…上にもう1枚、何か着とけっ!”

“優しくなったのは嬉しいけど…ちょっとうるさ過ぎだっちゃ、ダーリン”

・・・・・・・・・・

“ダーリンッ!また他の女にちょっかい出して〜〜っ!!”

“わーーーっ!悪かったっ!頼むからっ、電撃だけは出さんでくれっ!!”

“浮気しといて何言ってるっちゃーーっ!!”

“だーーーっ!ホントにっ!悪かったっ!頼むからっ!電撃で体に何かあったらどーするんじゃーーーっ!!”

・・・・・・・・・・

「いや、まぁ…あのおふたりは…予知映像で見てても、えらい面白いカップルやな…くっ、くくくっ…」

よほどふたりの様子が面白いのだろう。しばらく笑った後“笑い涙”を拭ってようやく落ち着いた彼女は、病院の一室の、真っ白い空間にあるデスクに座り、白いカップでお茶を飲みだした。

「せやけど、まぁ…微笑ましいなぁ。産まれた後の映像も見えた事は見えたけど…後は、第三者の予知なんぞ…必要無いやろなぁ」

結局、この女医が知るのみで…第三者にこのふたりの未来は、予測不可能…なのかもしれない──。

--- E N D ---

(*1)・・・「ふたりはふうふ(後編)」参照。

あとがき


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