幸せの黄色いリボン


あたるはいつも、貪るように、ラムを、愛する。そんな時のラムは、狂喜乱舞の体で、あたるの為に…彼との行為の快楽の為に、完璧にひとりの“オンナ”になっている。
あたるの部屋で、時にはラムが眠る押入れの中で、ラムのUFOで…の、家人には秘密の行為。しかし…家人やテンにふたりの関係は、黙認されているだけなのかも、しれない。

「ダーリン、これ…ずっと持ってたのけ?」

「えっ…いや、何と無く…な」

「ウチの超能力封じたら、地球人とちっとも変わらないっちゃよ?…ウチも、あんまり…」

「あんまり?」

「…気持ち、良く…無いかも、しれないし…ダーリンだって…。それでもいいのけ?」

「だから取っておいたはいいが…使うべきかどーか…長い事迷ってた、というわけじゃ…」

「初めての時、ウチの放電でなかなか…だったんだから、その時使えば良かったのに」

「しかしそれだと、いざ放電するラムと…という時、困るではないか」

「今じゃすっかり…」

ラムがあたるの正面から抱き着きながら、軽いキスを1回。そして唇を離してから囁くようにこう言った。

「ウチの放電が無いと…物足りないくせに…でしょ?」

「確かにラムの熱電撃だと、暖房いらず、だしな」

「で、いきなりこんなもの出してきて…寒いのに、ウチの放電無しで…いいのけ?」

「お前のUFOに行けばいいだろ?空調だって効くんだし。それに何より…」

「お父様やお母様、テンちゃんを気にしなくて済むし…それじゃあ、とりあえず、ウチのUFOに…」

「この黄色いリボンは、UFOに着いてから、ラムのツノに結ぶ、と、いう事で…」

「…だっちゃ…」


ウチ、本当に少しも放電出来なくなって、カラダも浮かないから、いつもより少し重たいような感じが…する。
ダーリンに、ツノに結んでもらった黄色いリボン。不思議とそれを結んでもらった直後から、それの効果を知ってたせいかもしれないけれど、チカラを吸い取られたような感じがして…少しよろけながら、ウチは、ベッドに仰向けに倒れこんだ…。



ラムは四角くて白いシーツのベッドの上に、けだるそうにパタリと倒れ込んで、少し眠たそうにしている…ようにも見える。目を閉じたラム、今は黄色いリボンの効果で超能力無しの、ラム。
ラムの両肩を掴んだら、こいつ、ちょっとだけぴくっ、とカラダを震わせた。超能力…特に放電出来ない状態、ってのは…こいつにとったら、自分を防御するチカラを根こそぎ奪われた状態だからな…。
だけど、オレが抱こうとしている時に見せたあの仕草は…もしかして…少し、怖かったんだろうか?眉根を寄せて、聞こえるかどうかの「あ…」という声を漏らしたラム。
…大丈夫だって…いつもみたいに…してやるから…。



ウチとダーリンのキス…いつもより、味も匂いも…濃い感じがする。ウチが放電しない分、ねちょねちょした音が…いつもよりたくさん、聞こえてくる。
ダーリン…ウチの匂いとか、味…好き?ウチのこと…本当に好き?ウチは…ダーリンの味も匂いも、声も…汗や、合わせた肌の感触や…指使いとか…舐め方…とか…全部、好き…大好き。
ダーリンは、ウチの、どこが…好き?ダーリンのしてくれる事でたくさん出ちゃう、声?味や匂い?ウチの…あの部分の…感じ?
今夜は何と無く…超能力が出せないせいか、ダーリンがこれからしてくれる事で…いつもより、もっと…ドキドキ、してる。少しだけ…怖い、くらいに…ドキドキ、してる。
あんまり、チカラ入れたり、乱暴に…したり、しないで、ね…ダーリン。


「んっ…んふっ…んっ、んっ…んんっ…ダァ…リン…」

あたるの手によってラムの2本のツノに結ばれた、超能力封じの黄色いリボン。結んだ者の手によってしか解く事が出来ない黄色いリボン。ラムの頭で小さくひらひら躍る、2箇所に結ばれたリボン。

ラムはあたるの頭に片腕を回し強く引き寄せ、もう片腕を彼の背に回して肌を撫で回しながら、軽く指を食い込ませる。あたるはラムの脇腹から腰にかけて手のひらを這わせ、もっちりした太ももや臀部を何度も撫でさすりながら、長いキスを続けていた。

ディープでノーマルな、放電無しのキス。互いに息が詰まりそうになって顔を離すと、ほんのり赤く上気した頬のラムが、軽く息を吐(つ)きながら、唾液で濡れたあたるの口の周りを、猫のようにペロペロと舐めた。

「…おい、ラム…くすぐったいだろ…」

軽く笑うあたるの指先が、ラムの内ももにそっと滑り込んでいった。

「…あっ…」

途端にとろけそうな表情になるラム。自身の唇周りを軽く舐め回し、淫靡な“オンナ”の表情になった彼女は、対面仰臥位のまま、両の膝を立てて足を広げ、あたるの腰を挟み込んだ。
するとあたるはラムの膝を軽く押さえてカラダを起こし、自分を誘う彼女のフェロモンが放出されている柔らかな襞(ひだ)をより大きく広げた。

「…あんまり、見たら…イヤだっちゃ、ダーリン…」

“ちゅぷ…”

「ちゃっ…あっ…」

さらりとした濡れ具合だったラムの襞に、あたるがクンニを開始した。ラムの匂いを口に含み、唇や舌を使って丹念に襞をめくり上げ、愛撫する。すると、ラムの愛液が…次第に濃厚さとぬるつきの度合いを増してきた。

「あっ、あぅっ…だ、めぇ…そ、こ…がっ…あはぁっ…」

ラムの語尾のトーンが自然と高くなる。“ねろり、にゅるり…ちゅる…”あたるは襞の狭間に舌を這わせながら、ラムのクリトリスを軽く突付いたり、包皮を剥いてそれを唇で吸い上げてやったりした。

「あんっ、だめぇっ!…ダーリンッ、ダーリンッ!!…あっ、あ…あ……す、ごく…い、い…」

今夜のラムの襞は…放電しないせいか、いつもより濃厚な蜜を溢れさせ、いつもより強めのフェロモンを放出しているようだ。

普通の女を抱いているのと変わらないはずなのに、あたるはラムの味や匂いに…興奮していた。放電時の、空気を弾けさせる音もしない。その代わり、ラムの声や、愛撫の淫音が、いつもよりよく聞こえる。聞こえてくる。

あたるがラムのつぼんだ入り口に指を宛がうと、そこはたっぷりした愛液の溜まり場になっていた。電気を含まない、濃厚な、蜜。ラムの匂いと味だけを含んだ、彼女の濃密な愛液。
あたるは、“地球の女”と何ら変わらないラムを感じさせながら、いつものピリピリした微放電も何も無い膣口に、充血しきって脈打つ陽の物を宛がった。

“ぬぐぅ”…ラムのナカに入っていくと、いつものくすぐったいような刺激が一切無くても、自分に吸い付くようにフィットしてくるラムの膣壁だけで、あたるは十分な気がした。そして、骨のようにガチガチにそそり立った陽の物で、ラムのナカを往復する。何度も何度も。

「…ダァ、リンッ…激し、いっ…ちゃあぁぁっ!…す、ごくっ、突いて、きて、るっ…そんな、にっ、力、一杯…っ!ああぁっ!!」

「…ラムッ…ラ、ムッ…はっ、はっ、はっ…」

「…いつも、よりっ、すごいっ…ちゃあぁっ…そんな、にっ…!突いた、らっ!…あぁっ!ウチ、ウチッ!!」

ラムの言葉など耳に入らないのか、あたるはただただ猪突猛進し続けた。まるでフラッシュを焚いたように、ラムの姿が白く閃いて見える。悶えるラムの姿。自分の突きで大きく揺さぶられている、ラムの姿。それが白い光と交互に、目に入ってくる。

「ダーリンッ…そんなにしたらっ!ウチ、ウチッ!壊れ…ちゃうぅっ!!」

あたるの耳に、そんな言葉が入ってきたような、気がした。が、フラッシュバックのように見えるラムの断片的な姿と、悲鳴に近い彼女の声が、あたるの理性を…すっかり失わせていた。カラダの快感だけを求めて、絶頂だけを目指しての、ラムとの交合。やがてあたるは、ラムのナカで、達した…。


「…ダーリン…ダー、リン…」

「…ラ、ム…」

あたるは肩で息をし、ラムにぴったり寄り添ったまま、うつ伏せになってぐったりしていた。達した途端、短距離を走り抜けた後のように、一気に脱力したようだ。

「…ダーリンばっかり…気持ち良くなろうとして…今のは、ちょっと…ひどいっちゃ…」

「…へ…?」

「ぼけーっ、として、とぼけようとしたってダメだっちゃ!…いつもより、すごくて…ウチ…」

「…とぼける…って、何を?」

「ウチ、本当に壊れるかと…思ったっちゃ…ひどいっちゃ、ダーリンのバカ…」

「…そんな、すごかったのか?…オレが?」

「だっちゃ!」

「しかし…何だか、夢中だったのは、憶えとるが…そんなにすごかったのか?」

「だからさっきから、何度もそう言ってるっちゃ!」

「…うーむ、やはり、ラムの放電が無いと…都合が悪い、っちゅー事か?」

「もうっ、知らないっちゃ!」

「そう怒るなよ…な?」

「…もうちょっと優しくしてくれるなら、いいけど…やっぱりこのリボン、解いて欲しいっちゃ」

「…今度はもうちっと…気を付けるから…な?」

「ホントに優しくしてくれるのけ?そうじゃなかったら…リボンがあっても無くても!当分エッチはお預けだっちゃ!」

「しかし…何かこう、一気に走り抜けたような爽やかな疲労感があるのだが…オレは」

「ダーリンが良くたって!ウチはちっとも良く無かったっちゃ!」

「まぁまぁそう怒らんと…今度は気を付けるって…だから…な?な?」

ラムはころりと転がって、あたるに背を向けた。あたるがカラダを起こして彼女の顔を覗き込むと、少し頬を膨らませ眉を吊り上げて怒っている様子だ。

「だから悪かったって…言ってるだろ?」

「…ダーリンのバカッ…」

ラムは“ぷいっ”と横を向いたまま、なかなか機嫌を直してくれそうもない。

「もういい加減、機嫌直したらどうだ?」

あたるがラムの肩を掴んでこちらを向かせようとしたが、彼女はその手を振り切って、ベッドから立ち上がった。

「…ウチ、シャワー浴びてくるっちゃ…」

「…いつまで怒っとるんじゃ…もう、勝手に…しろっ」

立ち上がってシャワールームに向かって歩き始めたラムだったが…2、3歩進むと、ピタリと歩みを止め、あたるを振り返って、言った。

「…昔はウチの電撃が怖くて、このリボン、チェリーに作らせたくせに…今度も自分の都合だけで使って…勝手だっちゃ…。そんなに地球の、普通の女がいいなら…」

「…何だよ…」

「地球侵略なんか…鬼ごっこなんか……」

「…しない方が…良かった、ってか?」

「…コンピューターが…ダーリンを……」

「…コンピューターがオレを選ばない方が良かったって…今更、そう言うのか?」

「………」

ラムはあたるの言葉に答えないまま、前に向き直ってシャワールームに向かった。そして…ふたりはそれきり黙ったまま、諸星家に戻り、普通の眠りに就いた。が、気まずい雰囲気のままだったので、あたるはラムのリボンを解く事もせず、翌日を迎えた。


翌日は学校の終業式だった。2学期も終わり、明日から冬休みに入る。ラムはツノにリボンを結んだままで登校した。が、夕べの事であたるとは目を合わせる事もしないままでいた。あたるもラムから顔を背けたままでいた。

成績表で一喜一憂する生徒たち。が、あたるもラムも仏頂面のまま、成績表を受け取り、無言で席に着いた。そして帰りも別々に、教室を出た。

ふたりがケンカをしたのは一目瞭然だったが、ラムが黄色いリボンをツノに着けている事と、いつもとどことなく雰囲気が違う事で、クラスメイトたちの冬休み直前の学校に関する最後の話題は、このふたりに関する事に終始した。

「あら〜〜ラムちゃ〜ん、どうしたの〜?ツノにリボンなんか着けちゃって〜♪」

「あ…ランちゃん…」

「珍しいわね〜、もしかしてぇ〜、ダーリンからのプレゼントかしら〜?うふっ♪」

「…違うっちゃ…」

「あら、そうなのぉ?」

「それよりランちゃんは…随分、ご機嫌だっちゃねぇ」

「明日から冬休みでしょう〜?これからレイさんとデートなの〜♪明日も、明後日も〜♪だけどぉ、ランちゃん、ちょっとだけ困った事があるんだけどぉ」

「何を困ってるっちゃ?」

「や〜っぱりラムちゃん、友達ねぇ♪実はぁ、レイさんとのデートに持っていくタイヤキとか買う…お金がね…ちょっとだけ、足りないの〜」

「そうなのけ」

「…そうなのけ…って、なぁ…ラムぅ…」

「ウチは今月貧乏だっちゃ」

「ところでダーリンのご両親からお年玉とかぁ、もらうでしょう〜?」

「さぁ?」

「…さぁ?ってなぁ…ラムぅ〜〜…」

「とにかくウチは今、貧乏だっちゃ」

「…ダーリンへのクリスマスプレゼント買う金とか、あるやろ?」

「…そんなもの、無いっちゃ」

「もう買ったんか?プレゼント」

「ううん、まだだっちゃ」

「だったら〜そのための予算くらいあるでしょう〜?…ランちゃん、本当〜〜にっ!困ってるのぉ〜。お年玉の前借りとかぁ、出来ないのかしらぁ?」

「お父様もお母様も貧乏だっちゃ、ウチも、貧乏だっちゃ」

「…おいこら、ラムッ。おんどりゃ、さっきから聞いとれば“貧乏、貧乏”連発しよってからにっ、ワシをナメとんのかいっ!?」

「だってホントの事だっちゃ」

「友達やったら、少しは親友のデートに協力したろうかいっ、ひと肌脱いだろうかいっ、と思うんが、人情、友情、っちゅーもんやないんかいっ!?…そーいえば、おんどれは昔っから、そーゆーヤツやったなぁ〜、ラム〜〜…」

「とにかく無い袖は振れないっちゃ。お年玉も前借り出来ないし…クリスマスなんて、ウチには…」

「…ダーリンと何かあったんか?」

「……別に……」

「…ワシは別に心配して聞いとるわけや無いからなっ、誤解すなよっ!…ちっ、ったく、どいつもこいつも“貧乏、貧乏”言いくさってからにっ…。おいラムッ、景気悪いツラが、余計景気悪う見えるやないかっ!正月くらい景気いいツラになっとけや、ボケッ」

「…ランちゃん…ありがと、だっちゃ…」

「…なーにが“ありがとだっちゃ”じゃ…くれぐれも言うとくがなぁ、心配して言うとるわけや無いからなっ!辛気臭い正月、迎えた無いだけじゃっ。…それよりその黄色いリボン、悪趣味やなぁ…ワシと違うて、可愛いもん似合わんなぁ、お前はっ」

「何言ってるっちゃ、これはダーリンがっ…あっ…」

「や〜っぱり、ダーリンからもろたんやないか。それを何、景気悪いツラぶら下げて歩いとるんじゃっ……くれぐれもっ!ラムを心配して言うとるわけや無いからなっ!」

「何か、ちょっと…元気出てきたっちゃ。ありがと、ランちゃん。やっぱり友達だっちゃ」

「…お前と友達やと貧乏がうつるわっ、ワシは他当たってみるわっ…」

「レイといいデート、出来るといいっちゃね、ランちゃん♪」

「…人の心配なんぞ、どーでもええやろ…アホかっ…」


しかしラムが学校から帰っても、あたるはまだ帰宅していなかった。夜遅くになってようやく彼は帰ってきた。ラムは用意していたクリスマスのプレゼントを渡したが…あたるは黙ったままそれを手にすると、机の上に放り投げ、布団を敷いて、とっとと横になった。

ラムは横になったあたるの傍らに端座して、昨日の発言を詫びた。が、あたるはずっと黙ったままだ。

「ダーリン、昨日はウチ、言い過ぎたっちゃ…。ホントに…ごめんちゃ…。だから、機嫌直して欲しいっちゃ…」

するとあたる、ラムに背を向けたまま、ぼそぼそと小声で言った。

「…オレは疲れて眠いんだよ…ごちゃごちゃ言っとらんで…お前もさっさと寝ろ…」

「だから…ごめん、って…」

「…うっとーしい、と言うとろーが…」

「…ダーリン…」

それきりあたるは黙ってしまった。ラムはただ、黙ってうつむき…しばらくその場に端座したままでいた。

翌日からあたるは朝から出かけて、夜遅く帰ってくるようになった。それが数日の間、続いた。ラムのリボンはまだ結ばれたままだ。

「ダーリンいつになったら…機嫌直してくれるのかなぁ…」

西高東低、冬型の気圧配置の晴れた大晦日の日、外の空気は冬そのものだった。ラムはコートを着た真冬の服装で、ひとり街をブラブラしていた。
年末最後の日、商店街は正月の準備に追われる人々でごった返していた。賑わしい年末の雰囲気も、ラムには何と無く空しいだけに思えて、ひとりとぼとぼとどこ行く当ても無く、歩き続けていた。

たどり着いたのは、いつもよく来る公園だった。コートのポケットに手を入れて、噴水の淵に座り、ぼんやり周囲を見渡したり、空を見上げたりしていた。
冬の日没は早い。さっきまで澄んだ青い色だった空が次第に朱色に変わってきたかと思うと、あっという間に紫紺色に染まった。宵の明星が輝き始めた。ラムの吐く息が白い。それでもまだ、噴水の淵に座ったままだ。

「どうせ今日も、ダーリン…遅いんだろうなぁ…せっかく深夜の初詣に行こうと思ってたのに…」

そんな事を呟きながら、重い腰を上げた。口から出るのは…白い吐息と溜息ばかり。そんなラムに突然、見知らぬ若そうな男が声をかけてきた。

「ねぇ、君、こんなとこでひとりで何やってんの〜?今夜ヒマ?俺と付き合ってよ〜」

「ウチ、ヒマなんかじゃ無いっちゃ!もう帰るところだっちゃ!」

「だけどこんな時間にひとりなんだろう?彼氏とかいないんだろ?だったら俺と付き合ってよ〜悪い事しないからさぁ〜」

などと言いながら、見知らぬ男は、ラムの肩に馴れ馴れしく腕を回してきた。それを振り払おうとするラム。

「何するっちゃ!もう帰るんだからっ!離すっちゃ!」

「付き合ってくれるまで、離さないよ〜ん」

いかにもナンパでふざけた感じの男は、ラムに執拗に絡み付いてくる。ラムの両肩を掴んで人気の無い方向へと、どんどん押しやっていこうとするのだ。今ラムは超能力を使えない。電撃を出せない状態だ。男の手を振り解こうにも、それがなかなか思うようにいかない。

「やっ!離すっちゃ!」

「寒いんだからさぁ〜、人気の無いとこでちょ〜っと、あっため合って、それからもっとあったかい所に行こうよ〜」

「イヤッだっちゃ!イヤッたら、イヤッ!…ダーリンッ!ダーリーーンッ!!」

「何だよ〜、男がいるんじゃんかよぉ〜、だったら尚更…だなぁ…彼氏に顔向け出来ないように…」

大晦日の暗い時間のせいか、周りには誰もいない。公園の繁みに一方的に押しやられるラム。

「イヤーーーッ!!ダーリンッ!!ダーリーーーンッッ!!!」

「まずはその口を黙らせて…っと……へっ!?」

正にラムが繁みの中に押し倒された時だった。誰かがラムに絡んでいた男を羽交い絞めにし、彼女の体から引き離した。

「…はぁ、はぁ…誰…だっちゃ?」

男は案外弱腰で、羽交い絞めにされ地面にひっくり返された途端、負け犬の遠吠えを叫びながら、走り去って行ってしまった。

「ばっきゃろー!憶えてろよー!!」

「アホーーッ!!一昨日来やがれっ、ボケッ!!」

「…ダ、ダーリン…」

「おい、大丈夫か?」

「…う…ぐすっ…ダー、リン…ウチ…ウチ…」

「暗くなるまでこんなとこにいるからだろ?年末だし変なヤツがうろついてんだ、何やってたんだ」

「…だって…ダーリン、最近…ずーっと…ぐすっ…遅かったし…ウチと…話も…してくれなかったし…だから…」

「…何か妙〜な胸騒ぎが…したからな。ガールハント引き上げてきて正解だったな」

「…ウチが怖い目に遭ってたのに…ガールハントなんか…してたのけ!?…バカッ!」

「何も無くて良かっただろーが…」

「…だけど、ダーリンが来なかったら…何か、あったかも…しれないのに…ぐすっ…」

「…あ、ああ…悪い、リボン…結んだままだったからな…。結んだオレの手じゃないと、解けないんだよな、それ」

「…せっかく初詣に…行こうと思ってたのに…何か、あったら…ウチ…」

「だけどコンピューターが選んだ相手だけの事はあるだろ?ラムに何かありそうだったら…何と無く、わかるんだからな」

「…そうなのけ?」

「…そうらしいな…」

「ウチ以外の女だったら?」

「女の悲鳴だったら10キロ先のでも聞こえるな、ははは……おい、泣くなってば…」

「…何か、あっても…必死で逃げようと、思ってたけど…やっぱり、ダーリン…だっちゃ…ぐすっ…」

「そろそろ、リボン…解くか?」

「…ねぇ、ダーリン…今から、ウチのUFOに…行くけ?すぐに呼べるし」

「リボン…いいのか?そのまんまで」

「やっぱりコンピューターが正しかった、ってわかったから…今夜はこのまんまで…いいっちゃ」

「あ、ああ、そう…しかし、この間みたいになったりしたら…」

「今夜は…ウチが…リードする番だっちゃ、ふふっ♪」

「初詣は?」

「どーせサクラが目当てだっちゃ。まずは、ウチとゆっくり…それから、ね?」

「深夜の寒い初詣より…そっちの方がいいか…」

「だっちゃ…ダーリンッ♪」

そしてラムはUFOを呼び、ふたりはその中に吸い込まれていった。


「さっき言ったみたいに、今夜はウチがリードするから…」

若いふたりは、互いの着衣を手早く脱がすと、ラムはあたるをベッドの淵に座らせた。

「まずは、ちょっと元気の足りないダーリンの…これを…うーんと元気にしてあげるっちゃ♪もしかして外が寒かったから…なのけ?」

「…余計なお世話じゃっ…」

「まずはウチの体温であっためてあげるっちゃ…」

床に跪いたラムは、発育のいいふたつの乳房の下方に手を当て、寄せた谷間にあたるの陽の物を挟み込んだ。

「うんっ…んっ…ローション塗っておいたから…気持ち、いい…でしょ?ダーリン…」

“ムニュムニュ…ニュルリ…”乳房の適度な弾力とローションの濡れ具合で、あたるの陽の物を丹念に上下に擦り、しごきながら、いつしかラムの表情はうっとりとなっていた。
あたるもラムのパイズリの行為で、陽の物がどんどん充血し、硬くなっていくのを感じていた。

「ダーリン…の、全部…好き…」

そう呟きながら、ラムはパイズリを続ける。あたるは先走りの体液を零し、ラムにその身を任せていた。力強くそそり立ったあたるの陽の物。ラムは行為の途中で乳房を外し、息を荒げているあたるの物を、口に含んだ。

「んっ、んっ、んんっ…」

“じゅっぷ、じゅっぷ…じゅっぷ…”あたるの股間を往復する、ラムの頭。垂れ下がり揺れる髪の毛を時々かき上げながら、ラムはフェラチオを続ける。唇の端から、唾液が零れるが、ラムは夢中であたるを愛撫した。ディープに、そして浅く。のどを使ってあたるの亀頭を刺激する。ラムの口内粘膜と唾液が、あたるの陽の物に絡み、包み込む。そして、あたるはラムの口内に、白濁の種を、吐き出した。

「…もっと、ダーリンのが…ウチ、欲しいっちゃ…」

“ごくり”と白濁の体液を飲み込んだラムは、再びあたる自身をいきり立たせようと、今度は手のひらでしごき始めた。少しの時間を置いて、再度元気を取り戻す、あたるの陽の物。
そしてラムは彼を仰向けにさせると、立ち上がった陽の物を自身の熱を帯びた襞の狭間に宛がった。あたるを立たせる行為だけですっかり濡れたラムの柔らかな、熱い、襞。

あたるを跨いで、自身の入り口に宛がうと、ラムはゆっくり、腰を落としていった。
“ぬ…ぬ…ぬ、ぐぅ…”つぼんだ入り口を押し広げて、あたるがラムのナカに入っていく。“にゅるり…”としたラムの膣壁が、あたるの頭を先日のように、次第に白くしていく。

「あっ、あっ、あんっ…そ、こっ…ここっ…う、んっ…いい、っちゃ…あはぁっ…」

ラムは対面騎乗位で、激しく喘いだ。先まであたるを包み込んでいた張りのある乳房を上下左右に揺らしながら、腰を、そして全身を激しく振り、揺らしている。長い髪がふわふわと広がり、また、まとまる。黄色いリボンが…小さなそのリボンが、ひらひらと躍っているのが、あたるの目に入る。ラムを地球の女と変わらぬ体質にしてしまう、小さな、黄色いリボンが。

それを着けて、あたるの上で、激しく躍っている、ラム。自身のポイントを突きながら、いつもより濃い愛液を溢れさせている。それが…ラムの内ももをたっぷり濡らし、ぬるりとしたその体液が、あたるの股間をも、いつも以上に濡らした。

「あっ、ふっ…いっ…いっ、い…くっ……あ、あ、あぁっ……はあぁぁんっ!」

“ぐちゅり…”ラムがあたるの傍らに痙攣しながら倒れこむ際に、そんな粘った水音が聞こえた気がしたあたる。倒れこんでからも、小さな声で「あ…あ…」と、ラムは数回喘いだ。


ウチ…もう、頭が…何度も真っ白になって…ダーリンが、見えたり、見えなかったり…してた。放電しないウチの感じ方が…こんな風になるなんて…思ってなかった。…ちょっとだけ、怖いくらいに…感じてた…。
ダーリンが白くなったり、見えたり…してたけど…繋がってたのは…ものすごく…感じて、た…。これ以上無いくらい、に…。
これからも…ずーっと、こうして…一緒に、繋がって…ウチは、ダーリンのこと、ずーっと…愛し続ける…。
…ねぇ、ダーリンは?ダーリンは…ずーっと、ずーっと…ウチのこと…愛してくれる?この間は、怒ったけど…ダーリンだったら…ウチ…どうなっても…。



黄色いリボンを結んだラムは…いつもと違う感じだった。放電する時より、もっと、こいつを…ラムを、感じていた。…トランス状態になる、ってのは…こんな感じ…なんだろうか?これからも、ずっと、黄色いリボンを使うか?
…いや、それはやめとこう。何か、こう…ラムの深みに、どっぷりはまってしまいそうな…そんな感じがするんだな…。
ラムの放電も、やっぱ捨てがたいしな…あれは敢えて言えば…こういう時の抑制剤、みたいなもんなんだろう…な。
こいつの放電や超能力が無かったら…オレとラムは、セックスするたびに…どうなるんだろうか…それはそれで…怖い気も、するな…。後戻り出来なくなる、そんなような…。
…やっぱこいつとは…出会うべくして、会っちまった…そんな気がするしな…。宇宙はこんなに広いってのに、な…。



「…ダー、リン…ウチ、まだ…ダーリンが…欲しい…っちゃ…」

ラムはあたるの傍らで横になりながら、片手をそっと、彼の股間に伸ばしていった。先までの交合でぬるついている陽の物を…ラムはゆっくり擦りだした。

「ちょっ…おい…ラム…」

「また、元気になったら…また、ウチのナカで…」

ラムがあたるをしごいている間、ふたりは軽く舌を絡め合った。そして、ラムのピンク色の乳首へと口を持っていったあたるは、彼女のそれを口に含み、赤ん坊のように吸い付いた。

「あ、ん…また…いっぱい、濡れて…きちゃう…ダーリン…」

「また…ラムが、リードするのか?」

「あ…ん…どっちでも…いいっちゃ…ダーリンの…好きに…して…」

UFO内の空調の暖かさと、行為による熱で、ふたりは全身汗だくになっていた。汗の匂いと、性交の体液の匂い。いつもより静かだが、深くて濃い、交わり。それが長々と続いている。
大晦日の夜は更け、どこからか除夜の鐘の音が、小さく聞こえてくる。

「まだ、鳴り始めたばっかりだから…108つまで、まだまだ…だっちゃ…」

「オレの煩悩の数と…どっちが多いと思う?」

「…ダーリンの方が…断然、多いっちゃ…くすっ…」

「そのオレと…こんな事やってるラムは…どうなんだよ?」

「ウチは…ダーリンと、してる時だけ…うーんと、エッチに…なるっちゃ…」

「ん…そうだな…」

「…ダーリンの、もう、元気になってきたっちゃ…ほら…」

「…んな事、わかっとるわ…」

ラムはあたるに身を任せた。彼女は腹這いになり、そのバックから…あたるは熱い襞の奥へと、入っていった。
何度も何度も…力強く、往復するあたる。ラムはシーツをぎゅっと掴み、噛み締めながら、あたるの突きを受け入れた。

「んんっ…んんんっ!!…ちゃあぁーーっ!!」

全身が震えるほどの快感…絶頂感が、ラムを襲った。頭を振り上げ、思わず悲鳴を上げてしまったラム。あたるもフラッシュバックを起こしながら、ラムのナカで、これ以上無いほどの勢いで、白い体液を発射させた。

「も、もう…だめぇ…ダー、リン…」

「オ、オレも…もう、ダメじゃ…」

「…もう、鐘は…108つ、鳴ったのけ?」

「…さぁ…んなもん、まったく聞いとらんかった…」

「でも、新年になったっちゃね…ダーリン、ハッピー・ニュー・イヤー…だっちゃ」

「ああ…そうだな…。ところで、そろそろ…」

「…そろそろ、何?」

「そのリボン、解くか?」

「…だっちゃね…こういうのも、たまには…いいけど…何か、すごかったから…」

「放電しとった方が、ラムらしいしな」

「普通のウチは、どうだったっちゃ?」

「…うーむ、とにかく…いつもと…違ってた、というか…一言で言うと…すごかった…」

「ダーリンだって…すごかったっちゃ…すご過ぎて…ちょっと…」

「ほんじゃ、ま…リボンのプレイは…これで一旦終わり、っちゅー事で…」

「一旦終わり?まだヤルつもりなのけ?ウチがそれ着けて?」

「嫌なのか?…たまにはいいだろ?」

「…う、ん…たま〜にだったら…。でもぉ…ダーリン、ものすごくなるから…」

「そんじゃ当分、お預けか?リボンは?」

「ウチはその方がいいっちゃ。ところでダーリン」

「何だ?」

「そのリボンがあったって事は〜もしかして〜…ウチの抜けたツノとか…昔ウチが作った人形とかも…」

「…も、持っとらんぞっ、そんなもんっ!」

「まだ“持ってるか?”なんて聞いて無いっちゃよ?って事は…やっぱり…うふっ♪ウチ、嬉しいっ♪」

「…うっ…(また…うっかりいらん事を…)」

そんな会話の後、あたるはラムのツノに結んだ“黄色いリボン”を、解いた。

「これでいつも通り、放電も出来るし、空も飛べるっちゃ♪って事は〜ダーリンが浮気したら〜、今まで放電しなかった分、たっぷり電撃お見舞い出来るっちゃ」

「…やっぱ、リボン、結んどくか?」

「だーめっ。それに〜…今年初めてのは…放電プレイで…うーんと、痺れさせてあげるっちゃ♪」

「それはそれで…楽しみなような…。しかし、ガールハントのたびに電撃リンチされる身にもなってみろっ!」

「だったら浮気やめればいいだけの話だっちゃ。簡単でしょ?ウチがいるんだし♪」

「いや、それは無理っ、絶対にっ!無理じゃっ!!」

「どーしてぇ?」

「煩悩が108つより多いからじゃっ!」

「…早速電撃リンチ、受けてみるけ?」

「…まだ何もしとらんだろーが…」

「冗談だっちゃ。それより…ウチが危なかった時、タイミング良く来てくれて…胸騒ぎがしたって…ホント?」

「…だから前にも言っただろ、何と無くわかる、と…。匂いとか、そんなんで」

「やっぱりダーリン、だーい好きっ♪それじゃ、ちょっと寝たら、早速初詣に行くっちゃ♪」

「…黄色いリボン、やっぱ、また結ばんか?…例えば、今日…とか」

「ガールハントしやすくするためでしょ?」

「…うっ…(どーして女っちゅーのはこうも勘が鋭いのだ?)」

「それは…ずーっと大事に取っておくっちゃ」

「何で?これからも使うからか?」

「そうじゃなくて…」

結局その後、黄色いリボンをふたりが使ったかどうかは定かではないが、ふたりを結ぶ“幸せの黄色いリボン”である事は…確かだろう。そんな風に、ラムは確信している。そして、あたるもきっと。

--- E N D ---

あとがき


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