マシュマロ・キャンディ (例えば・実家編その5)

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<<ACT.1>>

ホワイト・デー。それは日本の菓子業界が仕組んだ甘い罠。まるで「母の日があって父の日が無いのはおかしい」というレベルと一緒である。「バレンタイン司祭の愛を讃える行動が2月14日を彼の命日にしてしまった」それがなぜ「ちょこれーとで散財」という男女共に嬉しいんだかあまり嬉しくないんだかわからない年間行事に変貌したのは一体いつからだったのか。そしてそれの符丁のように菓子業界が再び奮闘する日、3月14日。それがホワイト・デー。

さて、前置きはともかくとして。諸星家の3月14日の様子。

「ラム、ほれっ」

「えっ、何?ダーリン」

“ポトッ…”

「はよ拾わんから落ちてしまったではないかっ。いらんのだったらオレが食うぞっ」

「だから今、何したっちゃ?」

あたるは床に落ちたものを摘み上げると、ラムの目の前にいかにも偉そうに“ずずいっ!”と突き出して見せた。

「のど飴じゃっ!しかものどすっきり、ビタミンC豊富っ!!風邪にはこれが一番じゃっ」

「だからそののど飴がどーしたっちゃ?」

「あーあれだ。今日は男にとっては非っ常〜〜にっ、面倒臭いっ!“ちょこれーとをもらったお返しをせねばならん日”だったろうが」

「…言ってる意味がさっぱりだっちゃ。…もしかしてそののど飴が、ダーリンからウチへの、お返しだって言うのけ!?」

「何だよ、飴玉かクッキーでもやれば十分だろ?それともこれじゃあ、お前は不満だと言うのかっ!?そんならオレが食う」

“ひょい、ぱくっ”

「あーーーっ!!ウチはまだいらない、なんて言ってなかったっちゃーーーっ!!ダ、ダーリンのぉぉぉぉーーーっ、バカーーーッ!!!」

そして相変わらずの事だが、あたるはラムの電撃で雄叫びを上げ、口から煙を吐いて、その場にばったり倒れた。

「い、いらなさそうな、言い方、するからじゃ…ごほっ」

「今まで飴玉1個だってくれた事なかったんだから、何の事だかわからなくて当たり前だっちゃ!そのたった1個を、ウチの返事も聞かないで〜勝手に食べるなんて〜〜!!」

「も、もう…代わりのもんは、無いぞ…げほっ…」

「もういいっちゃ!ダーリンから何かもらおう、なんて期待したウチがバカだったっちゃ!」

そして機嫌を損ねたラムは、窓を開けると冬の夜空に飛び立っていった。

「…飴玉1個食うたくらいで、ヘソ曲げんでもよかろーが、ラムのアホッ…」

そしてその晩、ラムはあたるの所へ戻ってこなかった。

んで、翌日。

「おはようございます、だっちゃ、お母様」

「おはよう、ラムちゃん。あたるなら今さっき仕事に出掛けたところよ」

「そうだと思って今戻ってきたっちゃ」

「あら、そう。…あらやだ、あたるったらお弁当忘れていったわ。ラムちゃん、悪いんだけど、後でこれ届けてくれないかしら?」

「ウチが?…別にいいけど…」

「ちょうどおかずが余ってるのよ。もう1個お弁当作るから、たまにはふたりで私のお弁当食べてみてちょうだいよ。ね?」

母親はふたりが夕べもケンカした事を知っていた。いつもの事とはいえ、母親なりの粋な計らいである。ラムはお昼少し前に、お弁当をふたつ持って、あたるの会社へと出掛けていった。そしてラムが出掛けた後、母親は肩をこきこき鳴らして家事の続きをしながら、独り言。

「まったく世話が焼けるったら…。ま、私が口出しする事でもないでしょうけど…」

ラムがあたるの会社が入っているビルの玄関前に降り立つと、ちょうど昼休みを告げる音楽が鳴った。玄関口からぞろぞろと出てくるサラリーマンたち。その中にあたるの姿が…あった。が、隣には制服姿の女性社員が並んで歩いているではないか。

「あっ、ダーリンッ!」

「げっ、ラムッ」

「それじゃあ諸星君、あたし友達と約束あるから〜。じゃーねー」

「あ、ちょっと〜一緒にお昼するって言ったじゃな〜い…って、おい、ラムッ、お前が来たからあの子が気を利かせて行ってしまったではないかっ」

「どー見たって、気を利かせてる風には見えなかったっちゃ。どーせしつこく声掛けたんでしょ?」

「ところで何じゃ、こんな時間に。オレ今から昼飯行くんだが…お前も…」

「はい、これっ。お母様から。ふたりで一緒に食べてこい、って」

「…何だよ、ガキじゃあるまいし…ラムと一緒に昼に弁当〜?どこで食うんだよ?」

「屋上とかベンチとか…どこでもいいっちゃ」

「そんなら屋上行くか?」

「うんっ♪」

そしてあたるはラムに抱えられ、ふたりして屋上に飛んで上がった。高い場所なので風が若干強かったが、見回してみると、女性や男性社員たちが昼のひと時を思い思いに過ごしていた。

「しかしなぁ…部外者のラムが…こんなとこにいる、っちゅーのも…しかも弁当持参で…」

「何照れてるっちゃ。まだ結婚してないけど、いつかはウチ手作りのお弁当持って、こうやって屋上で食べるんでしょ?」

「…誰がラムの作った弁当なんぞ…」

「ダーリンのそれ、中に一品だけ、ウチが作ったおかずが入ってるっちゃ。どれか当ててみて♪」

「…んなもん、すぐわかるわ。どーせ激辛なんだろ?」

「ふふっ♪そうかなぁ〜」

そしてあたるが弁当箱のふたを開けると。

「…ぶっ、何じゃこりゃ…」

「ウチの愛妻弁当だっちゃ♪ね、きれいでしょ?」

見ればご飯の上に、桜でんぶで描いたピンク色の大きなハートに、のりを刻んだ「I LOVE ダーリン」の文字が。

「…屋上で良かったわ…こんな恥ずかしいもん、人前で食えるかっ」

「せっかくきれいに作ったんだから、一口ずつじっくり味わって食べるっちゃ♪で、どれがウチの作ったおかずかわかるけ?」

「…これは高校時代から食ってた、母さんの味のアレだしな。これも…違う。…ん?」

ピクニック用のシートを持参してきたラムは、屋上の隅にそれを敷いてあたると並んで座り、彼が弁当のおかずをひとつずつ検証しながら食べていくのを、楽しそうに眺めていた。

「…これは、母さんの味付けと、ちょっと違うが…うん、美味い…」

「美味しい?ホント?それがウチが作ったおかずだっちゃ♪」

「マジッ!?これをラムが、ねぇ…」

「まだそれくらいしか出来ないけど…そのうちお母様の味、ぜーんぶ憶えるっちゃ♪じゃあウチもお弁当食べよっ♪」

「…これを、ラムが、ねぇ…。雨でも降らなきゃいいが…」

「そんなに意外?ウチがダーリンの口に合うもの作れたら変なのけ?素直に喜んでくれたらいいのに」

「うーむ…これをラムが…ねぇ。ふ〜〜ん…うん、ま、食えん事は無いよな…」

「さっき美味しい、って言ったくせに。素直じゃないっちゃ」

そうしてふたりはまったりした午後のひとときを過ごし、昼休み終了の音楽が鳴ると、ラムはあたるに手を振って帰っていった。そしてあたるは飛んでいくラムを見送りながら、ぼそりとひと言。

「ま、ラムにしたら…かなり…上出来…っちゅーか…。うん、美味かった。ごっそさん」

本人に聞かせず独り言のように言うのが、あたるらしいといえば、らしい。が、本当は…目の前でこう言って、あの満面の笑みを見てみたいとも思ってはいるのだが。


そしてその夜の諸星家にて。

「あたるっ、いっつもお弁当箱流しに置きっぱなしにして!たまには、ホント〜にたまでいいのよ、自分で洗うなり何なりしたらどうなのっ!?」

「あのねぇ、母さん。オレもう大人だぜ?ガキじゃあるまいし、今時母親の手作り弁当か?しかも今日はラムが持ってくるし…恥ずかしいったらないわっ」

「人が作ったものきれーに食べておいて、よく言うわね!それに私はあんたたちのっ!将来を思ってっ!作りたくも無いお弁当を作ってんじゃないのっ」

「オレとラムの将来と弁当と、どー関係あるってんだよ?」

「つまり少しは節約して、近い将来のために…とか、あるでしょう?あんた貯金してんの!?」

「んなもんあるわけなかろーが」

「貯金も無しっ!母さんのお弁当も恥ずかしいっ!?…それじゃあ、あんたはっ!一体、何を、どーしたら、満足いく、って、言うのかしらぁ?」

母親の目の色が変わってきた。社会人になり、なおかつラムとはずっと夫婦同然の仲だというのに、一向に進展させる様子の無い息子の発言に、苛立ちと開き直りがごっちゃになったような態度を母親は示した。

「いつまでもこの家に居座られたんじゃ、落ち着いた生活が出来ない、って言ってんの!わかってるの?あたるっ!」

「テンはいいのかよ?」

「あの子はあんたとケンカする以外は、おとなしいもんよ。そもそもっ!昔っから、同じレベルのケンカを仕掛けてたのは、あんたの方じゃなかったかしら!?」

「実の息子よりテンの肩持つってわけかよ、あーあー、わかりましたよっ!そのうちそちらのご期待通りに…」

「ご期待通りに?それから?」

「ご、ご期待通り、にっ…」

「男ならきっぱりさっぱりっ!腹決めて、いつまでに出ていくかどうするか、さっさと決めちゃいなさいっ!…まったく、女の子にちょっかい出すのだけは、何も考えずに行動するくせに…」

「余計なお世話じゃ…。あれは条件反射なのっ!そこに美人が歩いておればっ!身体が勝手に反応しっ!いつの間にかペンとアドレス帳を手に口が動いている、というわけなのっ!それをラムとの将来がどーのこーのと…」

「まさかもうデキてたりしないでしょうね!?」

「なっ、何がっ!?」

「赤ちゃんよ。あんたたちならいつデキてもおかしくないけど…私は嫌ですからね、この年で“おばあちゃん”なんて…絶対にっ!呼ばせないわよっ!そうそう、“お姉さん”とでも呼ばせようかしら」

あたるは母親の本音だから冗談だからわからない、少々どぎつくも飄々とした喋りに、正直少し振り回され始めていた。さすがはあたるの一枚も二枚も上をいく、産みの親、育ての親である。

「まったく、出ていけだの、ラムとの将来がどーだの、と…うるさいっちゃねぇなぁ…母さんは…」

風呂に入りながら、エコーのかかった声でそうぼやくあたる。そして自室に戻ってくると、そこにラムはいなかった。

「ラムのやつ、またUFOにでも行ってるんか?今日は特に怒らせるような事はしとらん、ちゅーに…」

それからしばらくして、ラムが窓から入ってきた。

「…どこ行っとったんじゃ…」

「UFOだっちゃ。こんな時間に他に行くとこ無いっちゃよ。それともウチが心配なのけ?」

「…だ〜れがっ…」

「ところでダーリン。もうホワイト・デーは終わっちゃったけどぉ…。今からでもいいっちゃよ?ダーリンからのお返し♪」

「お返し〜?で、何が欲しいんじゃ?…いつもと同じでいいか?」

「昨日の飴玉の方が良かったのに」

「…オレより飴玉がいい、と?」

「…そんな事言ってないっちゃよ。ね、ダーリン、あーーーん、して♪」

「やだ」

「せっかく普通ののど飴持ってきて…ダーリンから口移しで…もらおうかなぁ…なんて、思ったのに…バカ…」

「ホントーに普通の、何の変哲も無い、単なるのど飴か?」

「だっちゃ」

「ホントに?」

「ホントだっちゃ」

「マジで?ウソ偽り無く?」

「んもーーっ!いい加減ダーリンも疑い深いっちゃ!とにかくウチが普通の飴だって言ってるんだから、普通の飴玉だっちゃ!」

「…いや、今まで、たばかられてばかりだったからな、ついクセで…いや、条件反射じゃ。…今度だって怪しいもんだ…」

「とにかく黒コゲになる前に、口開けるっちゃ。はい、あーーーん♪」

“ポイッ、コロン、パクッ”

そしてあたるはラムが持ってきた飴玉を頬張った。

「ホントに普通の飴だったな………ん?」

「美味しいけ?ダーリン」

「ラム…お前また…たばかったなっ!?」

「ふふ〜ん♪昨日のお返しだっちゃ」

「一体今度は何がどーなる飴なんじゃっ!?」

「甘い甘〜い体験が出来る…飴玉だっちゃ。うふっ♪」

「弁当一緒に食っただけでじゅーぶんだろーがっ!しかもいつも通りで十分じゃっ!まっ、また妙な事に…なったり…。今度は何だっ!?幽体離脱かっ!?干支の動物か、それともオレの星座の可愛い子羊にでも変身するのかっ!?」

「何が可愛い子羊だっちゃ。可愛い子羊はウチの方で、ダーリンはエッチで凶暴な狼だっちゃ」

「とにかく何がどーなるかはまだわからんが!ロクな結果にならんのだけは目に見えておるっ!今すぐ解毒剤か何か、持ってこいっ!!」

「まぁまぁ、いいからいいから♪」

「お前が良くてもオレはちっともっ!良くないわーーーーっ!!」

「きっとものすごーく良くなってきて…そのうち文句言えなくなるっちゃよ…?」

「…ものすごーく良くなって…って、そうなのか?本当に?」

「…ウチもダーリンも…ものすごーく、良くなって…とろけそうになるっちゃ、きっと」

「…ホントに融けたりせんだろーな?」

「ホラー映画じゃあるまいし、そんなわけ無いっちゃよ。それにウチもさっき同じ飴玉食べてきたし…」

「な、何かこう…いい、匂いが…してこんか?甘いよーな、花みたいな…」

「何だか…ドキドキしてきたっちゃ、ウチ…」

“チュッ…”

ふたりは早速軽いキスをしてみた。

「さっきの飴の味が残ってんのか、ラムの口が甘いんだが…」

「ダーリンのも…甘いっちゃ…あ…」

甘いキスを堪能しながら…ふたりはゆっくり、静かに、その場に座り込み、胸を合わせた体勢できつく抱き合い、しばし深いキスを続けた。

躍るように戯れる舌。絡めてくすぐり合う。敏感な舌の表面で感じ合っているあたるとラム。次第に呼吸のリズムが早まり、吐く息の音量も少しずつ大きくなっていく。

“はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…ダァ、リン…”

“(ぺちょ、ぴちゅ、にちゅ、ぬちゅ…)…甘いな、今日の…ラムは…”

キスをしながら、声にならない声で対話するふたり。

「甘くて…大好き…ダーリン…」

「甘いから…だけか?」

「甘くて、甘くて…外も中もうーんと…甘い、から…大、好き…」

「ラムは…やぁらかくて…まるで…マシュマロ…みたいだな…。例えば、ここ…とか…」

“むにゅう…”

「ウチの胸…マシュマロみたい?マシュマロより…柔らかい?」

「口に入れたら…もっとよくわかるかもな…」

そしてあたるは…ラムの着衣を上から脱がしていった。白い首筋が出て、肩口が剥き出しになり…ストラップレスのブラが衣服と一緒にずり下ろされていく。

“ぶるんっ…”

衣服によって押さえられていた、たわわな乳房が、押さえるものが無くなると同時に、拘束から解放され、大きく弾き出された。

「あんまり、見たら…イヤだっちゃ…」

ラムは時々、すっかり慣れきったはずのあたるとの行為に、恥じらいを見せる事があった。そしてあたるも、そんなラムを見ると、妙に気恥ずかしいというか、ドキドキ感が増すというか、興奮インジケータの振幅がいつもより大きくなるというか…。

つまり(見るなと言われて見ない男がおるかっ!しっ、しかしっ、このそわそわ、わきわきした感じが高まっているのも確かなのだ…。いっ、いかん、ラムのやつ腕で胸を隠しおったっ!…この微妙にエロい押さえ込み具合と谷間がまた…何とも…。いや、とにかくここはいつも通り一気に押し倒し、後は成り行き任せで、くんずほぐれつじゃっ!)という事らしい。

そしてあたるの独白を行動で要約すると。

“ぐぁばっ!!”

…ほんの一瞬でかたがついた。

「んもうっ、ダーリンったら…電気くらい、消して…あっ…あんっ」

ラムを布団に押し倒したあたる、鼻息も荒く、ラムの衣服をせわしなく脱がしていった。

「甘くて…興奮する匂い…だな…ラム…。お前も、だろ?」

「ダーリンは、興奮したら…どうなるのけ?…ウチのこういう格好見て…」

「それはもちろん…興奮度が増せばいつものようになるに決まっとろーが…」

「…あんっ、あんまり…乱暴にしたら…イヤ…だっちゃ」

「とっ、とにかくこの興奮を一旦収めるには…ちょっ、ちょっと早いが…合体…するぞ?」

「…もうちょっと、いい言い方無いのけ?…合体、なんて…ムードがちっとも…無いんだから…」

「甘い匂いで興奮するのはヨシとして、ムードで盛り上がっていたら、いつまで経っても“合体”出来んだろうがっ」

そしてあたるは“スポンッ、スポンッ!”と衣服を脱ぎ捨てた。

「…す、すごいっちゃ、ダーリンの…」

そう、ラムが持ってきた飴玉のお陰かどうかはわからないが。

あたるの逸物は“すっごい”事に、なっていたのであった。


<<ACT.2>>

「ダーリンの…いつもより大きくて…それに…」

あたるは自身の逸物がいつもより逞しくそそり立っている様を見ると、一刻も早くラムと“合体”したい欲情が全身を駆け巡り、武者震いを起こした。

布団にペタリと座っているラム。その目の前に立っているあたる。ラムの眼前でいつもより太く長く勃起しているそれを見て、彼女は思わず“ごくり”とのどを鳴らした。

そしてその形状たるや。血管までもがいつもより太く浮き出し、それが螺旋を描いて、根元からくびれにかけてスパイラルの模様が浮き出していた。亀頭は、というと。尿道口からは、透明のねっとりした液体が染み出しており、それが甘く香っているのだ。まるで蜂蜜のように。

赤く火照った部分と白く浮き出した血管によって…あたるのそれは、まるで白と赤のねじり飴のようになっていた。が、あたるは今更そんな事に驚く風でもなく…いや、ラムの姦計にすっかり慣れてしまったといってもいいかもしれない。
肝心の逸物がいつもより力強く脈打ち、あたるは早くラムを貫きたい衝動と、それをラムに突き付けて彼女がうっとりする様を見下ろし、悦に浸っていた。

「ダーリンの…舐めてみたいっちゃ…」

ラムは可愛らしい口から舌を出すと、胸を隠していた腕を解いて、あたるの逸物に手を添え、先端を“ペロリ”とひと舐めした。

「…甘くて…美味しいっちゃ…」

“ぺろ、ぺろぺろ…ぺちょぺちょ…ぴちょぺちょ…ぺろぺろ…ぺろり…”

ラムの表情が次第に淫靡なものに変化していった。あたるの逸物を舐める行為に段々夢中になっていくラム。

「んっ、んっ…美味しいっちゃ…ダーリンの…」

「…オレの何が美味しいって?」

「ダーリンの…だめ…言えないっちゃ…ウチ…恥ずかしい…」

「恥ずかしい事をしとって…それくらい言えんのか?…ほれ…」

調子に乗ったあたるは、硬く勃起している逸物を、ラムの口に押し付けた。ラムは素直に、それを、可愛い口の中に受け入れた。

“ずずず…ずちゅうぅぅぅ…”

先端から甘い蜜を吸いだす音。ラムはあたるにすがるようにして、夢中で彼の逸物を愛した。ディープスロートでのどの奥まで飲み込み、全体をゆっくりねぶりながら元来た方向へ戻り、あたるの先端を唇で愛撫するラム。

「…甘くて…美味しい…っちゃ…」

どんどん淫らな“オンナ”になっていくラム。執拗にあたるの逸物をねぶり、舌で舐め回し、唇で吸い上げる。袋入りの飴玉のような陰嚢の片方を指先で転がしながら、もう片方を下方から上に向かって丹念に舐め上げていく。

「…はぁ、はぁ、はぁ……あっ、ちゃあぁっ!」

“どぷんっ!”

遂にあたるの先端から、大量の蜜がほとばしった。ラムの顔を濡らす、ねっとりした濃厚な蜜…。それがタラリタラリ…と、筋を引いて、彼女の首筋を落ち、胸元へとゆっくり流れていった。

「…いつもとちょっと…違うっちゃね…まるで、蜂蜜みたいで…甘くて…いい匂い…だっちゃ…あんっ…」

ラムは手の甲で口を拭うと、まだまだ元気なあたるの逸物を再びそっと握った。するとあたる、ラムの肩に手を掛け、彼女をゆっくり押し倒した。

「もうそろそろ…いいだろ?」

「うん…ダーリン、早く…来て…」

あたるがラムのカラダを抱くと、いつもより柔らかい。滑らかで張りはあるものの、まるでマシュマロのように、ほわほわした柔らかさなのだ。あたるの体液で濡れている胸をそっと掴んでみると、いつもと少し違う手応えに、彼は少々戸惑った。

「あんま揉んだら…まずいんじゃ…」

「大丈夫だっちゃ…」

そう聞いたあたるは、ラムの乳房を…“はむっ”と頬張った。するとラムの乳房や肌も、菓子のように甘いのだ。ジェリー・ビーンズのような乳首を口内で転がしながら、唇で吸い上げてやると、ラムは狂おしく乱れていった。

「ウチの…胸、に…そんな、に…いっぱい、キス…した、ら…あ、んっ…だめぇ…気、持ち…良くって…あぁんっ!」

あたるの耳に入るのは…ラムの甘く、か細く、時に弾き出すように、うめくように、出てくる声、声、声。

“ぬちっ…”

ラムの乳房や乳首を愛しながら、あたるの指先がラムのひだを割り開いた。既にたっぷり濡れて、ぬるぬるになっている女体の水源。潤った肉の花びら、つぼんでいながらひくついている、蜜を噴き出すラムの泉…。
浅く指を挿入し、ゆっくり掻き回してやると、ラムの乱れ方が一層激しくなった。

「あぁあぁぁあ、あぁあんんんっ!!ダーリンッ、ダーリンッ!!」

大きく開かれたラムの下肢、その中央にある蜜腺を、浅く深く往復するあたるの人差し指と中指。そして親指でラムの雌蕊…クリトリスを押さえてやると、ラムの全身がびくんびくんっ!と爆ぜた。あたるの3点攻めに、言葉にならない声を上げるラム。彼女の嬌声が、部屋に広がる。

「そ、んな、いっぱい…いじ、ったら…いっ…いっ…イッちゃ、う、ぅ、う、ぅぅ…あはぁーっ!!」

そしてラムは、放電する事も忘れて、あたるの巧みな攻め技で、軽くイッた。

「あ…あ、あ、ぁ…あ……もっと…もっと…だっちゃ…」

ラムはカラダをくねらせながら、あたるに“もっと、もっと”の言葉を連発して、行為をねだった。あたるも無我夢中でラムのマシュマロのようなカラダを思い切り抱き、愛した。

ふたりは乱れに乱れ、やがて…あたるの逞しくそそり立った硬い逸物が、ラムの蜜腺を押し広げ、彼女を貫いた。

「はぁんっ!もっと…もっとぉ…ダーリン…!」

やがてラムのカラダの各所からほとばしる、青白いスパーク。

“パリパリパリ…パシッ、パシッ、パシィッ!”

焼け付くような音を立てて、あたるに絡みつくラムの放電。そんな電流もあたるはものともせずラムを抱き、腰をひねりながら彼女のナカへと、自身を激しく送り込んだ。

あたるが往復する、ねじる、ひねる…。交差する陰部からは、ラムの蜜がいつも以上に溢れ、噴き出している。

“ぐしゅっ、ぐしゅっ、ぐしゅっ、ぐしゅっ…”

粘膜が擦れ合い、濃厚な水音が響く。夜の済んだ空気に、男女の営みの淫猥な音が…広がっていく。ラムが喘いでいる。あたるが息を荒げている。

やがて、ラムは力みながらあたるにしっかとしがみ付き、あたるの逸物がラムのナカに、甘い蜜を放出した…。

「…あ…甘、い…味、が…する…っちゃ…」

「…オ、オレ、も…」

そしてふたりの夜の営みは…激しく狂おしく、夜の静寂を乱して、続くのであった…。


<<ACT.3>>

全身で感じる、甘いエクスタシー。あたるとラム、ふたりは甘い官能の帷(とばり)に包まれ、闇夜の中でただひたすら、戯れ続けていた。性の悦びにその身を投じ、互いの甘い味と匂いを堪能しつつ、ふたりは男女の性の行為に夢中になっていた。

“ぬ゛、ぐぅ…ぐぢゅ、ぐしっ、ぐしっ、ぐしっ…”

「ダーリンのが…びく、びく、し、て…ひぁんっ!」

ねじり飴のようになったあたるの逸物が、ラムをえぐるようにしてねじ込まれている。表面で螺旋を描いた血管の凹凸が…ラムの内部を余す所無く擦り上げていく。

ラムは今まで感じた事の無い所まで届き当たってくる、あたるの逸物で、激しくよがった。思わぬ所を擦られると、ラムの放電が一瞬強まった。スパークが…花火のように闇夜を照らしながら、飛散している。まるで青白い炎で燃え上がっているような、ラム。そしてその炎に包まれ共に燃えている、あたる。

ラムは布団を乱してのた打ち回る。美しい肢体を反らしたり爆ぜさせたりしながら、先から何度も達していた。あたるの首に、胸に、背に、ラムのマーキングの赤い跡が残されていく。ラムのカラダにも、あたるからの愛の印が刻まれていく。

「はぁんっ…あぁあんぁんっ…!ダ、ダァリンッ!ウ、チ、ウチ…し、死ん、じゃうぅぅっ…!」

「…アホ…このくらい、でっ…死ぬわけ…なかろう…がっ…ふっ、んっ…!」

「愛、してる…好き…好き…大っ、好きっ…ダー、リンッ…いっぱい、いっぱい…いっぱい、いっぱいっ…あぁっ、あぁんっ!あっ、愛、して…はぁ、はぁ…はぁ…とっ、飛んじゃ、う、う、ぅ、ぅ、ぅ…うっ…!」

布団のシーツは既にぐちゃぐちゃに乱れ、波打ち、それに絡まれているラム。彼女は乱れたシーツを、ぎゅうっ、と握り締め、自分の中心で乱暴なくらいに送り込みを続けているあたるを、その名器で“きゅうぅぅ…”と絞った。

絞りながら、カラダをよじる。そしてころりと反転して、後背位の体位になり、まろみのある臀部をゆさゆさ揺らしながら、更にあたるを締め付け、ラム自身からも彼のモノに対して女体の技を繰り出した。

「…いいっ、ぞっ、ラッ、ムッ…くっ…ふんっ…!」

そしてラムはまたカラダをひねって、あたると交差位…いわゆる松葉崩しの体位になると、上半身をふわりと浮かした。

「あぁっ、ダーリンッ!」

ラムは仰向けになったあたるの上に、彼の逸物をくわえたまま軽く浮かび上がると、一旦逸物を抜きかけて、再びすとん…とカラダを落とした。

“ぐちゅ…”

対面騎乗位のラムは、少しの間自らカラダを揺すってあたるをしごいていたが、やがてまた、ふわりと軽く浮き上がると、彼の逸物を頬張ったまま全身をくるり…と、ゆっくり回転させていった。背面騎乗位からまたくるり…と回って、再びあたると対面する。その一連の動作は、あたるの逸物を締め付けながらねじり上げたので、彼はたちまちラムの中に、甘い蜜を勢い良く噴出させた。

「あ、甘い…っちゃ…。ウチの、ナカに…ダーリンの…甘いのが…入ってくる、のに…甘くて…美味し、く、感じ、る…っちゃ…」

ラムは天井を仰ぎながらうっとりした声色で、そう言った。

「…ラ…ラ、ム…」

あたるもラムもさすがに疲れが見えてきた。肩で息をしながら、それでもまだ接合を解こうとしない。繋がったまま、ラムはあたるに覆い被さり、キスをした。

「甘くて…とろけそう…。ウチ、このまま…融けて、も…いい…」

「…ラム…ラム…?」

夢か現か幻か。マシュマロのように柔らかいラムが、あたると融合しだしたのだ。あたるはラムを抱き締め…繋がりを解かないままで…ラムの甘い味と、香りを…そのカラダに受け止め、受け入れ…やがて、一体になったような…そんな、気がした。

融け合いながら、あたるは心で思っていた。

(…このまま、融け合って…ひとつに、なっても…まぁ、いいか…)と…。


あれは夢だったのだろうか。翌朝、夜明け過ぎの薄っすらした明るさの中、あたるが目を覚ましてみると、彼の隣でラムが心地良さげに静かな寝息を立てていた。

「…やっぱ、夢…それとも幻…だったんかな…?」

それから間も無くして、ラムが目を覚ました。

「…あん、ダーリン…。どうしたっちゃ?…ウチの顔に何か付いてるのけ?」

「夕べの事…憶えとるか?」

「…うん、ダーリンとひとつになっていったっちゃ…ウチとダーリンが…融け合って…」

「それじゃあ、あれは…本当だったのか…。一体どーなっとるんじゃ…?」

「どうって…夕べやった通りだっちゃよ?何かマズかったけ?ウチは甘くて美味しくて、すっごく…良かったけど…」

「…やっぱ、ラムの持ってくるもんは食うべきではない事が、これではっきりしたっ!」

「何で?どうしてぇ〜?数時間で効果が消える飴だったんだし、ダーリンもウチも元に戻ってるでしょ?」

「そういや…オレのアレは…」

あたるは恐る恐る、上掛けをめくって自身のモノを確認した。

「…ほっ…ちゃんと元に戻っとるわ…。とにかくっ!もう〜〜っ!ラムの持ってくるもんはぜーーーったいにっ!食わんっ!飲んだり塗ったり貼ったりもせんっ!とにかくお前が持ってくるもんにロクなもんは無い、っちゅーんじゃっ!」

「でもダーリンだって…変なもの使った事あるでしょ?それでもウチだけが悪いのけっ!?」

「オレの体質に合ってれば、それでいいんじゃっ!」

「もーーーーっ!勝手な事ばっかり言ってーーーーっ!!朝一番の電撃浴びたいのけっ!?」

「…それにしても…アレだ…ラム、お前…すごかったな…」

「…ダーリンだって…すごかったっちゃよ…」

「あの締め付け具合が…何とも…」

「ダーリンの…アレ…いつもより…良かったっちゃ…」

「何っ!?いつもよりっ!?いつもよりっ、とはどーゆー事じゃっ!」

「もちろんいつも、すっごいけどぉ…夕べは特に…だっちゃ…うふっ♪」

「…あの飴は、後遺症とか出ないのか?解毒剤とかはちゃんとあるのか?ホントーーーーにっ!数時間で効果が消えるのかっ!?」

「どうしたっちゃ、急に真剣な顔して。あ、もしかして…」

「もしかもカモシカもないわっ。そうじゃっ、あれはまだ残ってんのかっ!?」

「あれ、ホワイト・デーの仕返しに…と思って作ったから、もう無いっちゃ」

「また作れんのかっ!?」

「…どっかにメモが残ってれば作れると思うけどぉ…」

「…もしかして、目分量…か?あれは…」

「あれはああいうレシピをメモしてきて…あっ」

「どした?」

「あ、あははっ、あはははは〜、何でも無いっちゃ〜♪」

「…その笑いは、絶対何か隠しとるな…」

そう、ラムはあの飴のレシピを、メモした時の事を思い出していた。

(そういえば〜よくわからない材料がひとつあったっちゃ…。名前の似たやつ適当に使ったけど〜やっぱりアレのせいだったのかなぁ〜…。こんな事、ダーリンに言ったら…ぜーーーったいに、怒るっちゃ…。黙ってるのが、平和のためだっちゃ…ふぅ〜…)

その後、特に大きな後遺症は出ないと思っていた…が。

「あのな、ラム…汗が妙にベタつくんだが…」

「ああ、もう少ししたら、きっと元に戻るっちゃよ…あはははは♪」

「な〜にが“あははは〜”じゃっ!しかもっ!こないだやった会社の健康診断で、糖尿だと言われてしまったではないかっ!オレは正常だっ、ちゅーんじゃ!」

「それもきっと、もうちょっとで〜元に戻るっちゃ〜あははは〜」

「やっぱもうやめとくわ…こないだは…ちびっとだけ乗り気だったが…。結局副作用が出てしまったではないかっ!!もしくは後遺症かっ!?いや、んな事はどーでもいいんじゃっ!!とにかくオレが元に戻るまで、きっちりっ!責任とってもらおうではないかっ!」

「責任とる、ってどうやって何をするっちゃ?」

「…こないだの締め付けやひねりはいつもより良かったんじゃっ!お前もしかして普段手ぇ抜いてんじゃないかっ!?」

「…わかったっちゃ。別に普段手を抜いてたわけじゃないけど…ダーリンがそう言うんなら…ちゃんとアソコ…鍛えるっちゃよ」

「き、鍛える…って、どーやって?オレとヤッて、か?」

「それでもいいけどぉ…ちゃんと鍛えられる道具があるっちゃ。それでウチがパワーアップすればいいんでしょ?」

「パ、パワーアップ…で、ほどよい痺れ加減がそこに加われば…かっ、完璧じゃ〜〜…ふっ、ふふふふっ…うひっ、うひょひょひょっ…」

「その代わりダーリンにもちゃーんと頑張ってもらわないと…で、前に勧めたウチの星のパンツ、履いてみるけ?虎縞模様の鬼のパンツ」

「オレは鍛えんでも十分じゃっ!…そんじゃま、そういう事で…パワーアップする前にとりあえず…」

「どーせなら手っ取り早い方法…筋肉増強剤でも使ってみるっちゃ。ダーリンも使ってみるけ?」

「嫌じゃっ!そんなもん使ったら、互いにどーなるかくらい、わからんのかーーーーっ!!!」

ラムがかつて使った“筋肉増強剤”。効果は3分しかもたないが、その威力は絶大で、あの“くちびる番長”をぶっ飛ばしたくらいなのだから…もし、ラムが…あたるが…使ったとしたら。

それはこれを読んでいる各々で、自由に想像されたし。

--- E N D ---

あとがき


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