(例えば・20)一生モノ


「ラムの一張羅というのは、一体何年くらいもつんだ?」

「さぁ〜、よくわからんちゃ」

「一張羅というからには、一生モンじゃないのか?」

「そんなにもつわけないっちゃ」

「洗濯は?」

「一張羅だもん、しなくてもいいように出来てるっちゃよ」

「…っつー事は、汗とか…匂いとか…そのまんま、か?」

「そんな事聞いてどーするっちゃ?ダーリン」

「そういやむかーし1度だけ洗濯して干しておるのを見た事はあったけどな…」

「終太郎の幼馴染みの、トンちゃんに取られた時け?」

「…そ」

「だって潮風で海の匂いが付いたからだっちゃ」

「…海の匂いの方が嫌、っちゅー事か?」

「ついでだから洗濯しただけだっちゃよ。随分こだわるっちゃね〜ダーリン。何で?」

「いや、実は昔から気になっておったからな、何で一張羅なのかが」

とまぁ、実にくだらない事ではあるが、ある日のあたるとラムはこんな会話をしていた。

「その服も一張羅なのか?ビキニと一緒で」

「そうだっちゃ」

「チャイナドレスだったら…歳取ってからも着るだろ?…っつー事は…既に一生モンか?それは」

「一応予備くらい持ってるっちゃ」

「あ、そ」

「それよりやたら一張羅、一生モノ、って事にこだわるダーリン、今日は何か変だっちゃ」

「前々から気になっておったからなぁ…お前スペア持ってなかったろ?ビキニの」

「だからどーしてこだわるっちゃ?」

「無くしたり破れたらどーするのかと思って、な」

「だったら地球の下着、着ればいいだけの話だっちゃよ」

「しかしお前、ガサツだった割には…よく無くさなかったな。電撃でも破れたりせんし」

「地球のものとは作りが違うっちゃ。電撃くらいで破れる地球の服の方が、やわだっちゃよ」

「そりゃラムの星の科学力なら、そのくらいの生地は作れん事無いだろうけどな。で、そこでだ」

「何だっちゃ?」

「ラムの一張羅と同じ生地で、下着とか服を作って売る、っちゅーのはどーだ?」

「何言うかと思ったらそういう事け。でも虎縞柄しか無いっちゃよ?」

「だから地球人の好みに合わせて柄を変えてみるとか…出来るだろ?」

「で、それで商売でもするつもりけ?」

「会社の仕事もつまらんしなー」

「今の収入で、とりあえずは大丈夫なのに。それ以上仕事増やしてどーするっちゃ」

「とにかくオレが試しに何か作ってみるから、ラム、生地を用意しなさいっ」

「いきなり偉そうになったっちゃね。別にいいけど、2、3日待って欲しいっちゃ」

するとあたるはにんまり笑って、ラムの両肩に両手をかけて、ぽんぽん、と叩いた。

「ダーリン、笑い顔が何だかやらしいっちゃ。何考えてるっちゃ…まったくもう…」

「ま、楽しみにしてなさ〜〜い♪にゃはははは〜♪」

「…大体考えてる事はわかる気がするけど…思いっきりやらしい笑顔だっちゃ」

ラムは半ば呆れたような顔をしてみせたが、その日のうちに母星に生地を発注した。


次の休みの日、あたるは朝からラムが取り寄せた生地で早速何か作り始めた。

「何作ってるっちゃ?ダーリン」

「出来てからのお楽しみっ!」

「ねぇ、見せてったら〜見せてっちゃ、ダーリン♪」

「…まぁ、もうちっと待て」

そしてしばらくすると、あたるの手によって…あるものが出来た。

「ほれ、どうじゃっ!さすがはオレ、器用なもんだろ♪」

「…何だっちゃ、それは…ヒモ…それに三角形で……あーーーーっ!」

「そ、とりあえずお前のサイズに合わせて作ってみたっ!ヒモパンツじゃっ!ブラもあるぞっ」

「…別にそれ着けてみてもいいけど…ダーリンの趣味丸出しだっちゃ…」

「何っ!今着けるとっ!今すぐ着替えてみるとっ!そうかそうか♪」

「んも〜、ちょっと待ってるっちゃ、あっちで着替えてくるから」

「何でオレに隠れて着替えにゃならんのじゃ」

「だってぇ…何と無く恥ずかしいっちゃよ」

「…何を今更…」

そしてラムはあたるから見えない場所で、彼が作った下着に着替えた。

「…ダーリン、これ…」

「おっ、ちょうどいいではないかっ」

「あのね…ここのところに…切れ込みが入ってるっちゃ…」

「つまりそういう下着じゃっ。嫌なのか?」

「だって何だか…まだ明るいのに、恥ずかしいっちゃ…」

UFOから引っ越してきた2LDKのアパート。ラムとあたるは寝室にしている部屋で、そんな会話を交わしていた。

「明るいのが嫌だったら…戸を閉めればいいだろ?」

「だってぇ〜、もうっ、ダーリンったら…エッチなんだから」

「…男はエッチでなんぼじゃ。だろ?」

「何言ってるっちゃ、バカッ…」

そしてあたるは部屋のカーテンを引き、部屋の引き戸を閉めた。いくらか薄暗くなった部屋の中、ラムはひざまづくとあたるに両手を掛けて、しなだれかかった。

「もう今から?」

「嫌か?」

「ううん…ダーリンとなら、いつでも…いいっちゃ…うふっ♪」

ラムはあたるに甘えるように、座ったままの姿勢でカラダを密着させた。数え切れないほど何度も味わった、互いのキスの味。軽いフレンチ・キッスをしながら、互いの口唇を軽く吸い、ねぶる。あたるはラムの腰を抱き、やがてふたりのキスは深いものへと移行していった。

「…シャワー…浴びて、ない、けど…いいっちゃ?…んっ、う、んっ…」

「…そんなに…変わらんだろ…」

あたるはそう言いながら、ラムをゆっくり横たわらせた。彼女の頬に手を添えて、深いキスを続ける。躍るように絡み合う舌同士が、あたるとラムの“繋がりたい”欲求を高めていく。

「あ、あ…あぁ…ダーリン、ダーリン…ダー、リン…」

ラムからの電流による愛撫は、彼女の手のひら、指先から、あたるのカラダに与えられていき、ラムの指先が軽く食い込んだ部分には、赤い跡が付いた。

「…ダーリンの…バカ…」

そう言われたあたるは、一旦キスを解いて、言った。

「…何でいきなり…バカ、なんじゃ…」

「…ダーリン、も…声、出して…ウチので、感じてる…声、出して欲しい…っちゃ…」

「…そんな…恥ずかしい真似が…出来る、か…」

するとラムは、ふわりと浮いてくるりと回転し、あたるを下にしてその上に軽く圧し掛かった。そして彼のシャツのボタンを外していき、露出した胸元のふたつの点に、交互にキスを与えた。もちろん口唇から軽く電気を流しながら。

「…ちょっ、ラム、ぅ…」

ラムは淫靡にくすりと笑いながら、あたるの衣服を脱がし、胸元や脇腹に、電流を含んだキスを…何度も何度もした。

「ほら…ダーリンだって…感じてるくせに…。ズボンの中が、濡れてきてるっちゃ…」

「…うっ…ラム、やめん、かっ…」

カラダを起こしたラムは、あたるのズボンと下着をするすると脱がしていった。既に大きく硬くなってそそり立っている逸物は、先走り汁で、ぬらりと濡れている。

「…もっと、感じて…ダーリン…。声、出して…」

ラムは電気を零している手のひら、指先を、あたるの全身に這わせながら、片手で逸物をそっと握った。

「…感じてるっちゃ?ダーリン…。もうちょっと…ガマン、して…」

「…ガ、ガマンにも…限界…っちゅーもんが…う、あ…ラ、ム、ぅ…」

「いつも、ウチばっかり…声、出して…恥ずかしいっちゃ…。だから、ダーリンの…バカ…」

ラムの滑らかな手のひら、細い指先が、あたるの逸物をするすると擦る。擦りながら微弱な電流を送る。あたるはますますガマン出来なくなり、遂にがばっと起き上がると、素早くラムの両足を広げ、パンティの当て布に入れたタテの切れ込み部分から、彼女の陰部を割り開いた。

「ちゃっ…やんっ、ダーリンの…バカァ…」

部屋に飛散するラムのスパークが、空間を満たしていく。そんな事にもお構いなく、あたるはパンティの切れ込みから、自身の息子を挿入した。

「あんまり…焦らすなよ…もうちっとで…だったんだぞ…」

挿入しながら、あたるはラムのブラ前面に付いている結び紐を解いた。はらりと開かれたラムの乳房。その白くて丸い乳房と、薄紅色の頂点からも、チリチリと細かな電流が零れている。

「オレを焦らした罰じゃ…覚悟せーよ、ラム…」


「あ…あ…はぁん…ダーリンが…ウチの、ナカ、に…入って…くる…っちゃ…」

あたるはラムの蜜管の奥まで入ると、ラムの顔をちらっと見た。互いに上気して薄っすら汗ばんでいる。ラムの瞳が心なし、うるんで見える。

「ダァリン、の…バ、カ…」

ラムの蜜管も、電気のぴりぴりした刺激に満ちており、それがあたるの逸物に直に伝わってくる。そして一旦あたるに伝わった刺激が、彼の逸物からラムの蜜管やその奥に、伝導する。

(…いい、具合に、締まって…しかも、放電が…いい、ぞ…)

ぐいぐいと腰を使ってラムとの交合を続けるあたるは、そんな事をふと思った。そして間も無く自身をしごく事に集中しだした。

「ダーリン…ダーリン、ダーリン…あはぁっ!ダーリーーンッ!!」

揺すられているラムは今にも泣きそうな声で喘ぎ、啼(な)き、セックスによる悶えの声を引っ切り無しに漏らした。

「いやぁ…だめぇ…そこ、がっ…あ、あぁっ!…い、いい…っちゃ……ダーリンッ!!」

ふたりきりの部屋とはいえ…まだ明るい時間の濃密なセックス。ラムは声量を抑えるでもなく、あたるの攻めで、軽いオーガズムを何度か迎えていた。

「あぁんっ!だめぇーーー!飛んじゃうぅぅーーーーっ!!」

ラムの放電で青白く光っているふたり。飛散したラムのスパークが空気中で爆ぜた。パシッ!パチッ!という乾いた音が…不規則に聞こえてくる。今日一番のオーガズムに達したラムは、ひと声叫ぶと、脱力し、同じく達したあたるにしっかと抱き着いた。

「ダーリン…ダーリン…」

あたるの耳元で、切なげに、ラムは彼の名を呼んだ。

「ダーリン…ダーリン…ウチ…ウチね…」

「…何だ?」

「ダーリンが地球にいてくれて…本当に良かった…って思ってるっちゃ…」

「何だよ、今更…」

「もし、鬼ごっこの相手が…ダーリンじゃ、なかったら…」

「それはもう、うんと昔の話だろ?」

「うん…。だから今…ウチ、とっても…幸せだっちゃ…」

そこまで言うと、ラムはあたるにキスをした。そしてまた…燃え上がるようなキスが引き金となって…あたるの愛撫が始まった。

「あぁ…いい…っちゃ…」

あたるはラムの肌に赤い花びらを散らし、彼女の乳首を尖らせ、陰核を勃起させ…ラムの全身を隈なく愛した。そしてラムが乾く間も無く、2度目の接合。今度はパンティも外し、ふたりは全裸で抱き合った。

アクロバティックともいえる、さまざまな体位で交わるあたるとラム。汗だくの肌を合わせ、座位で繋がり、そしてまたラムのバックから攻めるあたる。そしていつの間にか…外は暗くなっていた。あまりにも夢中だったので、ふたりは部屋の暗さなど気になっていなかったようだ。

「…ダーリン…ダーリン…ねぇ、ダーリン、ったら…」

「…な、何だ…?」

「時計…見えるっちゃ?今…何時?」

「そういや…腹が減ってきたような……げっ、もうこんな時間かっ!?」

「ウチもお腹空いてきたっちゃ。そろそろ晩御飯に…」

「今から作るのも遅いぞ?外に食いに行くか?」

「そんな時間なのけ?」

「…そういう事…」

「じゃあ、外で食事しよ、ダーリン」

そしてふたりはシャワーを浴び、簡単に身支度を整えると、食事に出掛けた。


食事を終えた帰り道。ラムはあたるに腕を絡ませて歩いていた。

「ね、ダーリン。今日はうーんと…エッチだったっちゃ」

「アホッ、歩きながら言うやつがあるかっ」

「周りに誰もいないんだから、大丈夫だっちゃ」

「外で、んな事言うやつがあるか…」

「ね、ダーリン、ちょっとそこの公園で休んでいくっちゃ。ちょっと待ってて」

そしてラムは自動販売機で飲み物をふたつ買ってくると、あたるの手を取って公園のベンチに座った。

「ダーリン、ホントにあんな下着…作って売るのけ?」

「何で?」

「だってぇ…ちょっとエッチ過ぎだっちゃ。特に…パンティが」

「だからそういう時用のもんも、実際あるだろ?あーんなパンティとか」

「何で知ってるっちゃ?」

「知らいでかっ」

「まさか〜…他の女のパンティ見たんじゃないのけっ!?」

「…アホか…んなわけあるかっ」

「じゃあ…ウチで使ってみただけ?」

「あんなもん普段から着けてるやつがあるかっ」

「…ウチがもし、今アレ着けてたら?」

「つっ、着けてんのかっ!?」

「そんなわけ無いっちゃよ。明日洗濯するから置いてきたに決まってるっちゃ」

「あ、そ…」

「それとも今着けてたら〜、ここで…エッチな事…したかったのけ?ダーリンは」

「えっ…」

「顔に出てるっちゃ。図星?」

「…よくよく見ると…あちこちに…カップルが、な…」

「カップルが?いるのけ?」

「しかも…」

「あーっ!もしかして見てたのけっ!?」

「しーーーっ!バカッ、声がでかいっ!」

「…だったら、ちょっとだけ…人目につかない所…行ってみるっちゃ?」

「…うっ…いや、その、何だ…外で、っちゅーのも…なぁ?」

「何が“なぁ?”だっちゃ。エッチな事しか考えて無いんだから」

それからふたりは公園内を隈なく歩いてみたが…ちょうど良さげな場所には既に先客がいたりして…なかなかいい場所が見つからなかった。

「…しょーがねーなぁ…どいつもこいつも…」

「何言ってるっちゃ。ダーリンだって…その気だったくせにっ」

「ラムは違う、っちゅーのかっ!?」

「…えっ、えーっと、ウチは…」

「さっきから“この場所どうけ?”とか言っておったくせに」

「でも結局、先に人がいて…向うは気が付いてなかったみたいだけど」

「そりゃまぁ…あっちの方に夢中になっとるだろうからなぁ…」

そんな話をしながら、ラムは1本の樹に寄り掛かった。

「誰も気が付かないんだったら…」

「だったら?」

「…ここでも、いいっちゃよ?ダーリン…」

「…しかし、立ったまんま、ちゅーのは…目立つぞ?きっと」

「暗いんだから…大丈夫だっちゃよ…」

「そ、そうか?…ごほっ…そ、それじゃあ、ここで、ちらっと…」

そしてラムが樹に寄り掛かった体勢のまま…ふたりは立位で…。

「んっ…ん…」

ラムの声が漏れないよう、キスで口を塞ぎ、事を遂行するあたる。と、急にラムが、あたるを押しやってキスを解いた。

「…どしたんだ?」

「樹の幹に、服引っ掛けたっちゃ…」

「どれ?」

「ほら、背中…」

「おい、ちょっと…血が出てんじゃないか?」

「どうりで痛いと思ったっちゃ」

「…もう、帰るか?」

「…うん…」

明るい所に出てみると、確かにラムの背中側の生地が裂けて、薄っすら血がにじんでいた。

「大丈夫か?」

「帰ったら手当てしてね♪ダーリン」

「痛いんだろ?やけに嬉しそうだな…」

「だって、ダーリンが心配してくれるから、嬉しいっちゃ♪」

「お前なぁ、血が出てんだぞっ!?」

「大した事無いっちゃよ。多分」

「…多分って…あのなぁ…」

そしてふたりは、新居のアパートに帰ってきた。ドアの鍵を開けて中に入ろうとした時、聞きなれた声が…。

「あら、今晩は〜」

「(ちゃっ!前のアパートにいた、お隣の奥さんだっちゃ〜)…こ、今晩は〜だっちゃ〜」

そう、以前ラムの電撃で半壊したアパートの、隣室に住んでいた夫婦が、またしても同じアパートに引っ越してきていたのであった。

「今日引越しだったんですのよ〜。それにしても奇遇ねぇ〜、またお隣だなんて〜」

「あ、あははは…よ、よろしくお願いします、っちゃっ」

ラムは引きつった笑顔で、彼女の話に受け答えした。どうやらランに似た雰囲気の女性だから苦手らしいのだ。

「引越しのご挨拶は明日周らせていただきますけど〜、今日もまた、電気系統が不安定だったのよね〜、明るい時間からっ」

「そ、そうなのけ?」

「そうなのよ〜。もちろんお宅はっ!大丈夫だったでしょうけど〜」

(やーっぱり相変わらずだっちゃ〜、この奥さん、ランちゃんに似てて、どうも苦手だっちゃ〜)

そして互いに軽く挨拶を交わすと、それぞれの部屋へと入っていった。


ラムの傷は本当に大した事は無かったが、虎縞柄のチャイナドレスの一部がタテに裂けて破れていた。

「一生モンの丈夫な服じゃなかったのか?それは」

「たまにはこういう事もあるっちゃ」

「あのくらいで破れてたら…それほど丈夫とも言えんなぁ…」

「だからたまたまだっちゃよ。生地は昔のビキニやブーツと同じなんだし、一生着の身着のままでも大丈夫だっちゃ」

「だけどたまには洗濯とか必要なんだろ?」

「そりゃたまには洗濯くらいするっちゃ」

「まぁそれはいいとして…ラムに作った下着と同じやつを…また作ってみるかな…」

「やっぱりバイトするのけ?」

「やはりオレにはこっちの方が性に合っとるよーな気がするんでなー」

「ウチの星は虎縞柄が普通だからいいけど、地球人向けだったら虎縞柄はどーかと思うっちゃ」

「とりあえず虎縞柄の勝負下着っ!ちゅー事で作ってみてもいいんじゃないか?」

「売れなくても、ウチは知らないっちゃよ〜」

「オレはこれなら、売り込む自信はあるんじゃっ!」

「…そうだっちゃねぇ…ふぅ…でも赤字にだけはしないで欲しいっちゃ。家計に響くんだし」

それからしばらくの間、あたるはとっとと会社から帰ってくると、せっせと内職に精を出した。

「いくら趣味と実益兼ねてるからって…そのうち倒れても知らないっちゃよ?」

「だーいじょうぶだって。それにぼちぼち売れてきたしな」

「どこで?」

「もちろん!アダルト用下着の店に売り込みに行って、そこに置いてもらっとるわけ」

「…そういうのは行動力あるっちゃ…って事は〜それ持って会社行ってるのけっ!?」

「ばれなきゃいいんじゃ、ばれなきゃ」

「まさか会社でも売ってたりとか…」

「…ま、口止め料込みで、少し安くしてるけどな」

「やっぱりだっちゃ…」

その後、売れ行きはまずまずだったらしい。が、ラムの提案で、1度自分に売り上げを渡すよう、あたるは言い渡されていた。それをしないと、超ド級の電撃だと言うからだ。それプラス「エッチは当分無しにするっちゃ!」との事らしい。

「おい、ラム。あの渡した金はどうしたんだ?オレ、小遣いがちっと足りんのだが…」

「あー、あれだったら、ダーリンの借金の返済と、将来一軒家がいいから、そっちに回したっちゃ」

「な、な、何ーーーーーっ!オレが汗水垂らして内職して得た金を、そんな事のために使ったのかっ!!」

「そんな事、って、借金作ったのはダーリンなんだし、いつまでもアパートってわけにもいかないでしょ?」

「いいだろ?ふたりきりなんだから、当分アパートでも」

「…まだ当分はいいけど…ね、ダーリン」

「何じゃ…?」

「ウチね…赤ちゃん…出来たみたい…なんだっちゃ♪ふふっ♪」

「…何っ!?で、で…出来た、のかっ!?」

「だっちゃ」

「ホンットーに、今度はホントかっ!?前みたいに勘違いだった、てんじゃ無いだろーなぁ?」

「だっちゃ♪」

「で、男なのか女なのかっ!?」

「それは内緒♪ウチも産まれるまでわからないように、先生にお願いしといたっちゃ」

「うーむ、そうすると…当分、アッチは…無し、か…」

「安定するまでやめといた方がいいって、先生言ってたっちゃ」

「…うーむ、これからの事も…アレだが…当分、無し…か…」

「だからって浮気なんかしたりしたら〜〜〜っ!!」

「わっ、わっ!わーっ!わかった、わかったから、電撃だけはっ!出すなよっ!!」

「どして?」

「お腹の赤ん坊に何かあったらどーするんじゃっ!!地球人との混血なんだぞっ!?」

「ダーリン、急に態度変わったっちゃ。変なの〜」

「オレは当分…セックスはガマンするとして、だ…。お前は電撃と、タバスコ等々辛いもんは禁止じゃっ!」

「えーっ、タバスコくらい、いいでしょ?」

「だめっ!ぜーーーーーったいに、ダメッ!ダメなもんはダメッ!!」

「んもー、ストレス溜まりそうだっちゃ…。ね、辛子とかわさびは?」

「それもダメッ!」

「だったら何食べたらいいっちゃ」

「それから梅干もダメッ!!」

「ダメ、ダメ、ばっかりだっちゃ。そう言われてるだけで…だんだんストレス溜まってきそうだっちゃ…」

「いくらラムが辛いもん平気だからってなぁ、お腹の子まで平気とは限らんのだぞっ!?わかってんのか?」

「じゃあ、絶対浮気しないで、毎日早く帰ってきてね♪」

「…ガールハントもダメか?」

「ウチにばっかり“ダメッ”って言っておいてっ!当たり前だっちゃーーーーっ!!」

こうしてラムとあたるの、試行錯誤の日々が始まったのであった。

虎縞柄のチャイナドレスはちょっとした事で破れてしまったが…ラムはそれからも同じデザインの服を着続けた。妊娠中のマタニティ服を除いては。

そしてチャイナドレスは、ラムにとって一生着る“一張羅”であり“一生モノ”だ。ある程度、歳を取ってもきっと同じデザインのものを着続けるのだろう。
そしてあたるとラムのふたりにとっては、お互いが、掛け替えの無い“一生モノ”。子供が産まれても、歳を取っても、ふたりと同じ人間はいない。

お互いがお互いの“真の一生モノ”である事は…間違いの無い事実だろう。

--- E N D ---

あとがき


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