ねことおおかみの夜2〜美味しい関係〜


(前回まではこちら「ねことおおかみの夜〜月夜の亜空間〜」)

あたるはラムを焦らした。手を添えた逸物をラムの谷間に宛がいながらも、なかなか入れようとしない。じれったい様子のラムは、ひと言こう呟いた。

「…ダーリンの…意地悪…」

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ラムの谷間はすっかりぐずぐずに濡れている。ねっとりしたラヴ・ジュースが糸を引く。あたるは逸物先端をラムの肉芽に当てて、何度も擦り付けた。

「あっあっ、いやぁ…気持ち、いいっ…あぁんっあんっ!ダーリンッ!ダーリンッ!」

更に溢れるラムのラヴ・ジュースがとろりと滴り落ちて、シーツを濡らしている。

「…オレもっ…辛抱たまらん、がっ…こっ、これが、また…」

ラムの肉芽はあっと言う間に赤く膨れ上がり、あたるの逸物に適度な刺激を与えてくるのだ。電気を含んだラムの…肉芽。そして、ラヴ・ジュース。それがあたるの息子を包み込み、ほどよく痺れさせている。

「…このっ、痺れが、またっ…」

「…ウチ、の…アソコ、から…ピリピリしたのが…伝わって、きて…あっあっ…美味しいっちゃぁ…」

電気を美味と感じるラムの体質が、彼女にそんなセリフを言わせた。舌を突き出したラムは、淫靡な仕草で、口唇周りをペロリ…と舐め回し、陰部で感じる電気の味をカラダで味わっているようだ。

「ダーリン…ダーリン…早、く…もっと、美味しいの…ちょうだい…」

ラムからあたるに流れ、また逆流してくる自身の電気を美味しいと感じているラム。その彼女の表情は恍惚を通り越した官能の悦びに溢れていた。それから少しして、あたるの陰核攻めで、ラムはまた軽い絶頂に達した。

うわ言のようにあたるを呼び続けるラム。ふるふると震えるカラダを右に左によじる度に、シーツが軽い衣擦れの音を立てる。

「ウチの、ナカに…ちょうだい…。ダーリンを…いっぱい…」

「…ああ…」

それから間も無くして、ラムのラヴ・ジュースの原泉に、あたるの逸物が“ぬぷり…”と入っていった。

「はぁんっ、あぁんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ!」

あたるがカラダを揺すると、ラムは激しく身悶えし、引っ切り無しに声を上げ続けた。同期をとりながら共に揺れるふたり。いや、揺れるというより、あたるがラムを揺さぶって、上下左右にバウンドしている、といった方がいいかもしれない。

ふたりの交合は熱く激しい。ラムが感極まった電流を放出すると、あたるは「…うっ…」と言いながらもそれを受け止めた。あたるの全身が、薄い電気の膜に覆われ、彼の体表面には時々、ピリピリッ…パチッ…と、青白いスパークが走った。

「…あんっ、あんっ、あぅんっ!…ダーリン、から…流れて、くる…電気…美味しい…っちゃぁ…」

ピストン運動の果てに、あたるのスペルマがラムのナカに注がれた。それは電気を含んだ白い命の種だ。

「あっ、あぁっ…美味しい…っちゃ…ダー、リン…」

ラムは時々、あたるの電気含みの精液を、こんな風に表現する。カラダで感じるエクスタシーと、ラムの特殊な味覚で感じる電気の味が相まり、彼女にとってあたるとのセックスは、これ以上無いほどの快楽だった。

「…にゃ…う…ん…」

「…ラ、ム…ぅ…」

狼のつもりだったあたるは…何故か、自分の方がラムの獲物のような気が…した。愛らしい猫の鳴き真似で喘ぐラムとの交合。あたるはラムの全てを得たつもりになっていたが…「美味しいっちゃ…」と言われる度に、不思議とそんな風に思えてくるのだ。

が、行為の最中はそんな事は忘れて、ラムを抱く事に集中するあたる。そして互いに何度も絶頂感を味わった後…東の空が白み始める頃になって、ようやくふたりは、静かな眠りに就いた。


そして翌日の夜、あたるの部屋にて。

「ラムは時々…“美味しい”って言うよな。何ちゅーか…妙〜な感じなんだが…」

「美味しい、って言うのがけ?」

「そっ」

「だってウチ、電気が美味しい、って感じるっちゃ。それはダーリンも知ってるでしょ?」

「だけどなぁ…オレが美味しい、って言われてるみたいな感じがするぞ。それって変だろ?」

「どういう風に?」

「つまり〜…オレが…食われてるみたいな…」

「ダーリンの方がウチを食べてるくせに?」

「だから“美味しい”って言うの、やめんか?」

「無理だっちゃよ。本当に美味しい、って感じる時があるんだもんっ」

「狼が獲物を食うってのは、聞くけどな…猫が狼を食う、ってのは聞いた事無いぞ?」

「別にダーリンを食べてるんじゃなくって、電気の味が美味しい、って感じるだけだっちゃよ。そんなにイヤけ?」

「うーむ…だから妙〜だし、複雑な心境になるんじゃ…“美味い”って言われると」

「もしかしてぇ…集中、出来ないのけ?」

「…アホか…」

「狼が仔猫にミルクをあげてると思えばいいっちゃ」

「オレがラムに…ミルク〜!?…もしかしてその喩えは…アレか?…ミルク…ねぇ…(何ちゅー言い方をするんじゃ、ラムはっ)」

「そう思えば別に不自然じゃ無いっちゃよ」

「じゅーーーーぶんっ!不自然だと思うが、オレはっ」

「そうけ?」

「そうっ!大体、お前の体質はどーなっとるんじゃ。放電するくせに電気が美味い、と感じるその味覚はっ」

「だってぇ、しょーがないっちゃよ。本当に電気、美味しいんだもん」

そこであたるは黙り込んでしまった。腕を組んで目を閉じ、何やら考えているようだ。

(もし、もしもじゃ…将来オレとラムの子が出来たとして、その子が“電気が美味しい”と感じる体質で、電気ばっかり食っておったとしたら…電気代がバカにならんではないかっ)

「どーしたっちゃ、ダーリン?急に黙り込んで」

ラムは端座した姿勢のままふわりと浮くと、あぐらをかいて黙りこくっているあたるのすぐ傍まで飛んできた。

「…いや、何でも…無いっ」

「何でも無い事無いでしょ?」

「ラムのその体質は、この先ずーーーーっと、そのまんまなのか?電気が美味いっ、と感じる体質とか」

「当たり前だっちゃ」

「そうか…まぁ、体質だから、しょーがないっちゃ、しょーがないけどな…」

「ね、それより…ダーリン…」

急に甘えた声になったラム。更にあたるにずずいっ、と寄った。するとあたるの視界にラムの胸元がドアップで入ってきた。

「…UFOに行く?それとも〜…」

「オレの事、“美味い”って言わんか?」

「えーーーっ、それは無理だっちゃ。だってぇ〜〜…ああいう時は…何、言ってるか…わからないっちゃよ…」

と、ラムは頬を染めながら恥ずかしそうに、そう言った。

「ところでダーリンは…ウチと…してて…美味しい?」

「…あー…ごほっ…ん、まぁ…そだな…どっちかっつーと…うん」

「それじゃあ全然答えになってないっちゃ、ダーリン」

「オレはラムと違って、地球人だからっ!電気の味がわかるとか、そーゆー妙な体質ではないのだっ」

「そんな事わかってるっちゃ。だから〜…ウチって…どう?」

「…ぶっ…“どう?”ってねぇ…ラム…。それをイチイチ言うのか?」

「だって聞いてみたいっちゃ」

「言わんでも…大体のところは…なぁ?」

「また“なぁ?”で誤魔化そうとするんだからっ」

「んな事、恥ずかしくて口に出せるかっ」

「ふふっ♪やっぱりそう言うと思ったっちゃ♪」


「電気の味がして…ダーリンの、キス…美味しいっちゃ…」

「…だから…美味しい、とか言うな、って言っただろーが…こっちは…痺れて…」

「…痺れて?…」

「…頭が…くらくら…しとるわ…」

頭、カラダ、そして、自身の逸物。あたるの全身隈なく巡るラムの電流。
“パシッ…パシッ、パシッ…ビビッ…ピシッ…”
UFOのベッドで絡み合うふたりを、ラムの電流が包み込んでいる。あちこちからほとばしるスパークが、絡まる糸のように結び合っている。
四方八方に飛散する青白い光。汗が伝導体となって、ラムが放出したスパークは、あたるのカラダを隅から隅まで光らせていた。

やがて一体になるカラダとカラダ。ラムの女の部分で男の部分をしごくあたる。不規則な強弱をつけて飛び散る電気の糸は、あたるの逸物を通じて、ラムのナカへと流れ込む。

「…いいっ…いいっ…いいっちゃっ…あはぁっ!あぁっ、あぁっ、あぁっ、あぁーっ!!」

交合の、ぬめって水っぽい淫音と、バチバチと空気を弾けさせ乾いた音を立てるラムの放電。対照的なふたつの音が入り乱れて、あたるは軽いめまいにも似たフラッシュバックを起こしていた。

脳内に一瞬閃く、たくさんの女の顔、顔、顔。その中で一際はっきり見えるのがラムだった。虎縞ビキニで陽気に笑うラム…学校でのラム…かんしゃくを起こしているラム…そして、こうやってセックスをしている時の、女の顔をした…ラム。

たくさんの女性といい仲になりたい、と思う男の性(さが)。しかしこうしてたったひとりだけ…ラムとだけ深い仲になっている。それがどういう事なのかは、今の時点で、あたるはあまり考えていなかった。というより、考えたくない、と思っていた。

(…ラム、の、せいで…こいつじゃないと…オレ…は…)

無意識にそんな言葉が頭をふと過(よ)ぎった。ラムは相変わらずあたるの揺さぶりで悶え続けている。

「あぁっ、あぁっ!…もっと、もっとだっちゃ…もっと…もっと…ウチ、をっ…ダーリーーーンッ!!」

「…ラムッ…」

「あぁーーーんっ!いっぱい…いっぱい、いっぱい!…欲しい、っちゃぁ、ぁ、ぁ…ダーリン、が…」

ラムのカラダを開花させていく、あたるの揺さぶり。ラムの奥の奥にあたるが入り込み、猛然と攻め立てる。そのアクションにラムが全身で応える。

そしていつものように。電気を含んだ白濁の体液がラムのナカに発射された。

「…あ…あ、ぁ…お…お…美…味しい…ちゃあぁぁ…いっ…いっ…いっちゃ…うぅ、ぅ……」

全身をわななかせながら、ラムはあたるの腕の中で、今夜一番のオーガズムに達して、脱力した。

「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…美味しい、とか言うな、って言ったろ…ラムの、アホ…」

「はぁ…はぁ、はぁ…だって…本当に…美味しかった…っちゃ…」

「…それ言われるとなぁ…オレの方が食われてる、みたいな…感じがして、だな…」

「…だって、ウチの体質、なんだもん…。ダメ?」

「それよりお前…頭…」

「頭?」

「ツノの辺りに、また耳が…生えてきとるぞ…」

「あっ…ホントだっちゃ…。ダーリンの頭にも…狼の耳、みたいなのが…」

「どういうこっちゃ」

「昨日の亜空間の影響かな…?」

「このまま生えっぱなしなのかっ!?」

「ちょっと待つっちゃ、ダーリン。調べてみるけど、その前にシャワー浴びてきたいから」

そしてシャワーから出てきたラムがコンピュータで調べたところ。

「やっぱり何日か、後遺症みたいなのが残るって出てるっちゃ」

「っちゅー事は、まだ何日かは、ラムの頭に猫の耳と、オレの頭に狼の耳が…生えてくる、っちゅーわけかっ!?」

「そうみたいだっちゃ」

ケロッとしてラムがそう言った。

「しかし、気に食わんっ!」

「何が?」

「何で今頃になって生えてくるんじゃっ!どーせならもっと早くに生えてくれればいいものをっ」

「後遺症だから、きっと…終わった後に…生えてくるっちゃよ」

「ラムッ!お前はそれでいいかもしれんが、オレは気に食わんっ!気に食わんと言ったら気に食わんっ!なーんで終わった後に生えてくるんじゃっ」

「やけに悔しそうだっちゃね、ダーリン」

「だってお前ねぇ、いつもと違うんだぞっ!?野外ではないがっ!いつもと違うシチュエーションでっ!こう、くんずほぐれつっ!出来たはずだろっ!?」

「…そういう事け…」

「よしっ、今から猫と狼というシチュエーションで、レッツ・くんずほぐれつじゃーーーーーーっ!!」

「ダーリンの考えてる事…時々わからなくなるっちゃ…ちゃっ!…シャワー浴びたばっかり…なのにっ…もうっ…ダーリンの…エッチ…にゃ…あぁんっ…」

こうしてふたりは再び、コスチューム・プレイ…もとい、狼と猫というシチュエーションで、“レッツ・くんずほぐれつ”したのであった。


それから数日して亜空間の後遺症も収まったと思った頃、学校の帰り道にて。

「ダーリン待つっちゃーーーーーっ!!」

「待てと言われて待つバカがどこの世界におるんじゃーーーっ!!」

「またガールハントしようとしてーーーーっ!!」

「オレの生きがいを邪魔するなーーーっ!!」

ラムが落とす雷を、ひょいひょいと器用にすり抜けていくあたる。と、その時。

「ラームちゃーーん♪」

「あ、ランちゃん…あーーーーっ!!」

ラムがランの呼ぶ声に振り向いたほんのわずかな間に、あたるの姿はすっかり見えなくなっていた。

「またダーリン、ガールハント?いいじゃな〜い、いつもの事なんだし〜」

「よくないっちゃ、まったくもうっ」

「ところで…どうだったの?満月の夜の亜空間は」

「ランちゃんこそ。レイとそこでデートしてたんじゃないのけ?」

「うふふ♪もちろんよ〜♪で、ラムちゃんたちはどうだったの?」

「どうって…別に〜…」

「だってぇ、いたんでしょ〜?…おんどれとダーリンの声が遠くから聞こえたからなっ」

「そ、そう〜?気のせいだっちゃ、うん。空耳だっちゃ」

「何とぼけとるんじゃ。あの声は間違いなくっ!ラムとダーリンの声やった!」

「ウチら行ってないっちゃ。間違ってもランちゃんの邪魔しようなんて思ってないっちゃよ。ホントだっちゃ」

「…あんなぁ、どたまに猫耳生やしといて、よく言うわっ」

「えっ、あーっ!…まだ後遺症が…あっ」

「やーっぱり行ってたんやないかっ。…で、どやったんや?」

「耳にびっくりして…途中でこっちに戻ったっちゃ…」

「つまりっ、あそこで最後までいかんかった、っちゅー事やなっ!?」

「…だっちゃ。そう言うランちゃんはどうだったのけ?」

「ワシか?おんどれの声がした途端、レイさんの気が逸れてなぁ…どうしてくれるんじゃっ、ラム〜〜」

「どうしてくれるんじゃ、って言われても〜」

「せっかくの晩を台無しにしてくれよってからに〜〜…」

「そ、それじゃあウチは…これでっ」

「あっ、ちょっ、待たんかいっ!逃げるんかっ!ラムッ!…憶えとれよ〜〜〜」

そしてラムはあたるの事そっちのけで、あたふたと飛んでUFOに戻った。それからあっと言う間に…夜になった。ラムはあたるの部屋で宿題をやっており、あたるは宿題なんぞやる気も無さそうにマンガを読んで笑っていた。

「ダーリン、宿題しなくていいのけ?」

「オレの分もやっといてくれ」

「イヤだっちゃ」

「何だよ、ラムならすぐ出来んだろ?」

「とにかくイヤだっちゃ」

「そう言わんと」

「イヤだっちゃ」

「イヤ、イヤ、ってなぁ…あん時みたいな事…言うなよ」

「…ダーリンのバカッ、エッチ…」

「バカで結構毛だらけじゃ。お、そうだ。宿題やってくれたらデートしてやってもいいぞ」

「ホントけ?」

「と、その前に…」

あたるは机の椅子から立ち上がると、宿題をやっているラムの所にやってきて、顔をずいっ、と近付けた。

「どーも今度は、コーフンしたり、その気になったりすると…耳が生えてくるみたいだな。この間と違って」

「ダーリン…耳が生えてきたっちゃ」

「そういうラムだって生えてきとるぞ」

そう言いながらラムの肩に手を掛けたあたるは…ゆっくりラムを押し倒していった。そして…。

「…あんまっ、声っ、出す…なよっ…」

「…だって…あんっ、あんっ…あんっ…無理…だっちゃ…あ、あ…あ、ぁ…ぁ…美味…しい…っちゃぁ…ダーリン…」

「…だからっ、美味いっ、とかっ、言うっ、なっ、よっ…」

「ダァ、リン、だっ、てっ…ウチ、をっ…いっぱい…食べてるっ…くせ、にっ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

「…人を、獣(けだもの)みたいにっ、言いおって…はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」

「あぁ〜んっ!だめぇっ…イ、ク……と…飛んじゃ、う、ぅ、ぅっ…ぁはぁんっ!」

その翌日、ふたり揃って宿題を忘れた事は、言うまでも無い。

「結局ウチまで宿題出来なかったっちゃ。ダーリンのせいだっちゃ」

「…耳生やしておいて、よく言うわ…」

「だけど…耳が生えても生えてなくても…」

「何だ?」

「ダーリン、いつでも…ウチの事、食べちゃう、狼だっちゃ。…ね、ウチ…美味しい?」

「…明るいうちから、恥ずかしい事を聞くな、っちゅーんじゃ…アホかっ…」

あたるは“ぷいっ”とラムから顔を逸らして、そう言った。そしてラムはそんなあたるを見てにっこり笑い、彼の腕にしっかと絡み付いて、こう言った。

「うふっ♪ダーリン大好きっ♪」

--- E N D ---

あとがき


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